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DTMコンプレッサープラグイン 個人的おすすめ12選 使い方や言葉の意味も解説

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音楽制作の世界で、特にDTMや宅録に携わる皆さんにとって、ダイナミクス処理は避けて通れないテーマですよね。良いコンプレッサーを使えば、その効果は明らかで音圧が一新し、全体の音質が格段に向上します。

しかし、コンプレッサー選びは決して容易ではありません。アタックタイム、リリースタイム、レシオ(圧縮比)、スレッショルドといった基本設定から、サイドチェーンやゲインリダクション、さらにはパラレルコンプレッションやマルチバンドコンプレッサーまで、選択肢は無限です。

何より、「正直どれを選べばいいのかわからない!」でもコンプレッサープラグインを使うことでミックスのクオリティが向上するから、おすすめを知りたいという人もいると思います。

この記事ではそのような「おすすめコンプレッサープラグインをきっかけにコンプを使いたい覚えたい!」という人のために記事を書きました。読者層としてはミックス初級者〜中級者あたりを想定しています。

この記事で紹介するコンプレッサーはあくまで個人的な経験をもとに使ってみたときのモチベーションの最大瞬間風速を大事しています。なのでガチガチのプロのミキシングエンジニアの人からすれば違う答えになるかもしれませんが、その点を了承していただくと最後まで楽しめると思います。

UG
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DTM コンプレッサープラグインとは

自分にぴったりのおすすめコンプを知るためにもこれだけは大切なコンプレッサープラグインの基礎知識、知っている人は再確認をしらない人はこのタイミングで覚えてしまいましょう。

コンプを使うこと目的は以下の4つです。

  • 音圧があがり楽曲に迫力が生まれる
  • 音量のピークをなめらかにする(なくす)
  • 音のアタックを調整する
  • コンプの色を付ける

大量にあるコンプもすべて目的はこの4つに集約します。たくさんあるコンプレッサープラグインも仕事は上記の4つしかありません。

つまりおすすめコンプを選びたいときはこれらの4つの機能の中からより特化したものを選ぶことが大切です。録音をメインとした宅録のコンプもソフト音源だけのDTMだけのコンプであっても使い方は同じです。

コンプレッサーのより詳しい使い方や、パラメーターの設定方法についてゼロからはじめて誰でもわかる!DTMコンプレッサーの超基本的な使い方講座の記事でより詳しく解説しているので参考にしてください。

DTMコンプレッサーの種類と特徴について

コンプの種類は最初にもお伝えしていたように次の4つに分類されます。

(DAW付属のコンプは基本FETタイプのものが多いです)

種類特徴利点欠点主な使用用途不適切な使用用途
VCAピークに反応し、動作が速い。細かいダイナミックスに反応。ミックスやマスタリングに適している。音が痩せる傾向があり、音を暖かくするのは困難。ドラム、ボーカル、マスタリング。曲の平均レベルを均したい場合。
Opto反応が遅く、平均レベルに反応する。透明感があり、ミックスをタイトにする。低域が多いソースではポンピングが生じる。マクロダイナミクスの調整、全体的にタイトな仕上がり。ピークやスパイクが多い場合。
Vari-Muスムーズな圧縮、非線形特性。Warmでリッチなサウンド。ミックスをまとめる能力。ダイナミクスの細かい調整が難しい。ミックス全体のまとめ、Warmな音質が求められる場合。ダイナミクスの細かい調整やパンチが必要な場合。
FET高速なアタックタイム、個性的なサウンド。パンチがあり、Warmでリッチな歪み。サイドチェインフィルタがないとバスコンプに不向き。パンチが必要なドラム、ボーカル、ベース。2ミックスにはサイドチェインフィルタがない限り不向き。
参考記事
VCA, OPTO, VARI-MU, FET COMPRESSORS… WHEN TO USE WHICH ?
コンプレッサーの種類有名な機種名
VCASSLバスコンプ、Neve、API、Focusrite RED、DBX 160、Alan Smart C1
OptoLA-3A、JLM Mac Opto Comp、LA-2A、TubeTech CL1B
Vari-Mu(真空管)Fairchild 670、Altec 436C、Manley Variable Mu、HCL Varis
FETUrei 1176、Hairball Audio FETコンプレッサー、Slate Technology製品

この4つがコンプの主な種類になります。

LA-2Aなどには真空管が使われていますが、真空管コンプとは言いません。ここでのカテゴライズは圧縮にどのような方式が使われているかによって決定しています。

また、これらの機能を網羅し1つにまとめたマルチコンプ(マルチコンプというのは私の造語です)もあります。

何百というコンプがあっても基本はこのうちのどれかになります。詳しくはこちらにも書いてありますので参考にしてください次から各コンプ別のおすすめプラグインを紹介していきます。

VSTコンプとAUコンプは別物?

