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Moogerfooger Effects Plugin Bundleレビュー 全部音が太い!

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どうもMoogサウンド大好きDTMerのUG(@96bit_music )です。

キングオブシンセといえばMoog!ですね。Moogから出てくるサウンドはとても有機的で一つの楽器ともいえます。そんなMoogサウンドのカラーを決めるのがフィルター。Moogのフィルターもまた強烈な個性でサウンドカラーを作り出します。

そんなMoogのカラーを決めるフィルターとその他にも多くのエフェクトを搭載したMoogerfooger Effects Plugin Bundleがリリースされました。

正直高いです!しかし、高いだけの価値があるプラグインですが、自分の曲に有機的で誰をも説得できるサウンドを作り上げたいのなら、買いです!高くても買いです。買って後悔しないです。

またフィルターに関してはArturiaやKAZROGなどのフィルタープラグインのかかり方の比較も行っています。

UG
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Moogerfooger Effects Plugin Bundle 概要

メーカーMoog Music 
製品名Moogerfooger Effects Plugin Bundle
特徴8つのエフェクトをバンドル
MF-101 Lowpass Filter
MF-102 Ring Modulator
MF-103 12-Stage Phaser
MF-104 Analog Delay
MF-105 MuRF
MF-107 Freqbox
MF-108 Cluster Flux
システムマック
macOS 10.13  
Apple M1 または Intel® Core™ i5 プロセッサー
8GB 以上の RAM
AAX®、AU®、または VST3® 互換のプラグイン ホスト ソフトウェア

ウィンドウズ
ウィンドウズ10
Intel® Core™ i5 プロセッサまたは AMD マルチコア プロセッサ
8GB 以上の RAM
AAX®、または VST3® 互換のプラグイン ホスト ソフトウェア
バージョンv1.0.7(2022-9-8)
認証方式iLokアカウント認証
認証数3
容量508.6MB
マニュアル英語版のみ(Google Chromeで翻訳可能)※2
価格$273.90
備考体験版あり(公式サイトにて)
7日間制限
iLok の License Manager ソフトウェアを使用して、ライセンスを転送

アナログシンセの王様と呼ばれているMoog社がストンプボックスとしてリリースしたローパスフィルター、リングモジュレーター、フェイザー、アナログディレイ、MuRF,Reqbox、Cluster Fluxは過去にプラグイン化してプロの間で好評でした。しかし、いつのまにかディスコンになってしまい再販を希望していた人たちの熱意に応えてか、新たにプラグイン化されたのがMoogerfooger Effects Plugin Bundleとなります。

それぞれのプラグインのクオリティが高く、通すだけで音が太くなるMoogマジックも再現されています。

※1AU版とVST版では若干容量異なりますが。機能的な違いはありません。

※2マニュアルはサイト自体になります。Google Chromeの翻訳機能を使えば日本語で表示することも可能です。

Moogerfooger Effects Plugin Bundle レビュー

音質4.5
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4.5
価格(セールバリュー)2.5
総合評価3.9
リンククリックで読みたい内容の箇所に飛ぶことができます!

それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。

  • 青帯はメリット
  • 赤帯はデメリット
  • 黒はどちらでもない

音質

4.5

ではまずMF-101 Lowpass Filterから音質をチェックします。

画像

他のMoogフィルターエミュレーションプラグインが霞むクオリティ!

MF-101Sがあれば他のフィルタープラグインは必要ないほど素晴らしいクオリティです。

通しただけで数デシベル上がるので「音が太くなった」と思いがちですが、MF-101のすごいのは次の3つです。

  • 通すことで得られるアナログフィーリングな質感
  • フィルターの滑らかさ&音痩せしないレゾナンス
  • ドライブの質感

通すと音の角がとれアナログ感あふれる音質になります。この角の取れ方が嫌味でなくMoogのフィルターを通したぞ!というサウンドになり、それがとても音楽的なので、フィルターを通したサウンドをずっと聴いていたくなります。

個人的にはすべてのトラックに隠し味程度に挿したくなります。

また、フィルターを回したときの滑らかさが他のエミュレートとは次元が違います。とても口当たりがなめらかで高級なチョコレートを食べているかのような気持ちにさせてくれます。

そして驚くのはレゾナンス。MoogではレゾナンスをEmphasisと呼びますが、どのエミュレーション系であってもレゾナンスを回すと音が小さくなって痩せていきます。しかしMF-101Sは他のエミュレーションが音痩せするポイントまでフィルターを回しても痩せしにくく、カットオフで設定した値を自然に強調してくれます。

