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Techivation AI-Loudener レビュー 時短でもクオリティを確保する最新AI解析ラウドネスエンハンサープラグイン

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音楽制作で最も時間を要する作業の一つが、ミックスのラウドネス調整です。

TechivationのAI-Loudenerは、この時間を大幅に短縮し、どんなトラックも瞬時にプロフェッショナルな音質に変えることができます。

このプラグインはAIを利用して自動で音源を分析し、最適なラウドネスレベルに調整。初心者でも簡単に扱える操作性と、専門家をも満足させる精度を兼ね備えています。AI-Loudenerで、あなたの音楽制作がよりクリエイティブで効率的なものに変わります。

この製品はTechivation様より提供いただき記事を作成しています。

techivation
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
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Techivation AI-Loudener 概要

メーカーTechivation
製品名AI-Loudener
特徴AI技術で最適なラウドネス調整
ユーザーインターフェース調整可能
複数DAW対応プラグイン
専門的な音質向上
システムWindows
7 and up as 64-bit VST
VST3, and 64-bit AAX (PT11 and up).
Mac OS
10.15 (Catalina) and higher as VST, VST3, AU, and
AAX. Intel processors, and Native Apple Silicon Chips.
認証方式シリアル認証
認証数2
マニュアル英語/日本語(公式サイトよりDL可能)
価格$90.00$45.00 
備考アンインストール場所
MAC OS
AU: /Library/Audio/Plug-ins/Components/
VST: /Library/Audio/Plug-ins/VST/
VST3: /Library/Audio/Plug-ins/VST3/
AAX: /Library/Application Support/Avid/Audio/Plug-Ins/ その他のデータ: ~/Library/Application Support/Techivation
WINDOWS
VST: Custom path from installer
VST3: \Program Files\Common Files\VST3\
or \Program files(x86)\Common Files\VST3
AAX: \Program Files\Common Files\Avid\Audio\Plug-Ins\

TechivationのAI-Loudenerは、AI技術を活用してオーディオトラックを自動分析し、音量と音質を最適化するラウドネスエンハンサープラグインです。

M-LoudenerとAI-Loudenerの主な違い

M-LoudenerとAI-Loudenerの主な違いは、それぞれのプラグインのアプローチとテクノロジーにあります。

M-Loudenerは、特にダイナミックレンジを保持しながら音量を増加させることに焦点を当てたプラグインです。このプラグインには、「Drive」コントロールがあり、より多くのヘッドルームを提供し、トラックをより大きくすることができます。また、オーバーサンプリング機能を使用して、エイリアシングを減少させることができます

一方、AI-LoudenerはAIを利用してオーディオを分析し、特定のDSPアルゴリズムを用いてトラックに最適化された音量、調和の取れた興奮感、そして温かみを提供します。このAI技術は、異なる音源に対しても特定の特性を適応させることが可能で、より柔軟な処理を実現しています​

M-Loudenerは、基本的な設定で直感的に操作が可能で、特にユーザーが望む音のクオリティを維持しながら、音量を増大させるのに適しています。AI-Loudenerは、より高度な技術を駆使して自動的に最適な設定を調整し、幅広い音源に対応する能力を持っています。これにより、AI-Loudenerはより複雑な音源や多様な音楽ジャンルに対応しやすくなっています。

各プラグインは特定の使用シナリオやユーザーのニーズに応じて選ばれるべきです。M-Loudenerはよりトラディショナルなアプローチを提供する一方で、AI-Loudenerは高度なAI技術を活用して新しいレベルのカスタマイズを提供します。

ラウドネスエンハンサープラグインとは

ラウドネスエンハンサープラグインは、オーディオトラックの全体的な音量を増加させ、より豊かで存在感のあるサウンドを作り出すためのオーディオ処理ツールです。

この種のプラグインは、音量を単に上げるだけでなく、音質のバランスを保ちながら、パンチや明瞭さを加えるために使用されます。

ラウドネスエンハンサーは、音楽制作、ポッドキャスト、放送、その他多くのオーディオメディアで使われることがあります。

具体的には、以下のような技術的なアプローチを取ります:

