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Tone Empire – LVL-01レビュー 世界初のAIベースのコンプの正体に迫る

どうもUG(@96bit_music )です。

これだ!と思ったかっこいいフレーズもダイナミクスが整っていないと魅力は半減です。だっていきなり特定の音が大きくなったり小さくなったりしたら聴いている方は安心できません。

そんなときに役立つのがダイナミクス系のエフェクト(コンプレッサー等)ですが、設定に慣れていない人からすると敷居の高いエフェクトです。

しかし、世界初のリアルタイム機械学習 / AI ベースのコンプレッサーVSTプラグインであるTone Empire – LVL-01を使えば面倒な設定は必要なく、最高のダイナミクス処理が可能であり、なおかつ高品位なチューブサウンドまで得られます。

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AIベースのコンプレッサーってizotopeみたいなやつ?

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izotopeとはまったく異なるアプローチをしているよ!

この記事では実際の効果や、気になる世界初のAIベースコンプレッサーとは何かについて詳しく解説していきます。

Tone Empire – LVL-01
総合評価
( 4 )
メリット
  • AIディープラーニングによる自然なコンプレッション
  • 高品位なTUBEサチュレーション
  • シンプルな操作性
  • バランスの取れたプリセット
デメリット
  • プリセットの選択バグがある
Tone Empire
タップできる目次

Tone Empire – LVL-01 概要

メーカーTone Empire
製品名LVL-01
特徴機械学習によってサンプリングされた実際のユニークなカスタム コンプレッサー。
アタックとリカバリータイム(リリース)が異なる6つのパターンを設定可能
ドライブ/圧縮特性 – Vari-Mu スタイル (6386 チューブ)
出力ゲイン トリム コントロール。
ウェット/ドライシグナルミックスのミックスコントロール。
完全にサイズ変更可能な GUI インターフェイス。
プロフェッショナルなプリセットのセットが付属しています。
オートゲイン補正内蔵。
システムマック
macOS 10.13 以降 (Intel/M1 ネイティブ対応)
VST3/AU/AAX – 64ビット
ウィンドウズ
Windows 10 以降
VST3/AAX – 64 ビット
最小システム要件:
Intel i3 / AMD Ryzen または同等品
VST3、AU、または AAX 64 ビット ホスト
バージョンV1.0.0(2023-01-19)
認証方式シリアル認証
容量213.1MB
マニュアル現在はないが今までのラインナップから考えて
すぐに作られる可能性が高い
価格$79.00(メーカー価格)
備考体験版あり
プラグインは最大 15 日間、完全に機能するソフトウェアとして動作

クリエイター向けツールを展開する BeatSkillz社 のCEOによって立ち上げられたプラグイン・エフェクトメーカー。本格的なミキシング/マスタリング・プラグインをリーズナブルな価格で提供することをモットーに、高いアナログモデリング技術を元にした製品を展開。(所在地:アメリカ)しています。

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BeatSkillzといえば!Sample X V3

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IRテクノロジーを使った往年のサンプラーエミュレーション!

LVL-01 は、世界初のリアルタイム機械学習 / AI ベースのオーディオ コンプレッサー プラグインであり、カスタマイズされたアナログ ゲート sta レベル コンプレッサーのエミュレーションという位置づけのVSTプラグインです。

Tone EmpireはこのRetro Instruments Sta-Levelをベースに独自のカスタムSta-Levelを6ヶ月かけて制作し、それを再現したのがLVL-01です。

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引用元:Tone Empire 製品サイトより

では、通常のコンププラグインとは何が違うのか?

本来であれば基本回路のアナログエミュレーションはアルゴリズム(プログラム)によって行われます。しかしアルゴリズムでは人の聴覚レベルまでの再現には向いていないというのが開発者の意見です。

そこで、アナログ回路の挙動レベルまでも感じ取れるまでAIにディープラーニングさせることで、新次元のサウンドになった。それがAIベースのコンプレッサーの正体です。

LVL-01のAIはコンボリューションテクノロジーをベースにし、それをより発展させたものになっています。

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なので、SonibleやizotopeのOZONEシリーズのようなボタンひとつで最適な設定を探すというタイプのプラグインではありません。また素材に応じてLVL-01の中で自動的に何かをしているものでもありませんのでその部分には注意が必要です。

前例がないとは言っても同社製品のNeuralQにもAIテクノロジーが採用されています。

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基本的なプロセスは同じ、それぞれのパラメーターを動かいた場合などの挙動をAIによるディープラーニングさせることで新次元のアナログの飽和感を作り出しているとのこと、今回はコンプレッサーをAIによるディープラーニングは世界初なので、