カットオフを12kHzにしてレゾナンスを回すことでほどよい空気感を強調できそうです。

ドライブ機能もやはり他のMoogフィルターエミュレーション系プラグインについているドライブとはまったく別次元の質感です。

音を一歩前にどころではなく10歩くらい前にやってきます。自己主張フルパワーのドライブです。質感的にはThe Legendのドライブも近い質感ですが、MF-101の方が良い意味で暑苦しいほど前に出てきます。

では他のMoogフィルタープラグインと比べてどのくらい質感が違うのかをサウンドチェックしてみます。

MS-101S Dry

上記のデモをまずはフィルターのカットオフだけを動かした状態、次にカットオフとレゾナンス、そして最後はドライブを動かしている状態です。レゾナンスもドライブもそのまま再生すると音が割れてしまうので同時にボリュームも調整しています。

まずはArturiaのFilter MINIから

画像
Filter MINI

悪くはありません。Arturiaカラーあふれるmoog的なフィルターサウンドです。ただ、カットオフとレゾナンスがどこかぎこちないようにも感じます。

ただ、これMoogerfooger Effects Plugin Bundleに出会うまではそれなりに満足していました。だってArturia好きですし

続いてKAZROGというマイナーながら個性あふれるプラグインをリリースしているメーカーのMoog系フィルタープラグインです。

画像
Synth Warmer

質感的にはこちらの方が好みですし、カットオフ幅がユニークで0Hzまで閉じられます。カットオフとレゾナンスはFilter MINIよりなめらかな印象です。ドライブに関してはFilter MINIもSynth Warmerもかなり極悪に歪む感じなので音を太くというよりは汚すという印象が強いです。

では真打ちにMF-101Sです。

画像

めちゃめちゃなめらかで何より通したときの質感がたまらないです。ちょっとハイ落ち感は聴き方によっては好みの分かれるところですが、ちゃんとハードウェアっぽい音がです。そしてカットオフとレゾナンスの滑らかさは文句なし。ドライブに関してはクリッパー的な質感で音がとにかく太くなります。

フィルターはエンベロープである程度オートで動かせるのでFunkなエレピやベース、クラビネットにも相性バッチリです。

また、MIXノブではパラレル使用にできるので、味付け程度のアプローチにうってつけです。太さの足りないキックやベース、ギターにも使えます。

とにかく現状で最強のフィルタープラグインで優勝です。

MF-102 Ring Modulator

MF-102Sはリングモジュレーターになります。LFOでの変調で金属的な響きを作りだせるエフェクターです。MF-102Sはシンプルなリングモジュレーターからトレモロまで作り出せます。これもまたMoogらしい質感を感じさせるエフェクタープラグインです。

画像
Dry
Wet

このてプラグインはトランジェントが好ましくない方向に行くことが多いですが、MF-102Sは原音のアタック感をしっかりと保ちながらリングモジュレーターになっているので音の芯が損なわれないのは大きなポイントです。

MF-103 12-Stage Phaser

MF-103 12-Stageはフェイザーになります。音の揺れに特徴がありシュワシュワとしたサウンドと形容されています。

画像
Dry
Wet

エレピとギターにフェイザーを使っていますが、非常にクリアで奥行き感のある質感です。音が変に曇ることがないため非常に透き通ったフェイザーサウンドになります。色々フェイザーを見てきていますがこのフェイザーほど透明感を維持しているものは他に知りません。

MF-104 Analog Delay

MF-104SはアナログディレイでMoogの実機ストンプボックスの中でも非常に人気がありました。

画像
Dry
Wet

本当のアナログディレイとはこういうことだ!というくらいにLo-Fiながらに雑味がなくなめらかです。プラグインのアナログディレイはただフィルターをかけただけみたいなものが多い中、MF-104Sはそれだけではない再現性を感じます。

ディレイサウンドがしっかりすると良きグルーヴが生まれるそんな気がします。

MF-105S MuRF

MF-105Sは8 バンドのレゾナント フィルターでLFOと同期することでシーケンス風な変化を与えられます。

画像
Dry

シンセベースだけにMF-105Sを使ってみた結果がこちらです。

Wet

8beatなシーケンスパターンに変化しました。変化したサウンドもエフェクトをかけたようなサウンドではなく、むしろそのようなプリセットなのか?と思わせる音質です。そしておまけでこれにMF-104Sのディレイを使うと次のようになります。

Wet+Delay

奥行き感の幅がわかるくらいに一気に空気感が出てきます。

MF-107 Freqbox

MF-107はハードシンクとオーディオ入力による周波数変調が可能な可変波形の電圧制御オシレーターです。

画像
Wet
Dry

ギターが激しく変調しているのがわかります。オシレーターと周波数を含むすべてのパラメーターは音色との相性もあり、最初はベストな設定が見出しにくいかもしれませんが、これを使いこなせると一目置かれるエフェクトプラグインです。