  1. ダイナミックレンジの圧縮:オーディオ信号のダイナミックレンジを圧縮し、小さい音と大きい音の差を小さくすることで、全体の音量を均一にし、より聴きやすくします。
  2. ピークリミティング:オーディオのピークレベルを制限することで、クリッピング(歪み)を防ぎながら音量を最大化します。
  3. 周波数帯域の調整:特定の周波数帯域を強調または減衰させることで、よりクリアで聴き取りやすいサウンドを作り出します。

これらの処理を通じて、ラウドネスエンハンサープラグインは、聴き手に対してよりインパクトのあるオーディオ体験を提供することができます。音量の増加だけでなく、聴感上の満足度を高めるために設計されています。

ラウドネスと音量の違いについて

ラウドネスと音量の違い

  • 音量(音圧レベル): 音のエネルギーの量を表す物理的な測定値です。単位はデシベル(dB)で表され、音圧のレベルを示します。
  • ラウドネス: 音の「聞こえる大きさ」を表す心理音響的な測定値です。音の周波数や持続時間によって、同じ音量の音でもラウドネスは変わることがあります。

ラウドネスの測定

ラウドネスの測定には「LUFS(Loudness Units Full Scale)」という単位が使用されます。これは、音の平均レベルを測定し、人間の聴覚が周波数によって異なる感度を持つことを考慮に入れた測定方法です。特に放送業界や音楽制作では、一貫した聴取体験を提供するためにラウドネスを標準化することが重要です。

ラウドネスの重要性

ラウドネスの標準化は、異なるプラットフォームやメディア間で一貫した音量を保つために重要です。例えば、テレビ放送や映画では、視聴者が音量を頻繁に調整する必要がないようにラウドネスを調整します。音楽配信サービスも同様に、異なる曲間で聴感上の音量の差がないようにラウドネスを調整しています。

ラウドネスは単に音を大きくすること以上の意味を持ち、音の質や聴きやすさを向上させるために重要な役割を果たします。音楽制作やオーディオエンジニアリングにおいて、適切なラウドネスの管理は極めて重要です。

このツールは、プロフェッショナルなサウンドを手軽に実現できるよう設計されており、専門的な知識がなくても高品質な音響効果を提供します。

柔軟な設定と直感的なインターフェースにより、幅広いジャンルの音楽制作に対応し、クリエイティビティを促進します。さらに、AIによるリアルタイムフィードバックで音響調整が可能となり、プロジェクトの品質向上に貢献します。

解析の内容は公にはされていませんが、ただ音量を上げるだけのツールというよりは、ジャンルに特化した色付けを行いつつ、近年のミックス環境に最適化した音量になるというのがAI-Loudenerの魅力です。

Techivation AI-Loudener レビュー

音質4.5
機能性(オリジナル性)4.5
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)4.5
価格4.5
総合評価4.3

音質4.5

派手に音色が変化しないのが大きなメリット

AI-Loudenerは特定のDSPアルゴリズムを用いてトラックに最適化された音量、調和の取れた興奮感、そして温かみを提供できるのがメリットです。

実際聞いてみると、何よりもすごいのは最適化された質感にあると思います。ただ音量を上げるのではなく、AI解析による質感は「プロのひと手間!」といえる音質です。

では実際に音を聞いてみます。ヒップホップ系のトラックを用意しました。

まずは何も使っていない状態です。

dry

次にドラムトラックだけにAI-Loudenerを使って解析したもの

wet drum

次に、ベースにもAI-Loudenerを使ったもの

wet drum+bass

ドラム、ベース、マスターに使用したもの

wet mix

izotope系の結果に慣れている人からすれば「地味」と感じたかもしれませんが、無理やりな音量感は感じません。そのためトラックメイカーの意図をそのままユーザーに届けることができる音質であるように感じます。