VSTやAUプラグインの規格であり規格違うだけで基本的な中身は同じです。

Logic ProではVSTプラグインは使えませんし、CubaseではAUプラグインが使えません。他のDAWでは両者が使えるもの多くなっています。

おすすめコンプを探して「VST」と書かれても多くのプラグインはVSTとAUの両方をインストールできるものが多いです。VSTはプラグインとして最も認知されていいるので、多くのDTMerは「VST コンプレッサー」と検索する人が多いですね。

DTMコンプレッサープラグインMYおすすめ12選

プラグイン名メーカータイプ
Material CompVoosteQ複合
Pro C2FabFilter複合
smart:comp 2sonibleAI(動作はFETタイプと思われる)
ComplexxKiive AudioFET
FET-76Arturia FET
OPTO COMPRESSORSoftube光学
GemComp LAOVERLOUD 光学
UADx dbx 160 CompressorUADVCA
BUS COMPRESSOR 2SSLVCA
PLUSAR MuPLUSARVari-Mu
FireChildTone empireVari-Mu

実際に使ってみて(現在でも使い続けている)コンプレッサープラグインを独自と偏見、そしてちょっとだけ客観性も交えて解説しています。

Material Comp

カテゴリマルチコンプ
音質4
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)4.5
安定性(CPU負荷)4.5
価格5
総合評価4.4
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Material Compは日本で作られた純国産100%のコンプレッサーVSTプラグインです。

このコンプにはFET,オプト、VCA,真空管、デジタルとあらゆるコンプがエミュレートされているのでDAWに付属のコンプが一種類だけのものと比較すると、コンプのカラーバリエーションが増えあらゆるコンプのダイナミクスサウンドを手に入れられます。一言でいうなら「ちょっとずつ美味しいところを提供してくれる高級レストラン」といった印象です。

また、プリアンプの挙動やアナログフレーバーと呼ばれる色付け機能、さらにはバスコンプとして使えるGlue magicなどの機能が搭載されているのもポイントが高いです。

おすすめのポイントとして音質、機能性とすべてにおいて他のプラグインを凌駕する価格が魅力でありながら、何十万もの実機を使っているプロの作編曲家、およびミキシングエンジニアも高く評価しています。

複数のコンプレッサーモードを搭載したプラグインはMaterial Compの他に、MeldaProduction MTurboComp、Fabfilter Pro-C2などがありますが、やはり価格面でのアドバンテージはMaterial Compが一番です。

FabFilter Pro C2

Material Compがより音楽的な音色に拘ったものだとするとFabFilter Pro C2はできるだけ色付けがないコンプレッサーといえるかもしれません。いくつかのコンプモードもそこまで色付けがあるわけではなく、それらは圧縮の質感を再現しています。

価格帯はコンプレッサープラグインの中ではかなり高い部類ですが、日本を含め世界的なシェア率は高く、音響雑誌などでエンジニアが使用している記事をよく見かけます。

使ってみた印象として、GUIの好みで好き嫌いは分かれる印象でした。あと、サイドチェインの幅が広いため、スネアだけをピンポイントで抑えられるのは便利だと感じました。

smart:comp 2

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AIによってその素材に最適なコンプレッション設定を提供してくれるのがsmart:comp 2です。

OzoneのAIが今では当たり前のように使われていますが、こちらはコンプレッサーだけに特化したものなので、他の他のプラグインと併用したい場合に便利です。

ガチプロの世界ではAIによるコンプレッションは割りと重視せずに、初心者が説明を聴いてもまったくわからないような複雑な処理の部分で重宝しているという話も聞きますが、

コンプ初心者はまずAIによるコンプのかかり具合から学んでいくのがオススメです。

Kiive Audio Complexx

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グレードの高いモデリング技術で定評のあるKiive AudioリリースしたFETタイプのコンプレッサープラグイン。

バスコンプ的な位置づけですが、単体トラックでも使えます。独特のアタック感が癖になるサウンドでスネアサウンドがとにかく気持ち良くなります。

アタックが3種類しかありませんが、その3つを使い分ければよいだけの話でむしろ下手にいじれるよりシンプルな操作性で音作りが可能です。スレッショルドを多少深くしてもパツパツにならないのも良い感じです。

Arturia FET-76

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なく子も黙る1176コンプレッサー。多くのメーカーがモデリングしているので、どれを選べばよいかわからない問題に出くわす可能性が高いコンプレッサープラグインです。