MF-108 Cluster Flux

MF-108はコーラス&フランジャーに対応したモジュレーションエフェクトです

画像
Dry
Wet

ギターに使ってみました。非常に解像度が高いアナログコーラスです。左右に広がるだけではなく奥行きすらも与えてくれます。

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音質評価はここまでですが、とにかくすべて解像度の高さが桁違いです。こもる、痩せる、とは無縁です。

機能性

4

音に強烈な太さを与えるオーバードライブ

Moogerfooger Effects Plugin Bundleすべてにあるのがドライブ機能です。このドライブ機能は実機であるMini Moogのドライブとは違う印象です。

ArturiaやSynth Warmerのドライブ機能と比較すると、使い勝手はMFシリーズのドライブになりそうです。月並みな言葉ですが、めちゃめちゃ音が太くなり前にでてきます。

モジュレーション系でMIXパラメーターがある場合はMIXIをゼロにすると純粋なオーバードライブとして使えます。

画像

このドライブだけでも中途半端なストンプボックス系のオーバードライブを凌駕してしまっています。さすがMoogクオリティです。

独立したパッチング機能

実機にもあるパッチング機能を搭載したことで少ないパラメーターでありながらより高度で複雑な音作りが可能です。

画像

例えば、MF-101SでカットオフのパッチングにOSCを使うと次のようなステレオ的なエンベロープフィルターサウンドを作れます。

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操作性

4

プリセットは少ない

プリセットは便利ではあるのですが、膨大な数があっても使わないものもたくさん出てきます。

そういった意味でMFシリーズのプリセットは方向性だけ教えてくれるプリセットになってそこから作り込んでね!という感じになっているので、プリセットに頼る人にとっては「これだけ?」と思ってしまうかもしれませんが、パラメーターの少なさと音の変化の度合いが気持ち良いのですぐに慣れてしまいます。

むしろ常に自分の曲に最適な音を作り込めるエフェクトプラグインとも言えます。

プラグインの中にマニュアル装備

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左上のメニューバーをクリックするとインフォーメション的なタブが弾き、その一番下にMANUAL項目があります。クリックすると公式サイトのマニュアルページに移れます。英語表記ですが、Chromeの日本語翻訳機能(最近ではSafariもできるようになったらしいですが未確認です)で日本語マニュアルとして読めます。

画像

MIDIコントローラーにアサインできない

すべてのパラメーターが他のプラグインと比べて次元が違うのですが、それらパラメーターをMIDIコントローラー類にアサインできません。ただDAWオートメーションには対応しているのでパラメーターを動かしたい人はオートメーションでカーブを買いて調整しましょう。

GUIのリサイズ変更不可

もともとのサイズがそれほど大きくないのでそこまで困りませんし、逆にこれ以上小さいと操作がしにくいので別名な大きさとも言えますが、GUIのリサイズはできません。

画像
Logic 使用時の全体とのバランス

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安定性

4.5

オーディオファイルにそれぞれ一つず使った場合のCPU負荷

全体的な負荷はそれほどではありません。負荷が一番高かったのはMF-104SのDelayになりました。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.4 Monterey

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.5

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格

2.5

$273.90(メーカー価格)

MOOGクオリティのストンプエフェクトが7個で$163一個あたりおよそ$23というのは安いです。個人的にはフィルターとディレイとドライブだけでもこの価格帯の価値はあると思っているほど気に入っています。フィルターによる音楽変化を追求し楽しみたい人にとってはぜひ持っておきたいプラグインです。

個人的にはフィルターは最強におすすめです!!

何度もいいますが何より個人的にオーバードライブが最高すぎます。

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関連動画

まとめ

音質
機能性(オリジナル性)
操作性(使いやすさ)
安定性(CPU負荷)
価格(セールバリュー)
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触ってみて思ったのはとにかく実機感(ハードウェア)の質感の再現です。それに伴ったフィルターのかかり方や音痩せしないレゾナンス、ディレイにやコーラスに至ってはアナログサウンドの再現によりどんなプラグインより暖かみを感じます。

音質の次元は他のプラグインを軽く凌駕しています。

しかし、本気でフィルターやディレイ、モジュレーションj等で自分の音楽を良くしたい!そういうプラグインを探しているのであれば決して高い買い物ではありません。本気で作ったものだからこそあまり値下げしないMoogブランドその信頼に耐えうる製品に仕上がっているように思いました。

ただ価格が高いです。もうちょっと安く購入できれば…と思っていたら、単品購入ができるようになりました!。

これで気になるものだけ購入できます!おすすめはフィルターです!!

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