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「高音質コンププラグインの基準」Pulsar Muレビュー

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初心者には高価で高音質なコンププラグインなんて必要ないよね?と思うかもしれません。しかし私は1つは持っておいた方が良いと思います。そしてのその1つとして選ぶVST プラグインがPulsar Muです。

Pulsar Muをオススメする理由は3つです。

CPU負荷が軽い

扱いやすい

音の良さは価格以上

Pulsar Muを使えば、DTM初心者でも「ミックスがうまくなる!」とはいいませんが、うまくなっていくために必要なコンプの音質について深い知識を学べます。その結果、素早く、確実にミックスクオリティ等を改善することができます。

総合評価
音質
操作性
価格 
購入のしやすさ
安定度(CPU負荷)
評価の根拠について
メリット
デメリット
  • 実機を使ったプロが認める音の良さ
  • CPU負荷が軽い
  • 扱いがかんたん
  • 安い!
  • プリセットを間違えて消してしまいそうになる
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
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Pulsar Muとは

ハードウェアコンプの中でも評価が高く、プロ御用達と言っても過言ではないMANLEYStereo Variable-Mu Limiter  これは定価が50万もする超高級機です。これを149ドル(およそ17,000円程度)で再現してしまったのがPulsar Muです。

ちなみにマスタリングバージョンというものもあったりします、お値段はさらに10万近く高くなります。

「再現っていてもそんなにたいしたことないんでしょ?」と思う人もいるかもしれません。確かに100%実機と同じになることはありませんが。所持している人からも「実機レベルで考えてもよい再現度」「自分の持っているStereo Variable-Mu Limiter の調子が悪いことがわかった」というほどです。

私は実機の音も知らなければ触ったこともありません。つまり多くのDTMerと同じ立場ですが、触れて触った第一印象は

「音の密度と自然さにおいて何百と触ってきたコンプの中で一番」と思いました。

MANLEYStereo Variable-Mu Limiter の実機解説動画

我らが和田さんの動画いつ見てもわかりやすいですね。

Pulsar Muの特徴

パルサーのモデリング技術は、元のデバイスの動作の完全なエミュレーションを保証します。

Pulsar Muは、すべてのコンプレッサーがデジタル時代に行うべきであるように、外部サイドチェーン入力を定義することを可能

Pulsar Muには、オプションのM / Sエンコードとデコードが組み込まれており、中央にパンされたサウンドと側面にパンされたサウンドを異なる設定で別々に処理

入力に対してゲインリダクション信号のタイミングをシフト

イパスフィルターを使用して低周波数が圧縮をトリガーするのを防ぎ、パラメトリックベルフィルターを使用してボーカルやその他の楽器への応答を調整

CPUの機能を最大限に活用して、より少ないリソースでより多くのことを実行

引用:pluginboutique Mu説明和訳より

PulsarのMuを使うことで「コンプ臭くならない」「音が無理に詰まったようにならない」「音が程よくしまってミックスがまとまる」などの効果を得ることができます。

Pulsar Muの使い方のコツ

Pulsar Muはパキパキのコンプサウンドをつくるというよりはトラック感の結びつきをよくするためのGlue効果が狙う使い方をする方がよりMuのポテンシャルを引き出せます。

なので、ここでは自然なコンプサウンドとGlue効果を使えるようになるための使い方のコツとして解説を進めていきます。

ATTACKとRELEASEのかかり方を注意しよう

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コンププラグインの多くは、左に回すとFASTで右に回すとSLOWという仕様になっています。しかし、Pulsar Muの場合は右がFAST、左がSLOWという仕様です。

アタックのの特徴として

FASTにすればコンプ感をパッツンな音(音の頭が潰れる)

SLOWにすればコンプが弱い(音の頭が潰れない)

普通のコンプの使い方の感覚で行くと「なんかコンプがかかった感じがしない」と思ってしまうかもしれませんので注意が必要です。ちなみにこのFASTとSLOWの向き逆なのは1176の実機がそのような仕様になっています。

Pulsar Muではあまりアグレッシブなコンプにはなりません。

DUAL INPUTで入力値を正しく決めるのがポイント!