「世界初のリアルタイム機械学習 / AI ベースのコンプレッサー」という位置づけでリリースされたものだと考えれます。

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Tone Empireはテープエミュレーションプラグインのreelight-proをリリース時にIR技術を使いよりテープエミュレーションの精度を高めるアプローチを行っていましたが、それを超える方法としてAIのディープラーニング技術を選択したのには注目すべきポイントかもしれません。

Neural-Q
Tone Empire

Tone Empire – LVL-01レビュー

音質4
機能性(オリジナル性)3.5
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)4
価格(セールバリュー)4
総合評価3.8
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音質

4

ナチュラルで透明感があり音の密度も良い万能なTUBE系サウンド

LVL-01のTUBEサチュレーションと自然なコンプレッションが特徴です。そのため、ドラムやギター、ベースにボーカルと素材を選ばずに使用できます。

まずはドラムに使用してみます。使用している音源IK MultimedeiaのModo Drum 1.5です。

設定は以下の画像のようにしています。

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LVL-01 Dry
LVL-01 Wet

RECOVERの設定にもよりますがこのあたりのサチュレーションは気持ちよいです。

音質的な違いでわかりやすいのはスネアの鳴り方です。

赤色がLVL-01を通した状態、黄緑のように見えるのがバイパスした状態です。発音タイミングで音色が異なるので、とりあえず基音のピークを合わせるようにして比較してみました。

全体的なゲインの変動はありますが、数回のテストで同じ結果があったのが80Hz〜100Hzの持ち上がりです。スネアが多少重くなったような印象を受けるでしょう。

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LVL-01 Dry
LVL-01 Wet

この結果だけを見て、「LVL-01は重みを与えるプラグインだ」とは言い切れませんが、使用する音色および、画像の設定から言うとそのような効果も期待できます。

続いてキックだけに通した状態です。設定はスネア同様一番最初の画像のままです。

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LVL-01 Dry
LVEL-01 Wet

キックではかなり音色が変化します。今回も赤色が通した状態で黄緑がバイパスです。

200Hz〜600Hz付近にLVL-01の効果が出ています。この結果をプラスと捉えるかマイナスと捉えるかは使用意図によります。

このキックではドンシャリで作り込んでいるのであまり好ましくない結果となっていますが、ほどよい密度感は落ち着いた音色になってくれます。

では次にベースで比較してみます。さきほどのドラムにベースを付け足した状態です。ベース音源はModo Bass2(Pick演奏)を使用し設定は以下の画像の通りです。

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LVL-01 Dry
LVL-01 Wet

では一つの音色だけで比較してみましょう。

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赤色が通した状態、黄緑がバイパスです。

40〜60Hzが気持ちよく持ち上がりますが、キック等とのバランスを考えないと、低域がぼやけるだけかもしれません。

LVL-01 Dry 1note
LVL-01 Wet 1note

あとはLVL-01を通した方がTUBEサチュレーションとコンプの効果で音がぐっと前に出てくるように感じます。このあたりは付加された倍音による影響も少なからずあると思われます。

またコンプによるダイナミクスはかなり自然で、ベースの弦移動による音量の差も自然な感じになっているのでレベラー的な使い方で好みの音色に近づけるのも有効です。

普通のリミッターでもダイナミクスは調整可能ですが、やはりTUBE的サチュレーションによる音色変化が使用目的にあっているかどうかを見極めたいところです。

Logic Pro 付属リミッター

では最後にドラムとベースにギターを重ねてみます。ギターはV-MetalでアンプシミュはNeural DSPのArchetype Nollyを使用

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LVL-01 Dry
LVL-01 Wet

歪んでいるバッキング系のギターの場合はダイナミクスはそれほどありませんので、使用意図としてはサチュレーション効果がメインとなるのかもしれません。

実際のところほどよいサチュレーションによって音が前に出てくるので、wavesの Renaissance AXX的な使い方がよいように感じました。

Tone Empire

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機能性

フラットな特性

LVL-01はPluginDoctorで見る限り、ローカット以外はフラットな特性です。

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COMP/DRIVE及びRECOVERYノブを動かしてもこの特性は変わりません。音色的にも全体的にフラットな質感があるので、間違ってはいないように思いますが、TUBE系のプラグインでここまでフラットなのは珍しいのかもしれません。

果たしてこの結果を鵜呑みにしていいのか多少疑問が残るので引き続き使いながら見極めたいところです。

シンプルな操作性で多彩な音色を作れる

LVL-01はとにかくシンプルです。メインノブで操作するノブはDRIVE/COMPとRECOVERYの2つだけです。

サチュレーションが発生するポイントはDRIVE/COMPの2時くらいで倍音が発生します。

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65.5Hz C2のサイン波で計測

しかし、そこまでは倍音は発生せず、ゲインの変動もノブの動く量から考えると少ないです。

LVL-01に入る前にゲインで稼ぐとDRIVEのかかり方も異なるので、DRIVEノブを動かしても意図しない音色になる場合はLVL-01 の前でゲイン調整をするのもよいでしょう。

