暑くなるにつれて気になるのがMacの内部(CPU)温度、とくにMac mini2018のインテルMacは発熱が高く、CPU温度が高すぎるとCPUに負荷が上がりスペック通りの出なかったり、最悪、熱暴走でMacが壊れることもあります
そのためできる限りMac miniは冷やした方がよいのですが、そこでみなさん気になるのが、Macminiの冷却対策として横置き縦置き問題ではないでしょうか?

縦置きにした方が放熱がするのか、横置きがよいのか…
結論から言えばAppleサポートの回答は次のようなものでした。
「Appleでは縦置きは問題であるというしていませんので大丈夫です。それよりも大事な方法があるように思います」
とのことでした。
Appleサポートの「縦置き問題」よりも大事なこととは?また実際縦置きと横置きでCPUの温度を計測してどちらがよいかを比較してみました。
縦置き問題とは
ネットではMacminiを縦置きにするか横置きにするかで議論が別れています。これをネット界隈では「Macmini縦置き問題」と言われています。
では何が問題なのか?それは「縦置きではMacminiが壊れたときにサポートが受けられない」という言われています。
つまり正規の使い方としては「横置きが基本」であるという考え方です。
縦置きは公式でサポートされるのか?
これについてAppleのサポートに問い合わせてみました。
チャット内容を公表しても良いという話ですが画面をそのままスクショすることは避けてほしいということなので、以下のようなやり取りを行ったこと、サポートからの回答を簡単に記載します。
MacMini2018の設置方法なのですが、ネットで調べると縦置きは公式でサポートされていない等の情報が目に付きますが本当でしょうか?(縦置きで壊れたら保証してもらえないという話も見ました)縦置き横置どちらが冷却に優れているのでしょうか?

縦置きについて、禁止もされていないが推奨もしていない、

縦置きで使っていて仮に故障しても、こちらではどんな設置方法をしていたのか知る術はないので、縦置きで使っていたから保証がきかない、ということはない
つまり、もしMacminiを縦置きで壊れたとしても故障の原因が「縦置き」とは位置づけられないので、保証問題にはならないという話でした。
つまりAppleサポートの回答を公式見解とするならば「縦置き」「横置き」はどちらでも良いという話です。
縦置きと横置き、冷却にベストなのはどっち?
mac mini 縦置きが大丈夫なのか?という疑問については、置き方よりも次のようにAppleのサポートは回答しています。

縦横よりも、周辺のものとの間隔を開けるほうが重要です
Mac miniの下部には空気を取り込むスペースはあっても、ファンで強制的に外部冷気を取り込むことはできません。本体のファンによって熱を放出する排気口がMac mini後部に取り付けられているだけです。
そのため、Mac miniのファンの近くに壁や放熱を遮るものがあると放熱効率が著しく下がると言われています。設置するときは最低でも排気口から20cmは空間が必要です。
そうしないと、排出した熱い空気をMac miniが再度吸い込んでしまいます。
とくに、ディスプレイの後ろに置く場合などはディスプレイが発した熱を取り込むことになるので、ディスプレイの後ろに奥のは避けた方がよいでしょう。

Macminiの縦置きと横置きの温度差について
私が使っているMac mini2018では縦置きと横置きによって温度がどれくらいかわるのかを調べてみました。
計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.4 Monterey
Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.4
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
部屋の温度はおよそ27度、起動5分後にCPU温度が何度になっているかという比較テストです。
Mac mini横置き



ほとんど誤差レベルといったところです。
またMac miniの冷却効率をあげるためにノートパソコン等に使う冷却台タイプの外部ファンを取り付けて計測してみました。

取り付けた冷却台は次のタイプです。
その結果は次のようになります。
風量はそれほど強くありませんが、それなりの冷却効果があります。ただ、ファン6つあるのでそれなりのファンノイズがあります。静音環境を目指す人に若干うるさく感じるかもしれません。
内部ファンと組わせることでさらに冷却速度の向上が見込めます。


Mac mini縦置き



縦置きにして内部ファンを起動させると温度は51度まで下がりました。
この時点で横置きより縦置きの方が冷却効率はよいように思います。
縦置きでも外部ファンを設置して計測します。

取り付けたのはこちら
USB接続による静音ファンで3段階の切り替えが可能です。


今回のテストで一番はやく冷えたのがこの縦置き外部ファン+内部ファンでした。
風量に関してはノートパソコンの据え置きタイプより強力ですが、音は静かです。
Mac mini 冷却にヒートシンクはあり?
Mac miniの冷却効率をあげるためにMac miniの天板にヒートシンクを取り付けたいたことがあります。
結論から言えば、小さいタイプのヒートシンクはあまり効果がないどころか、天板に焼き付けのあとを残すきっかけとなりました。

こうなると、リセールする場合には圧倒的にマイナスポイントになります。もしヒートシンクを設置するならば、Mac mini全体を覆うくらいの大きさのものであれば焼付があっても目立たない可能性があります。
しかし、それで焼付が防げるのかどうかはわからないのでMac miniを冷却するのにヒートシンクを使うのはそれなりのリスクが伴う可能性があります。
mac mini ファンコントロールアプリについて
Mac miniの冷却効率をあげるためにはファンを使って外部から冷たい空気を送り込むこととそれと内部の熱い空気を外に送り出す。これらのバランスが重要です。
内部の熱は内部ファンの調整によって行います。デフォルトではファンはほとんど動かず一定の温度になってはじめて自動でファンの速度が変化しますが。
個人的には内部ファンは50%程度の風量を確保しておくと、ファンノイズもそれほど気にならずに冷却効果が見込めるように思います。今回の比較テストでもファンの風量は50%程度に設定しています。
ファンを調整するアプリは無料ではMacs Fan Controlや有料ではTG Proがあります。ただAppleは外部ファンコントロールアプリを公的には良しとしない考えをもっているそうなので、使用する場合は自己責任になります。
ちなみに今まで4年近くMac miniでファンコントロールアプリを使っていますがMac miniにもアプリ自体も不具合等はありません。
まとめ
結論としてはMac miniの縦置きと横置き、そこまで温度差はありませんでした。
内部ファンを50%の風量で動かすだけでも冷却効果は見込めます。そこに外部ファンをつけることでさらに冷却効果は見込めるように思います。
DTMではCPU負荷が高くなる傾向があります。今回のテストで行った程度の冷却ではプラグインの使用効率にはそこまで大きく影響することはありませんが、熱暴走等による被害は軽減できるように思います。
Mチップを搭載したMac miniは冷却効果が高い(CPUが発熱しにくい)ので、ここまでの冷却処理が必要かどうかはわかりませんがintel Mac miniを使っている人は冷却はしっかりとしておきたいところです。