FET-76が他の1176コンプレッサープラグインと比較して、個人的に優れていると思うのは、音の荒々しさです。

すべてのコンプレッサープラグインを同じ設定にしても、FET-76はより荒々しく迫力のある音色になります。またアドバンス機能としてより音質を追い込める機能も取り揃えているのも魅力です。使ってみた人の多くは「思ってたより音がよい!」という評価をしている人が多いです。

Softube OPTO COMPRESSOR

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定番のプラグインを高い技術でモデリング化し世界中のミキシングエンジニアが指示しているSoftubeのOPTO COMPRESSOR。見た目からもわかるように定番の光学式コンプの定番LA-2Aをモデリングしています。

音の密度やコンプレッション感は一番好みの質感です。UADのLA-2Aシリーズは音が暴れる方向に対して、Softubeはとてもナチュラルな質感から真空管の歪みを再現するDRIVE機能でサチュレーション感あふれるコンプレッションサウンドを得られるので、ビンテージな質感からモダンな質感まで幅広く対応可能です。

また、設定4つまで保存できるABCD比較ボタンもあるので気になる設定を素早く切り替えながら好みのサウンドを作り出せます。

OVERLOUD GemComp LA

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定番の光学式コンプLA-2Aと3Aを1つにしたOVERLOUDのコンプレッサープラグインGEM COMP LA。音質の傾向はSoftube OPTO COMPRESSORと似ていますが、GEM COMP LAの方が若干天井が高い印象、とくにLA-3Aモードにするとその違いがよくわかります。

基本的に、ノブ1つでLA-2Aと3Aを切り替えられるのが便利でよく使います。

あと、荒々しいLA-2Aサウンドがほしい場合はUADのLA-2Aシリーズを使います。

UADx dbx 160 Compressor

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通すだけでバキバキになってくれるコンプでおなじみのUADx dbx 160 Compressor。基本素材を選ばないVCAコンプとして何にでも使える万能的なコンプ。

ロックな雰囲気のあるドラムを作りたいときなどに重宝しています。またUADの中で高域がロールオフしない珍しいタイプのプラグインなので、ハイレゾ環境でも使用可能です。

SSL BUS COMPRESSOR 2

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VCAコンプの定番SSL BUS COMPRESSOR 2は名前からしてバスコンプですが、これもバストラック以外でも普通に使えます。UADx dbx 160 Compressorと比較すると、SSL BUS COMPRESSOR 2の方が全体の画角が広く奥行きを感じるサウンドです。

バキバキにつぶしても良いのですが、自然なGlue感とコンプレッションサウンドを堪能するのが一般的なので、ポップスよりのサウンドにしたい場合はUADよりこちらの方がオススメです。

PLUSAR Mu

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Muコンプといえばこれ!

variable Mu方式を採用したコンプレッサーManley Variable Muをモデリングしたもの、スムーズなコンプレッションサウンドともちっとした質感が音楽的なモチベーションをアップしてくれます。

Tone empire FireChild

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こちらもvariable Mu方式のコンプレッサー、多くのメーカーが元になった670シリーズをエミュレートしていますが、Tone empire FireChildは3タイプのコンデンサーを選択可能、それが絶妙な違いでありながらも音楽的な圧縮感につながっています。また、パラレル処理や、サイドチェインの設定も細かく調整可能なので、音作りの幅の広さだけで言うならば、PLUSAR Muより上です。

音質面ではいかにも真空管サウンドを再現した的なサウンドでこの部分で好みは分かれますが、決してネガティブな音質ではなく、必要用途さえ明確ならばvariable Mu方式のコンプレッサーです。

DTMコンプレッサープラグインを選ぶときに注意したいこと

DTMコンプレッサープラグインを選ぶときは音質、機能性、操作性、安定性、価格、この5つのポイントが大切です。

また実機をモデリングしているコンプレッサープラグインの場合、中級者〜上級者は「実機と比べてどうなのか?」という点を注目することが多いです。実際エンジニアリングをしている人からすると実機の音が100%プラグイン再現できるのであれば、プラグインを求める人は少ないです。

理由はいくつかありますが、実機の場合故障やメンテンナンスによる維持管理が問題になりますし、デジタルならではのトータル・リコール等の恩恵があります。

しかし、実機を知らない人の場合、モデリングの完成度は重要ですが、それ以上に自分の求めているサウンドを素早く出してくれる方が結果的に満足度は高いものになります。

「実機の音を知らずに語るなよ!」という人もいるかもしれませんが、実機であっても年代、状態、によって音質はバラバラです。何をもって実機の音とするかはその人が使い込み経験から理解した挙動が一つの答えになります。

