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とりあえずこれだけは覚えたいDTMベース打ち込みのお作法

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DTMでのベース打ち込みは、楽曲制作の質を格段に向上させる重要なスキルであり、曲のリズムとメロディーをつなぐ中核的な役割を果たします。

初心者でも基本的なテクニックを身につけることで、リアルな生演奏風のベースラインを作成し、自分の音楽に深みとリアリティをもたらすことができるため、この記事ではDTM初心者でも簡単に取り入れられるベースの打ち込みテクニックを紹介し、音楽制作の質を次のレベルへと引き上げるための手助けをします。

UG
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ベースの役割

ベースはドラムと共にリズムセクションを形成し、曲のテンポとグルーヴを支えます。DTMでは、打ち込みにおいてもこのリズム的な役割を再現することが重要です。

ハーモニーの構築: ベースラインはコード進行を反映し、メロディにハーモニーの土台を提供します。打ち込みでは、コードに合わせたベースノートを選択することで楽曲に深みを加えることができます。

ダイナミクスの調整: ベースは曲のダイナミックレンジ、つまり音の大きさや強弱を制御する役割も持ちます。DTMではベロシティ(打鍵強度)の調整により、これを実現します。

ベースの基本的な音の性質

周波数帯域: ベースは低周波数帯域を占める楽器です。DTMでは、これを考慮してベースの音色を選ぶことが重要です。

音色の変化: 生演奏のベースはさまざまな奏法により音色が変化します(例:指弾き、ピック、スラップ)。DTMでは、これらの音色の違いをサンプル選択や音色設定で表現する必要があります。

音の長さとアタック: ベースの音は短く切り取られたものから長く持続するものまで多様です。DTMの打ち込みでは、曲の雰囲気に合わせて音の長さやアタック(音の始まり方)を調整します。

このように、DTMでベースを打ち込む際には、これらの基本的な理解を深めることが、リアルなベースサウンドを作成し、曲全体の質を高める鍵となります。

打ち込みテクニックの紹介

生音に近い打ち込み方法についてのポイントをいくつか紹介します。

ベロシティの変化:

生演奏では強弱が自然に変わります。使用するベース音源ではタッチの強弱(正確にはベロシティは速度といいます)によって音色が異なります。その異なった音色の扱い方が生音に近い打ち込みに近づく方法になります。

しかし、実際のところではベロシティを細かく打ち込んでもそこまで変化がない場合もあります。なのでまず最初にすることはベースのベロシティによってどれだけ音色さが発生するかを知っておくのが大切といえます。

タイミングのずらし

完璧なタイミングよりも、わずかにタイミングをずらすことで、人間らしい微妙なズレを表現する方法として「タイミングずらし」が生音に近い打ち込み方法として解説されるのをよく目にしますが、これは正直言ってかなり上級テクニックです。その理由はグルーヴという概念について詳しく理解しておかないと、「ただズレだけだけのベース音」になってリズムが安定しなくなります。

重要なのはリズム隊がしっかりと安定していることです。下手にタイミングをずらすことでリアルになると覚えるのは危険な知識にもなりかねないので注意しましょう。

アーティキュレーションの利用

スライド、ハンマリング、プルオフなど、実際のベース演奏で使われるテクニックを模倣するためのサンプルやエフェクトを使用します。ベースの場合弦をスライドさせた時の音色がいかにもベースとわかるため、そのような奏法を上手く使うことでリアルなベース打ち込みが可能になります。

ベース専用音源の場合はそのようなスライド音が多数用意されていますが、DAW付属のベース音源やマルチ音源と呼ばれる中に入っているベース音源の場合はスライドやグリッサンドと呼ばれるような音色が入っていません。その場合、ピッチベンドを使って再現します。しかし、ピッチベンドは1つの音を機械的に断続的にピッチを変更させるためどうしてもリアルな質感にはならないということだけ覚えておいてください。

初心者向けのシンプルなテクニック

基本的なコードトーンの使用: 曲のコード進行に沿って、基本的なコードトーン(ルート、第3音、第5音など)を使うシンプルなパターンから始めます。

リズムの単純化: 複雑なリズムパターンよりも、シンプルで安定したリズムを用いることで、打ち込みの練習に集中できます。

ループの活用: 短いフレーズを作成し、それをループさせることで、効率よく打ち込みの練習ができます。

ゴーストノートを使用した高度な技法:

ゴーストノートの打ち込み: ゴーストノートは、軽く触れるような音で、リズムにニュアンスを加えます。DTMでは、これを低いベロシティのノートとして打ち込みます。

リズムの複雑化: ゴーストノートを用いて、リズムをより複雑でダイナミックなものにします。これは、曲に対する深みと動きを加えるのに役立ちます。

リアルな表現の追求: ゴーストノートの使用により、打ち込みのベースラインがよりリアルで生演奏に近い感じになります。これは、聴き手にとってより自然で魅力的なサウンドを生み出します。

これらのテクニックを駆使することで、DTMのベース打ち込みはより生き生きとしたものになり、全体の楽曲に大きく貢献します。

ベースの打ち込みに特化した音源

上記のテクニックを使いベースを打ち込むことで何もしない打ち込みと比べて遥かにリアルなベーストラックをつくることができるようになりますが、専用音源を使用するとよりリアルなベーストラックをかんたんに作成できます。

以下で紹介するベース音源は多くのベース音源の中でもとくに操作性と音質に優れています。

グルーヴとは

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グルーヴとは何か?

という明確な答えを持っている人とあまりあったことがありませんが、私は「間」だと思っています。

「生きた演奏をグルーヴがある」って言うんじゃないの?

と思う人もいると思いますが、

では生きた演奏とは何をもって言うのか?という疑問になります。例えばあまり存在感のないシンセベースでスを演奏してもグルーヴは感じられないか?というとそうではありません。

それは同じ間(ま)の音が続くことで「機械的」な印象になるため「シンセベースにグルーヴはない」という思わがちですが、

つまり間によって8beatか16beatとかを聞き分けることができればどんな機械的な演奏であっても、そこにグルーヴは存在します。音の間を意識すれば、そこに無音が生まれますが、

その無音部分にも人は音を感じることができるためその部分を楽しめような音の長さをコントロールすれば十分グルーヴ感あふれるベースになります。

デュレーション

まずこちらをお聞きください。

ドラムとシンセベースのシンプルな8beatです。

ベースのデュレーションはベタ打ち状態です。今回のシンセベースの音色ではベロシティを変更しても音色変化は起きません。

画像

次にこちらお聞きください

違いがわかりますか?

これは裏拍のベースのデュレーションを半分にしています。

画像

休符が入った状態になりますが、

これでも先程までの8beatとは違って16beatのノリを感じることができると思います。

この間が意識できれば、闇雲なベロシティの数値でグルーヴをつけようとは

思わないようになります。

まとめ

とりかえずこれだけは覚えたいDTMベース打ち込みのお作法

いかがでしたか?

ベロシティを変えるということはそこに

「倍音変化が起きた弱い音色」が入ることの意味を理解したうえで

適切にベロシティを調整する必要があります。

何がなんでもベースにベロシティをつけてはいけない

ということではなく、

ベースをリズム楽器としてとらえたときはデュレーションで

ベースで歌うラインを作ったときはベロシティの数値による

味付けは有効

という話です。

「とりあえず覚えておきたい」のは

グルーヴはベースのデュレーションでした。

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