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Synchro Arts VocAlign Ultra レビュー オーディオタイミング調整プラグイン

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ボーカルの存在感をより引き立たせるダブリングやコーラスで大事なのはタイミングと長さです。発音タイミングがバラバラだと歌詞が聞き取れなかったり、意図したコンプのかかり方にならない場合があります。

しかしプロであっても毎回完璧なタイミングと長さを再現することは難しいです。

そこで活躍するのがタイミング調整VSTプラグインであるVocAlign Ultraです。これを使えば複数のダブリングトラックのタイミングを瞬時に一致させることで、クオリティの高いボーカルトラックをつくることが可能です。

今回はVocAlign Ultraの効果や使い方をステップ形式で解説します。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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Synchro Arts VocAlign Ultra 概要

メーカーSynchro Arts
製品名VocAlign Ultra
特徴ボーカル、楽器、など
2 つ以上の信号のタイミングとピッチを即座に一致
 60 以上のアライメント プリセット
完全にサイズ変更可能な GUI ウィンドウ新着!
操作がかんたんな編集パネル
システムマックOS
macOS 10.8 以降
インテル プロセッサー
M1はRosettaにて対応

ウィンドウズ
ウィンドウズ10
バージョン1.2.17(2022-09-21)
認証方式 iLokアカウント認証
認証数2つ
容量245.1MB
マニュアル公式サイトにて(Google Chromeで翻訳可能)
価格£342.00(メーカー価格)
備考体験版あり
14 日間期間限定

VocAlign Ultra は、あるオーディオ信号のタイミングとピッチを別のオーディオ信号のタイミングとピッチに自動的に一致させることができる強力で使いやすいプラグインです。 

ボーカルとコーラスまたはダブリングのタイミングを瞬時にあわせることができるため、歌い直しや弾き直しなどの時間を短縮できるチートプラグインです。

VocAlignはUltraとRevoiceによって機能が違います。詳しく知りたい人はつぎのまとめ記事を参考にしてください。

Synchro Arts VocAlign Ultra レビュー

音質
機能性(オリジナル性)
操作性(使いやすさ)
安定性(CPU負荷)
価格(セールバリュー)
総合評価
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音質

4.5

サウンドの劣化等はなくナチュラルな質感

音質改善プラグイン等ではないので音質がより良くなるということはありません。むしろこの系のプラグインでは音質が保たれていることの方が重要です。

耳のよいプロの人には「音質が違う」と認識できる人もいるかもしれませんが、多くの人は音質の違いはわからないレベルです。

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機能性

4.5

ARA機能に対応(秒でオーディオトラック解析&取り込み

VocAlign Ultraは無印とARAバージョンの2つが存在します。無印とARAのバージョンではできることは同じですが、ARAはボーカルトラックを瞬時にVocAlign Ultraに取り込むことができますが、無印はそれができません。

無印
ARA
  • 取り込むのに実時間が必要
  • 数秒で取り込める

例えば4分の長さのボーカルトラックをVocAlign Ultraを取り込むためには4分の実時間が必要になります。ボーカルが1トラックだけならばまだよいかもしれませんが、トラック数が増えるとかなりの時間が取られます。

現在ARAに対応しているDAWは以下のようになっています。

ARA2対応
ARA2非対応
  • studio One
  • Cakewalk
  • Sampltiude Pro
  • Logic Pro
  • Cubase
  • Live

ただARAに対応していないと使えないということではなく、あくまで取り込み(解析速度)のメリットがあるかないかなので基本的にはすべてのDAWで使用できます。

3つのMATCH機能でかんたん調整

VocAlign UltraではMATCH TIMING、MATCH PITCH、FORMANT SHIFTの3つがメインの機能になります。

それぞれノブを動かすだけのシンプルな操作性です。

MATCH TIMINGガイドのタイミングにどれだけ厳密に一致するかを決定
タイト (右) 設定で完全にロックされ、
ルース (左)で 200 ミリ秒以内のずれに設定
MATCH PITCHピッチ差の最大許容オフセットを設定
FORMANT SHIFT左に回すと「男性的」
右に回すと「女性的」

