ギターを左右に広げたいけど上手く広がらない。ピアノやストリングスをもっと大きな感じにしたい。
こういうときに役立つのがizotopeのOzone Imagerです。このプラグインを使えば、パンだけでは広げられない独特の広がりを作ることができ、
その結果楽曲に迫力を作り出すことができます。
iZotope Ozone Imagerとは
音の広がり(ステレオ感)を調整できるプラグインです。
広がりが少ないピアノやストリングスなどを広げることで音像がかわり、曲にダイナミックな印象を与えることが可能です。
「音の広がり」という言葉だけを聴くと「左右に広げるだけ」という印象をもつ人が多いですが、
逆に左右に広がり過ぎた音を中央に寄せることも可能です。
Ozone ImagerはOzone9というマスタリングプロセッサーに組み込まれている機能ですが、izotopeはその部分だけを取り出し
無償提供いています。
ギターを左右に広げるときのコツ
ギターを左右に広げるコツは同じフレーズを弾くのが定番です。
ではDTMでギター音源を2本用意して左右にパンを振って同じフレーズをコピペしても左右には広がりません。
テクニック的な対処方法は発音タイミングをずらすという方法などがありますが、やはり自然にはなりません。
こういうときに、Ozone Imager 2を使うとナチュラルに広げることができます。
フリー版とOzone9 Imagerとの違い
Ozone9のImagerは
- Band Widthを4つ調整できる
- 発音のディレイを調整できる。
左下のBandWidthで任意の周波数のかかる度合いを決定できます。周波数の変更は上部のウィンドウのスライドバーを動かします。
このメリットは、例えば150Hz以下はモノラルにしたいという場合に有効です。
しかし、下手に周波数をいじると逆に音像がおかしくなることもあるので、Ozone Imager 2を使う方が
よい結果につながると思います。
フリーでありながらバージョンアップも行われ現在はOzone Imager2が最新になっています。
もちろんこれもフリーで使うことができます。
iZotope Ozone Imager Ver1との違い
Ver1との違いはステレオイメージャータイプの種類が1つ増えて好みでステレオ感を選ぶことができるようになりました。
iZotope Ozone Imagerの使い方
恐ろしくシンプルで単純です。Widthを上にやれば広がり、下にやれば中央(モノラル)になります。あとはAmountでその量を決めるみたいな感じ。あとは右側のVectorscopeでかかり方が表示されます。一つ注意が必要なのは「stereoize」のボタンをおさないと何も反応しないということ
つまり最初はOFFの状態になっているということ。なんでこういう仕様にしたのかちょっと疑問です。
サウンドデモ
- ギターV-Metal
- ベース SR5
- ドラム MIR2
ギターだけにかけてみたいと思います。まずはかかっていない状態完全にモノラルです。
次にかけた状態
どうですか奥さん!って感じの広がり方ですwちなみにWidthをMAXにするとこんな感じ
あとはAmountの量ですが、10〜14くらいの間がくらいが好みですが、マックスにしてもそれほど破綻しないのがすごいです。こういうステレオイメージャーはやりすぎると気持ち悪くなってしまうのですが、iZotope Ozone Imagerはかなり優秀です。
おそらくM/S処理とsimple delayの合わせ技みたいな感じもするのですが、いままで聴いてきたステレオイメージャーとは次元が一つ違います。さすがiZotope Ozone です。いい仕事しています。とにかく広がり方がめちゃめちゃ自然で驚きます。
本来、このような広がりを作るのは同じフレーズを引くことで広げていくわけですが、それらの手間を省けるのがZotope Ozone Imagerの特徴とも言えます。
ダブリングの歴史
ダブリングはとある有名ミュージシャンの一言から始まります。それはビートルズのジョンレノンの
「ねー何回も歌うの面だくさいから、一回歌ったやつを適当に調整してそれっぽく聴かせてよ」
こんな言い方をしたかはわかりません、伝えた内容はこれと同じです。世界一のバンドとして君臨し続けているビートルズも人の子です。一回で終われるなら終わりたい、歌い続けるのはしんどいのです。退屈なのです。もっと有意義なことに時間を使いたいのです。
そこで生まれたのがADTというダブリング装置です。こちらはそのモデリングであるWavesのADTプラグインです。
ADTプラグインとは?