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コンプを作動させるにはTHRESHOLDの数値を超えなければいけません。THRESHOLDを使って、メーターの針が1〜3の間をウロウロとするくらいが一番自然なコンプ効果を得られます。THRESHOLDは左に回すと深くコンプがかかると思ってください。

THRESHOLDをMAXにして、DUALINPUTをMAX(右に回しきる)と真空管特有のサチュレーション効果が得られます。

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しかし、中にはゲインが低いためにTHRESHOLDに届かないものもあります。そういうときにDUAL INPUTを使うことで足りないゲインを補います。

コンプに慣れていない人はこのあたりから「結局どうすればいいの?」となるかもしれませんね。

ポイントは先程の説明したアタックの機能を思い出してください。

ATTACKが速い(FAST)だと音源の頭が潰れて音圧を稼ぎやすいけれど、輪郭は見えにくくなる

RELEASEが速いと(5が最速)コンプがすぐに解放されるため音が明るくなる印象

つまり、音圧がほしいのであれば、ATTACKは早め、音の輪郭を残したい場合はATTACは遅め、コンプの効果が長引かずに、すぐに消えてほしい場合は、RELEASEは早め、という感じを目安に考え、あとはPulsar Muではメーターの貼りが1〜3の間にすることで自然なコンプレッションが可能です。

プリセットネームの数値に惑わされないように

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プリセットには「-4dB ]といった数値が書かれているものがあります、これはゲインリダクションの数値と思われますが、みなさんがこのプリセットを選んだからといって必ずしもこの数値の結果になるわけではありません。

これはどのコンプでも言えることですが、これらは特定のINPUTゲインのときの結果です。アタックの強い楽器によっても変わりますし、入力されるINPUTが違えばスレッショルドのかかり方も異なります。もしこの数値通りの結果を望むのであれば、DUAL INPUTを調整して、メーターの針が設定した数値を超えないようにするとよいでしょう。

Pulsar Muのメリット

文句なしに音がいい

語彙力がとぼしすぎるのが問題ですが、本当に音が良いです。しかし「音が良い」っていうけれどどうなれば音が良いの?って思う人もいるでしょう。基本的には好みの部分もありますが、コンプの音の良さは次の2つに分類されると思っています。

ほどよい味付けがある(倍音が付加されて心地よい歪感がある)

味付けがない(一切の歪みなくコンプレッションすることに特化したもの)

Pulsar Muの音の良さは前者にあります。真空管特有のウォームな音と自然なコンプレッションから得られるサウンドは、無理のないミックスを提供してくれます。

ちょっと言い方は乱暴ですが、音がこもりにくいコンプという言い方も可能です。もちろん「ミックスのこもり」はエフェクトプラグインが原因ではなく、その多くはアレンジにあるのですが、コンプのかかり方が不自然なものや、あまりにも下手な色付けがあるコンププラグインでは、ミックスの明瞭度が下がってしまいます。

Pulsar Muの場合は明瞭度が保ったまま暖かみである真空管サウンドを付加できるので、上記の問題が起こりにくいと言えます。

初心者でも扱いやすい

高品位なコンププラグインですが、初心者であっても簡単に扱えます。その理由は、レシオが存在していないというのもあると思います。レシオはTHRESHOLDを超えた音をどのくらいの割合に圧縮するのか?というパラメーターですが、Pulsar Muにはそのレシオがありません。

Pulsar Muのレシオに関しては公式サイトでの説明はありませんが、実機のモデリングということから実機のレシオの説明を引用可能と考えます。

コンプレッションモードはソフトニーでレシオはおよそ 1.5:1 に設定され、リミットモードではニーはより鋭く、レシオは 4:1 から開始し、12 dB 以上のリミッティングでは最大 20:1 の高い圧縮比となります。このタイプの圧縮は、リミッティング効果の強さと比例してソフトニーに変化していきます。また、入力を上げて、出力を下げ、コンプレッションをほとんどかけない状態にすることで、特徴的な歪み(サチュレーション)効果を生み出すことができます。

引用」HOOK UP Stereo Variable Mu Limiter Compressorより

つまり、1.5:1ということは非常になめらかな圧縮になります。このことからアグレッシブな音作りというよりは自然なコンプレッションを得られることがよく分かると思います。

使い所のポイントとしては次の2つがより良い効果を出せます。

バス・トラック

ボーカル

Pulsar Mu CPU負荷がめっちゃ軽い!

高度な処理とその音質の良さからさぞかし負荷が高いことが予想されるPulsar Muですが、正直かなり軽いです。ここまで音質が良くて負荷がかるコンププラグインは珍しいと言えます。多くの人がPulsar Muを支持しているのも「軽くて音がよ」という部分もあると思います。

Pulsar Muが挿してあるトラックを選択しているLogicを含む多くのDAWの場合シングルスレッドに負荷がかかります。また何も刺さっていないAudioトラック等を選択しているマルチスレッドによる負荷の分散があります。

Pulsar Muは負荷が軽いです。しかし、それはオーバーサンプリング使わない場合になります。オーバーサンプリングを8に設定した場合。負荷は一気に次のようになります。

負荷も8倍!近くになります。軽くて使いやすいという話はあくまでオーバーサンプリングを使わない場合の話です。もしオーバーサンプリングで使う場合は、すべてのトラックをオーディオ化するか、フリーズしてCPUの負荷を解放するのがよいでしょう。

CPU計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS10.15.7 Catalina

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.6.3

48kHz/24bit

再生ストレージ HDD

Pulsar Muのデメリット

DeletePresetの扱いは要注意!

