iZotope Ozone Imagerを使えば自然なダブリングギタートラックができる!

「左右にギターの壁が存在しているような音作りはどうやってやるの?」これはギターのダブリングという技術です。しかしギター音源で同じギターを左右に設置しても広がりのある音にはなりません。

そういうときはダブリング用のエフェクトを使うとイメージしている音になります。

今回紹介する「izotopeのOzone Imager」はまさにダブリングの効果を簡単に作ってしまえる便利プラグインです。

即席でギターの音を広げたいと思っている人には向いています。「ダブリングは邪道だ!」という人もいますが。そのあたりの理由も含めてお話したいと思います。

iZotope Ozone Imagerとは

写真上がOZONEに付属しているimager

写真下がiZotope Ozone Imagerです。(現在はVer2になりGUIが多少変更されています)

Ozoneの中に入っているimagerは帯域別にステレオ感をコントロールできる非常に高機能なimagerの機能限定にしたのが今回お話するiZotope Ozone Imagerです。本来はダブリング用のプラグインではなく。ステレオの音像についての調整するプラグインですが、その効果から擬似的なダブリングも可能です。

ダブリングの歴史

ダブリングはとある有名ミュージシャンの一言から始まります。それはビートルズのジョンレノンの

「ねー何回も歌うの面だくさいから、一回歌ったやつを適当に調整してそれっぽく聴かせてよ」

こんな言い方をしたかはわかりません、伝えた内容はこれと同じです。世界一のバンドとして君臨し続けているビートルズも人の子です。一回で終われるなら終わりたい、歌い続けるのはしんどいのです。退屈なのです。もっと有意義なことに時間を使いたいのです。

そこで生まれたのがADTというダブリング装置です。こちらはそのモデリングであるWavesのADTプラグインです。

ADTプラグインとは?

Artificial Double Tracking または Automatic Double Tracking の略

元のマルチトラック・テープ・レコーダーとは別に、ADT効果作成用にもう1台のテープ・レコーダーを用意して作り出す手法であり、そのシステムと運用方法に対する呼称、機材として製造されていたわけではない。

多くの人が「実機はどんな感じなのだろう」と思っているわけですが、そういう装置ではなくあくまで手法のことをADTというわけですね。

さて、この人工ダブリング方式をより発展させたものがiZotope Ozone Imagerです。

ちなみにソフト音源の場合は毎回まったく同じ音が出てしまうので。そのトラックをコピペしたところでダブリング効果は得られません。そういう音源にこそiZotope Ozone Imagerは活躍します。

ダブリングの効果

ダブリングとはギターに限らず同じテイクを何度も録音して厚みを増やしたり、それを左右に広げることでステレオ感を演出する技術です。まったく同じように歌っていても実はピッチやタイミングは毎回少しずつ違う(100%同じ音を出すのは人間には不可能)ので同じだけど違う音になり、それがモノラルで使えば厚みが、左右に広げればステレオ的に感じます。

ダブリングギターの打ち込み方法

プラグインを使わずにダブリングギターを打ち込む場合は

  • タイミングを少しずらす
  • ピッチを少しずらす

などの方法でダブリングらしさを作ることはできますが、やはりかなり機械的な印象になります。それらの手間を考えるとiZotope Ozone Imagerプラグインを入れる方がかなり効率的なダブリングギタートラックを作ることができます。

iZotope Ozone Imagerの使い方

恐ろしくシンプルで単純です。Widthを上にやれば広がり、下にやれば中央(モノラル)になります。あとはAmountでその量を決めるみたいな感じ。あとは右側のVectorscopeでかかり方が表示されます。一つ注意が必要なのは「stereoize」のボタンをおさないと何も反応しないということ

つまり最初はOFFの状態になっているということ。なんでこういう仕様にしたのかちょっと疑問です。

iZotope Ozone Imager Ver2について

Ver1との違いはステレオイメージャータイプの種類が1つ増えて好みでステレオ感を選ぶことができるようになりました。

負荷について

ごちゃごちゃしていてわかりにくくすみませんw機能限定ということもありOzone7 imagerに比べると負荷もレイテンシーも低いです。サクッと使いたいときに便利です。というわけでさっそくどんな感じなのか聴いてみたいと思います。設定はこんな感じです。