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操作性

基本となるダブリングトラックのタイミングをリードボーカルのタイミングに合わせる方法について解説します。

STEP
リードボーカルトラックにVocAlign Ultra を挿してGUIDE CAPTCHAをクリック
画像

メインとなるリードボーカルを水色のCAPTCHAボタンをクリックしVocAlignで解析します。

ARAが使えるプラグインの場合はほぼ一瞬で取り込むことができますが、ARAに対応していない場合は3分のボーカルならば3分の時間を使って取り込むことになります。

取り込みが終わるとGUIDEに解析済みのデータが表示されます。

画像
STEP
ダブルトラックにVocAlign Ultra を挿して DUB CAPTCHAをクリック
画像

オレンジ色のDUB CaputureをクリックしてGUIDEのタイミングに追従したいダブルトラック(ハモリ)を解析します。

解析後はDUBにオレンジで波形が表示されます。この状態でDAWを再生するとVocAlignの波形も追従して動くようになります。

画像

表示されている波形の大きさや波形の全体表示を調整したい場合は、次の箇所のカーソルを動かすことで変更できます。

画像

基本的な使い方はこれで終わりです。たったこれだけでガイドボーカルのタイミングにダブルトラックは合わせてくれます。

タイミングや微調整したいと場合は次のステップに進みます。

STEP
プリセットで最適なタイミング&ピッチ修正
画像

VocAlignにはトラックのタイミングとピッチをより最適化してくれるプリセットが60個ほどあります。プリセットはプリセットによる変更の結果は黄色で表示されたOUTPUTにも反映されるので視覚的に理解ができます。

STEP
BASICとAdvanceの違いについて
画像

VocAlignは通常ベーシックモードで立ち上がります。ベーシックモードではタイミングとピッチのエディットMATCH TIMINGと MATCH PITCHで調整します。

MATCH TIMINGはタイミングの制度LOOSEにすればほどよくバラけて、TIGHTにすれば文字通りタイミングをきれいに合わせてくれます。MIDIのクオンタイズと同じ考え方です。

MATCH PITCHはピッチのクオンタイズ版と考えて問題ありません、

さらにピッチとタイミングを深堀りできるAdvanceモードがあります。画像の赤色で囲った部分をクリックすると変更が可能です。

画像

タイミングや修正をより細かくエディットしたい場合はAdvanceモードにするのが良いとは思いますが、正直なとこ最低限のタイミング修正とGUIDEに対するピッチの追従程度であればAdvanceモードはそれほど必要ではないようにも思います。

しかし、MATCH PITCHのTarget ModeでMnotoneを選択すると単音ピッチかされます。ビットクラッシャー系のエフェクトプラグインと混ぜるとボコーダーっぽい効果が得られます。

STEP
オーディオの書き出し方法

タイミングを合わせたダブルトラックをオーディオ化することの意味はいくつかありますが、一番はARAプラグインは一度に1つしか使えないということです。例えばmelodyneのようなピッチ修正ソフトでARAを使いたい場合はVocAlign でARAを使っているとMelodyneは無印(リアルタイム)モードでの起動になります。

オーディオ書き出す場合はLogic Proの場合はリージョンで右クリックバウンスして結合より所定の場所にバウンスを選択することで書き出すことが可能です。

画像

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安定性

CPU負荷はほぼゼロ、安定性も問題なし

画像

オーディオトラックに3つ挿した状態の負荷ですが、ほとんどゼロと言って問題ありません。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.4 Monterey

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.4

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

M1環境のLogic Pro 10.7.1、10.7.2、10.7.3 動作について

ネイティブの Apple Silicon を実行すると、すべての ARA プラグインが原因で Logic がクラッシュします。
現在、ARA プラグインを使用するには、Logic を Rosetta モードで実行する必要があります。

引用元:Apple Silicon M1 コンピュータのネイティブ サポート

Logic Proでのネイティブ対応はまだ安定性が確保されていないようです。

またこの問題はSynchro ArtsではなくAppleの開発環境に委ねられいていることから対応はLogic Proのバージョンアップによって行われると思います。

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価格

£342.00(メーカー価格)

気軽に使ってみようと思える価格ではないと思います。そもそも、このプラグインは多数のダブリングやコーラスのタイミング調整を時短で終わらせたいプロジェクトを持っている人であれば、£342.00は十分に元がとれるほどの時短力を持ったプラグインです。

高いと思うかもしれませんが一度使ったら「どうして今まで使ってなかったんだ!」と後悔するレベルなので、試してみる価値はあります。

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VocAlign Ultra の違いについて

VocAlignはUltraの他に、Revoice proとVocAlign Project5があります。

それぞれの機能の違いはこちらの記事にまとめています

個人的にはピッチ編集はMelodyneですることが多いので使い勝手としてはVocAlign Ultraが一番私のシステムにあっています。Revoice proはMelodyneのようなピッチ編集機能もついていているのでいるのですべてを1つのプラグインで完結させてしまいたい場合はRevoice proのほうがよいと思います。

関連動画

まとめ

簡易なピッチエディット(Melodyneのようなものではない)そしてダブリングやハモリのタイミングを補正する2つの機能を搭載したエフェクトプラグインです。

何度もお伝えしますたが、タイミングがきれいになったボーカルトラックは歌詞の聞こえ方も変わりトラックとしての説得力が格段にあがります。

一度使っただけでもそのクオリティが頭に残り、乱暴なタイミングで歌ったダブルやハモリはもう二度と聴きたくなくなります。

高額ですが、本気でこだわりたい人にはぜひもってもらいたいエフェクトプラグインです。

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