プリセットもバランス良く揃っているPulsar Muですが、1つだけ危険な項目があります。それがDeletePresetです。

この項目を選ぶとプリセットがサクッと消えてしまいます。本来であれば「プリセットを削除しますYes/No」みたいに表示されればいいのですが、それがなく本当に一瞬で消えます。

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お気に入りのプリセットや。またデフォルトで搭載しているプリセットも容赦なく消せるので気をつけましょう。この項目はもう少し別の形でつけてほしかったところです。

Pulsar Muのプリセットを間違えて消しったときの戻し方

間違ってプリセットを削除してしまった場合はRestore Factory Presetsを選択すると以下のような画面が表示されるのでOKを押すと元に戻ります。

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ただユーザープリセットを消してしまった場合は元に戻りません。これはあくまでデフォルトのプリセットの設定に戻すだけなのでオリジナルのプリセットを作成した場合は十分に注意したいところです。

Pulsar Audio MU 口コミ

この他にも「上品に音がまとまるコンプレッサー」「「プラモのそんな目立たないけど超絶妙なウェザリング」的なものを感じる(伝わらない)。実機との比較も聴いたけど実機よりはあっさり印象」という声もあり、間違いなく言えるのはプロもアマチュアも「音が良い」ということに異論なしのコンプであるということです。

Pulsar Mu FAQ

真空管のタイプを変更することは可能ですか?

実機にはオプションでT-Bar Mod という真空管の特性を変化させることができますが、Pulsar Muではそれはできません。そこまでできればかなりユニークな存在だったとは思います。

Pulsar Muのレシオは固定ですか?

上記でも説明していますが、ソフトニーでレシオはおよそ 1.5:1

リミットモードではニーはより鋭く、レシオは 4:1 から開始し、12 dB 以上のリミッティングでは最大 20:1になっています。コンプらしい音作りよりナチュラルなコンプサウンドを目指す方が良いと思われます。

Pulsar Muを初心者にすすめる理由は?

良いコンプを1つ持っておくことで良い音の基準を知ることができます。つまり今後あらゆるコンプを見たときにPulsar Muと比べてどうなのか?という見方ができる。その見方をしても問題ないほどPulsar Muは良いコンプだと思います。

Pulsar Muの安値は?

過去に49ドルになったことがあったように思いますが、その時期をまって購入しないのはもったないほど今回のセール価格も魅力的です。クオリティや機能面絡みても格安と思います。正直ここから大きく下がることはないのでは?と思います。

Pulsar Muシステム要求

Windows

  • Windows 7 with SP1 / Windows 8.1 / Windows 10 (all 64-bit only)​
  • CPU: Intel Core i3 / i5 / i7 / i9 / Xeon or AMD Quad-Core minimum
  • Memory: 4 GB RAM & 1 GB free disk space​
  • GPU: OpengGL 2.0 compatible GPU​
  • Monitor: Minimum 1024×768 Resolution (recommended 1920×1080) & 60 Hz Refresh rate

Compatible Plugin Formats:

  • AAX Native (32 / 64-bit)
  • VST 2.4 (32 / 64-bit)
  • VST 3 (32 / 64-bit)

Mac

  • macOS10.8 – 10.15 (64-bit only)
  • CPU: Intel Core i3 / i5 / i7 / Xeon
  • Memory: 4 GB RAM & 1 GB free disk space​
  • GPU: OpengGL 2.0 compatible GPU​
  • Monitor: Minimum 1024×768 Resolution (recommended 1920×1080) & 60 Hz Refresh rate

Compatible Plugin Formats:

  • AAX Native (64-bit only)
  • Audio Unit (64-bit only)
  • VST 2.4 (64-bit only)
  • VST 3 (64-bit only)

注目すべきは、Windows環境では32bitプラグインとして使用できる点です。実際のところは今のDAWの多くは64bit環境なので32bitプラグインとして使う人は少ないと思うので珍しいと思います。

ただ最新OS 特にMacのBigSurとM1チップへの対応は明記されていないので、注意が必要かもしれません。気になる場合は購入より先にデモを試し見てみることをオススメします。

まとめ

高音質で使いやす行くなおかつ手頃な価格になっているPulsar Muは初心者上級者に関わらず購入の価値はあると思います。

しかし、パキパキのコンプを求めるのであれば、同メーカーの1178をオススメします。可能であれば2つとも購入しても良いほど優れたコンププラグインです。

とりあえずこの2つを触り倒せば「音がよいコンプとはこういうことか」という基準を知ることができる素晴らしいプラグインです。

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