もちろん実機のサウンドを触ったうえでコンプレッサープラグインを触れることでより深い理解を得られることは間違いありませんが、実機を知らなくても問題はないということだけ頭の片隅においておくとよいでしょう。
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コンプの使い方を簡単に確認したい場合に有効な方法

コンプになれていない場合はパラメーターをちょっと動かしてその差を知るのは難しいです。なのでコツは大げさに使うことです。

そうすることによって音の違いを理解できるようになります。

パラメータの意味や関連性を考えるからコンプはわからなくなるのであって

どこを回せば1番音が変わるかをまず覚えます。

メーカーによってGUI(見た目)が異なりますが操作の仕方は同じです。ちなみに

1176のアタックは高速の20マイクロ秒から800マイクロ秒

リリース最速の50ミリ秒から最遅の1.1秒

という数値の幅です。そしてこのアタックタイムは非常に高速なので初心者には音の変化がわかりにくいのです。ですから、上記の画像の設定にします

1176を通していない音

いじるのはリリースだけこれで音の変化を聴いてみます。

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少しだけ音が変わったような感じがしますか?何が変わったじゃなくていいんですよ。「そんな気がする」でOKです。次にリリースタイムを

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どうですか?これなら違いがわかると思います。こういう違いを言葉で言えるようになるのが大事です。これを一言でいうと「歪んだ」「荒々しくなった」感じだと思います。ポイント!

このとき、少しだけアウトプットをさげてやってボリュームを調整することで音圧を稼いてボリュームを増やさないことでレベルオーバーを回避できます。

音をまとめるコンプで有名なSSLのバスコンプです。ここも難しく考えずに画像をデフォルトに触るのはアタックとリリースのみ例えばアタックを1番左にした場合はこんな音

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はアタックは-1でリリーも-1

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ちょっと歪んでいるのがわかります?

次にリリースを1.2にしてみます

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めちゃ「ぱっつん」っって感じで音が前にきている感じしませんか?

次にリリースを-1にします。

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ぱっつんながらこちらの音が前にきているのがわかると思います。この音を自分の中でどういう位置づけで使うか?というのが重要です。

荒々しさがほしいからドラムをちょっと歪ませたい。など音を言葉で表現できるとコンプの使い方はわかりやすくなります。

まとめ

プラグイン名メーカータイプ
Material CompVoosteQ複合
Pro C2FabFilter複合
smart:comp 2sonibleAI(動作はFETタイプと思われる)
ComplexxKiive AudioFET
FET-76Arturia FET
OPTO COMPRESSORSoftube光学
GemComp LAOVERLOUD 光学
UADx dbx 160 CompressorUADVCA
BUS COMPRESSOR 2SSLVCA
PLUSAR MuPLUSARVari-Mu
FireChildTone empireVari-Mu

基本的に私がメインで使っているコンプレッサーを12個選んで紹介しました。これらでなければいけない理由はありませんし、ガチガチのエンジニアからすれば、まったく違うコンプレッサープラグインを紹介するかもしれません。

これらを選んだ理由は、機能面においてそれぞれ特化している部分とやはり音質です。その音質については実機の再現度より自分が作ろうとしている音楽性にマッチしているかどうか、使うことでモチベーションが上がり、ワクワクできるかどうか、これらを重要視しています。

しかしなら、一応、VCA,FET,OPT、Variable-Muタイプの4つを網羅することで、幅広い音作りに適応できるようにチョイスしています。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • いつもお世話になります。

    コンプを制する者はマスタリングを制する

    ですねw

    Wavesは同感です
    IKよりは分かりやすい変化をすると思います。UIはIKの方が見やすいですね。
    実際問題として実機を触った事すらない人間からするとW avesに限らずオワコンかどうかなんて、どうでも良かったりしますw

    しかし、ホライゾンとか昔は何十万もしたんですよね?
    個人的には良い時期にDTM始めたなぁと(苦笑)

  • いつもありがとうございます。

    個人的にはUIはIKの方が好きですw
    オワコンという人は少なくてもここ十年近いwavesを見てきた人のセリフで
    昨日今日始めた人にはそんなこと関係ないですよねw

    そりゃ「wavesよりもっといいものがあるよ」というのが事実かもしれませんが、
    まぁまずは無難なところ抑えてもバチは当たらないかな?って思っていますw

    10年以上前から見えると価格はほとんど1/9くらいですねw
    今DTM始めるにはよい時期だと思いますw

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