サウンドデモ

  • ギターV-Metal
  • ベース SR5
  • ドラム MIR2

ギターだけにかけてみたいと思います。まずはかかっていない状態完全にモノラルです。

次にかけた状態

どうですか奥さん!って感じの広がり方ですwちなみにWidthをMAXにするとこんな感じ

あとはAmountの量ですが、10〜14くらいの間がくらいが好みですが、マックスにしてもそれほど破綻しないのがすごいです。こういうステレオイメージャーはやりすぎると気持ち悪くなってしまうのですが、iZotope Ozone Imagerはかなり優秀です。

おそらくM/S処理とsimple delayの合わせ技みたいな感じもするのですが、いままで聴いてきたステレオイメージャーとは次元が一つ違います。さすがiZotope Ozone です。いい仕事しています。とにかく広がり方がめちゃめちゃ自然で驚きます。

一昔前のステレオイメージャーというのはいかにステレオ素材を広げるか?というところに重きありました。wavesのS1とかそういうものです。

で、モノラル素材を広げようとすると

PS22だったりしたわけですが、今使われることはほとんどありませんwちなみにPS22を通すとこんな音

うん。不自然wすごく気持ち悪いw10年以上前のプラグインと今のプラグインを比べること自体ナンセンスですがw

iZotope Ozone Imagerで広げた音にBrainworxのSherdspreadというプラグインを使います。こいつもステレオイメージャーの一種です。ギターのステレオ感をもうちょっと広げたいときに使ったり、最終ミックスでもうちょっとステレオ感がほしいときに使うこともあります。

BrainworxのSherdspreadとiZotope Ozone Imagerを組み合わせることでさらに自然な広がりと広がった先でも変に音が痩せるようなことにならないので便利です。

自然すぎるゆえに…

本当に自然なダブリングができるのですが、何でもダブリングするのではなく、ときには不自然なゆらぎをもって音を広げるのも1つの味にになります。その方法とはコーラスです。コーラスは音のゆらぎによって音像を広げる効果があります。特に中低域に特徴のあるエレピなどはイメージャーで広げるよりコーラスで広げた方がエレピ「らしさ」を作ることができます。

DTM効果的なVSTコーラスエフェクトプラグインの使い方&選び方

ダブリングは邪道??

  • ギター2回弾けばいいだけの話
  • ボーカルも何度も歌えばいいだけの話

といった視点をもつことはクリエイティブを追求する上で大切なことではあります。だからその2回という数字に意味と価値を見いだせるのであれば、やっただけ気づきは得られますし、ダブリングプラグインの不自然さにも気がつくことができるでしょう。

しかし、そんなことより簡単にやってしまいたいというジョンレノンの立ち位置を考えると邪道と考えるのもどうかと思います。もちろんダブリングを省いた時間でよりクリエイティブの追求をし続ける重要性を忘れてはいけませんが…

どこで手に入る?

iZotope Ozone Imagerは無料プラグインです。公式サイトに言ってFree Downloadをクリックしてメールアドレスを入力するだけでOKです。

ソフトギター音源には最初からダブリングされているものもある!

最近のソフトギター音源は最初からダブリングされているものもありますが、ダブリングには2つのタイプがあります。それは

トラックを2本使用したものと

ステレオトラック1つでまとめられたものです。

トラックを2本使用したものは左右に別々のエフェクトやアンプシミュを使うことができますが、最初からステレオトラック処理されているものはそれができません。どちらが良いかは使用目的によるところですが、

音を作り込むのが目的であるならば、モノラルX2といったトラックを2本使ったダブリングの方がいいです。

ちなみに私が所持ている音源では

  • Prominy V-Metal
created by Rinker
Prominy
¥21,989 (2020/09/29 15:14:26時点 Amazon調べ-詳細)

はモノラルX2のダブリング音源が可能で、

  • Amplesound  AmpleGuitar SC
  • UJAM IRON

これらはステレオトラックによるダブリング音源となります。

ギターソフト音源は、デモで音色だけ聴いて「おっ!リアルだなー!」と思って購入して、いざダブリングにすると「えーステレオなのー」と後悔することもあります。

音色だけでは操作性や使用感についてもきちんとチェックしておきたいところです。

さいごに

何度もいいますが自然すぎる広がり方!

モノラル素材をここまで自然に広げられる技術はすごいですね。

技術の高さにも驚きますが、これが現在無料で配布されていることにもっと驚きます。(期間限定っぽいですが)とりあえず持っておく!というより絶対持っておいた方が良い!と思えるプラグインです。ぜひ使ってみてください。