では、前作にあたるM-Loudenerとはどのような音質差があるのか?という疑問を持つ人も多いと思います。

上記のサンプルにドラム、ベース、マスターにM-Loudenerを使ったものが以下になります。

M-Loudener
画像

パラメーター等も異なるので、厳密な意味での比較にはなりませんが、ゲイン量だけはできるだけ揃えてあります。

M-Loudenerの方がモリモリとなる傾向が強く、個人的な感想で言えば、両者は名前からくる印象は近くても、結果は別物として捉えるべきだと感じます。

またM-LoudenerがあればAI-Loudenerは必要ないか?という疑問を持つユーザーもいるかもしれませんが、M-Loudenerの結果から見て、十分に意図する音質を持ったプラグインのため両者は使い分けが可能であると判断しています。

では、もう一つ違うジャンルで試してみましょう。80年代のシンセ・ポップ系の曲です。

dry

今回は、ドラムステム、ベース、シンセ、パーカッション(タンバリン、コンガ)ギター マスターに使用しました。

wet

まず思ったのはパーカッションとの相性との良さです。コンガ(左)タンバリン(右)の聞こえ方(音量)が違うのがわわかると思います。

パーカッション系は細かなニュアンスが埋もれることが多いのですが、AI-Loudenerはその埋もれがちになるニュアンスをうまく前に出してくれています。

マスターにもAI-Loudenerを使用しているので、タンバリントラック単体と合わせるとより強調される結果となっていますが、それでも、クリアなまま前に出てくるの好印象ですし、ドライブを使えば音の立体感もうまく調整可能です。

マスターから単体トラックまで音量/音質、さらには距離感的なアプローチまでかんたんにできてしまうので、そのあたりの処理で時間をかけて納得のいく成果が得られない人はぜひ試してみることをおすすめします。

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機能性4.5

AI技術の活用の内容について

画像

AI-Loudenerは自動Learning機能によって素材およびマスターを最適な音量感に調整してくれます。解析にかかる時間はわずか3.5秒間と高速です。

ただ、解析ポイントによって結果が異なるため、できるかぎりラウドな箇所(サビ等)で解析するのがおすすめです。

メインパラメーターであるDriveは解析の強度(Intensity)を決めるもので、一般的な歪みを与えるドライブ機能とは少し異なります。

解析の内容は画像上記(Silky,Clear)に表示されますが、この表示内容が何を意味しているのかは具体的にされていません。

画像

ただ解析したトラックの内容から最適だと思われる処理内容を表示したものだと考えられます。

一応、調べてみたところ9つのラベルが見つかりました。そのラベルの表記名と音質から推測すると次のような内容になっていると思われます。

名前意味
Punchyダイナミックで力強い感じを強化し、打撃音が際立つ
Transparent音の透明感を向上し、詳細がクリアに聞こえる
Silky滑らかで柔らかい音質を強化
Deep低音の深さと豊かさを増加し、音に重みを加える
Bright高域を強調し、音が明るく鮮明に聞こえる
Warm暖かみのある音質を提供し、より豊かなハーモニクスを加える
Clear音の明瞭さを向上し、各音がはっきりと区別できる
Edgyエッジが効いた、攻撃的でありながらも引き締まった音を提供
Smooth全体的に滑らかでソフトな音質に調整

トラックによっては、順番が前後しているものもあるため、チェインの順番による音質の影響もあると考えれます。

これらのラベルは、AI-Loudenerがトラックに適用する処理を表しており、ユーザーが求める音響効果に応じて選択することができます。各ラベルはプラグインの機能を反映しており、特定の音楽ジャンルや音源に最適な設定を提供するためのガイドラインとして機能します。

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操作性3.5

かんたんすぎるのに最高の結果

AIプラグインの良いところはボタン一つで最適解を導いてくれることです。AI-LoudenerもLearningボタンを押せばあとは解析結果をまつだけですが、3.5秒と高速なので、待たされているという印象はありません。

GUIのサイズ変更等も50%〜150%と任意で変更可能です。

画像

操作性ではありませんが、一つ気をつけておきたいのは、メニュー画面を開くと登録メールアドレスが表示されてしまうので、個人情報の漏洩の懸念があるのでその部分だけは注意したいところです。