プリセットはDrum,Guitar Mix Bass key のカテゴリにそれぞれ数十近くのプリセットがありますが、絶妙なセッティングで少ないパラメーターでの音作りの勉強になります。

なお、今までのTone Empireの製品に搭載されていたオーバーサンプリング機能はLVL-01では非搭載です。

これはAIベースによりオーバーサンプリングは必要ないとの考えからだと思います。(AIベースで開発されたNeuralQにオーバーサンプリングは非搭載)

今後のTone EmpireはAIによるディープラーニングで動いていく可能性は高いのでオーバーサンプリングは今後非搭載になる可能視は高いと考えています。

音量差に振り回されないためのオートゲイン

人間の耳は音量が大きいだけでも音が良くなったように感じます。ただしい音量感によるミックスはゲインステージの正しい設定によって行う必要があります。

LVL-01におけるオートゲインはそのゲインステージの設定につながります。LVL-01においてオートゲインは特に何も設定する必要がありません。内部で自動補正されます。

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操作性

立ち上げ時の設定とデフォルトの設定が異なる

Tone Empireのすべての製品に共通するのですが、Logic Proで使用(AU環境)時に起こるバグがあります。それはパラメーターをいじったあとにプリセットの矢印ボタンで先に進める(または戻る)とプリセットの一番に戻されます。

この部分の使い勝手があまり良いと感じないのですが、アプデ等で元に戻っていないということは気づいていないか重要視していないのかもしれません。

また、LVL-01起動時に表示されているのはDefaultといプリセットですが、他のプリセットを選択したあと、表示されているDefaultを選択すると立ち上げ時とは違う設定になってしまいます。

プリセットのデフォルトはミックスもオフなのでバイパスに近い感覚です。

起動時にプリセット欄には「default」と表示されているわけですから、この仕様は決して良いものとは思えません。

シリアル入力時の注意

LVL-01はシリアル認証によるアクティベートです。

中央にある四角の中に購入時に提供される10桁のシリアル番号を入力するのですが、それなりの確率でエラーになります。

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その理由は発行されたシリアル番号をコピペするときに、なぜか追加で空白もコピペされてしまうからです。

つまり10桁でいいのが空白ありの11桁になてしまうのが原因です。

これは公式サイトのContact USにも記載されています。

Serial key is not working/Showing an ivalid serial key.

Kindly make sure not leave any blank space at the end of the serial numer

シリアルキーが機能しない/無効なシリアルキーが表示されます。

シリアル番号の末尾に空白がないようにしてください

なので、コピペの際は末尾の空白に注意が必要です。

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安定性

CPU負荷は低い負荷の分散も効率よくできている

左はLVL-01を1つだけ使った状態のCPU負荷、右は4つ使った状態の負荷です。

複数使用時にはシングル(一番右側)の負荷が高い場合もありますが基本シングルの負荷も25%程度になっています。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.6

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格

$79.00(メーカー価格)リリースセール価格$39

シンプルな操作性とTUBE特有のサチュレーションにナチュラルすぎるほどのコンプレッションサウンド、それらはAIによるディープラーニングによって作られているのが本製品の売りです。

$79というのは人によっては高いと見るかもしれませんが、コンプの設定に不慣れな人でも安定したレベリングを得られるのは大きなメリット。ソフトシンセ等であった場合そこまでダイナミクスが変わることはないかもしれませんが、TUBEサチュレーションによる音色は、無機質な音色に有機的なカラーを与えてくれます。

現在はリリースセール価格として$39になっているのは魅力的です。

Tone Empire

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関連動画

上記の動画では実機との比較していますが、音質的にはかなり近いものがありAIディープラーニングの精度の高さがわかります。

まとめ

メリット
デメリット
  • AIディープラーニングによる自然なコンプレッション
  • 高品位なTUBEサチュレーション
  • シンプルな操作性
  • バランスの取れたプリセット
  • プリセットの選択バグがある
音質4
機能性(オリジナル性)3.5
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)4
価格(セールバリュー)4
総合評価3.8
リンククリックで読みたい内容の箇所に飛ぶことができます!

AIコンプと言ってもizotopeやSonibleのように「ボタンひとつ最適結果を提供」ということを期待する人は購入を控えた方がいいです。

本製品はLVL-01製作時の段階で実機の解析をAIによってディープラーニングによって高品位なTUBEサチュレーション&コンプレッションを$79(リリースセール$39)で得られるのがLVL-01の特徴です。

エミュレーション元の実機の音を知らない場合、私達の評価は「好みの音であるかどうか?」「それはかんたんに扱えるものなのか?」「それを使うことでどのようなメリットがあるのか?」というこの3点になりますが、

個人的な意見で見るととても使いやすく、音色も使いやすいように思います。

Tone Empire
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