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安定性4.5

CPU負荷は軽く安定している

AI-LoudenerはAI解析機能をもつプラグインであり、負荷は高いと思っていましたがCPU負荷はとても低いプラグインです。

画像

上記の画像は、マスタートラックに一つAI-Loudener を挿した状態の負荷です。

izotopeのOzoneと比較するのはあまり意味がありませんが、少ないパラメーターで最適な結果を出せるという点でこの軽さは大きなメリットです。

またAI-Loudenerではオーバーサンプリング機能が搭載されています。

画像

オーバーサンプリングのCPU負荷結果が次の画像になります。

左から2倍、4倍、8倍、これはあくまで瞬間的なピークをキャプションした画像ですが、CPU負荷に関してはそこまで気にする必要はないと思われます。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格4.5

価格は為替レートに影響します。

通常セール
価格$90.00$45.00

価格考察

現在、AI-Loudenerの導入価格は$45で、通常価格は$90です。izotopeのOzone等とは単純に比較ができませんが、価格面と音質面から考えるとAI-Loudenerはかなりコストパフォーマンスに優れたプラグインといえます。

音質にこだわる多くのプロが「えっ?AI-Loudener使ってないの?」というくらいの代物です。その音質が$90、セール価格で$45ですから、十分すぎるほどもとが取れる価格になっています。

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AI-Loudenerは誰におすすめ?

この項目ではAI-Loudenerがどのようなユーザーに最適なのかについて解説しています。

AI-Loudenerをおすすめする人

  1. 音楽プロデューサーとミキシングエンジニア:
    • AI-Loudenerは音楽トラックに自動で最適なラウドネスを調整するため、特に細かな音質調整に時間を割けないプロフェッショナルに最適です。
  2. ポッドキャスト制作者:
    • 異なる音源からのオーディオを一貫した音量レベルで統合する必要があるポッドキャスト制作者には、AI-Loudenerが役立ちます。
  3. ビデオプロデューサー:
    • ビデオのオーディオトラックのラウドネスを均一に保ちたいビデオプロデューサーにも適しています。
  4. DTM中級者:
    • プロレベルのツールを使用して自身のミックスやマスタリングのスキルを向上させたいDTMユーザーには、AI-Loudenerの自動化機能が有効です。

AI-Loudenerをおすすめしない人

  1. オーディオ処理の学習者:
    • 基本的なオーディオ処理技術を学びたい初心者にとって、AI-Loudenerの自動化機能は学習過程を短絡化する可能性があります。
  2. 完全な手動制御を好むプロフェッショナル:
    • 手動で細かく音を調整したい経験豊富なオーディオエンジニアにとって、AI-Loudenerの自動処理は制限と感じられるかもしれません。
  3. 極端に低予算のプロジェクト:
    • AI-Loudenerは比較的手頃な価格ですが、無料のオーディオ処理ツールを探しているユーザーには向かないかもしれません。

このように、AI-Loudenerは特定のニーズを持つユーザーには大きなメリットがありますが、すべてのユーザーに適しているわけではありません。プラグインの導入を検討する際には、自身の要件や作業スタイルに合致するかどうかをよく考慮することが重要です。

まとめ

音質4.5
機能性(オリジナル性)4.5
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)4.5
価格4.5
総合評価4.3

Techivation AI-Loudenerは音源を自動的に分析し、適切なラウドネスレベルに調整することで、ユーザーが手間をかけずに望む音質を得られるように設計されているわけですが、その精度の高さが魅力です。

音質的に無理に処理したような感じがなく、本当に自然だと思います。

バス、ドラム、ボーカルトラックにおいて顕著な効果を発揮し、音楽制作の手間を大幅に削減しています。しかし、全てをAIに依存する性質上、細かな手動調整を好むプロフェッショナルにとっては、いくつかの制約があるかもしれません。

価格に関しては、導入価格が$45であり、正規価格が$90となっており、市場における同等機能を持つ他のプラグインと比較しても非常にリーズナブルです。これにより、高いコストパフォーマンスを実現しています。音楽制作に興味のある初心者から中級者にも手が届きやすく、幅広い層に推奨できるプラグインであると言えるでしょう。

Techivationのプラグインをいくつか使ってきましたが、どれもこれも素晴らしく、今後多くのユーザーのマストプラグインになっていくのは間違いないでしょう。

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