Artificial Double Tracking または Automatic Double Tracking の略
元のマルチトラック・テープ・レコーダーとは別に、ADT効果作成用にもう1台のテープ・レコーダーを用意して作り出す手法であり、そのシステムと運用方法に対する呼称、機材として製造されていたわけではない。
多くの人が「実機はどんな感じなのだろう」と思っているわけですが、そういう装置ではなくあくまで手法のことをADTというわけですね。
さて、この人工ダブリング方式をより発展させたものがiZotope Ozone Imagerです。
ちなみにソフト音源の場合は毎回まったく同じ音が出てしまうので。そのトラックをコピペしたところでダブリング効果は得られません。そういう音源にこそiZotope Ozone Imagerは活躍します。
負荷について
ごちゃごちゃしていてわかりにくくすみませんw機能限定ということもありOzone7 imagerに比べると負荷もレイテンシーも低いです。サクッと使いたいときに便利です。というわけでさっそくどんな感じなのか聴いてみたいと思います。設定はこんな感じです。
ステレオイメージャー比較
一昔前のステレオイメージャーというのはいかにステレオ素材を広げるか?というところに重きありました。wavesのS1とかそういうものです。
で、モノラル素材を広げようとすると
PS22だったりしたわけですが、今使われることはほとんどありませんwちなみにPS22を通すとこんな音
うん。不自然wすごく気持ち悪いw10年以上前のプラグインと今のプラグインを比べること自体ナンセンスですがw
iZotope Ozone Imagerで広げた音にBrainworxのSherdspreadというプラグインを使います。こいつもステレオイメージャーの一種です。ギターのステレオ感をもうちょっと広げたいときに使ったり、最終ミックスでもうちょっとステレオ感がほしいときに使うこともあります。
BrainworxのSherdspreadとiZotope Ozone Imagerを組み合わせることでさらに自然な広がりと広がった先でも変に音が痩せるようなことにならないので便利です。
自然すぎるゆえに…
本当に自然なダブリングができるのですが、何でもダブリングするのではなく、ときには不自然なゆらぎをもって音を広げるのも1つの味にになります。その方法とはコーラスです。コーラスは音のゆらぎによって音像を広げる効果があります。特に中低域に特徴のあるエレピなどはイメージャーで広げるよりコーラスで広げた方がエレピ「らしさ」を作ることができます。
ダブリングは邪道??
- ギター2回弾けばいいだけの話
- ボーカルも何度も歌えばいいだけの話
といった視点をもつことはクリエイティブを追求する上で大切なことではあります。だからその2回という数字に意味と価値を見いだせるのであれば、やっただけ気づきは得られますし、ダブリングプラグインの不自然さにも気がつくことができるでしょう。
しかし、そんなことより簡単にやってしまいたいというジョンレノンの立ち位置を考えると邪道と考えるのもどうかと思います。もちろんダブリングを省いた時間でよりクリエイティブの追求をし続ける重要性を忘れてはいけませんが…
Ozone Imager ダウンロード
iZotope Ozone Imagerは無料プラグインです。公式サイトに言ってFree Downloadをクリックしてメールアドレスを入力するだけでOKです。
現在はバージョンアップされてVer2がDL可能です。
Ozone Imager ダウンロード インストール
画像のDownload Freeをクリック
メールアドレスを入力後Continueをクリック
任意のパスワードを入力し、Create Accountをクリック、後、以下の画面になり任意のOSのバージョンの
Imager V2をダウンロード後、インストール
まとめ
何度もいいますが自然すぎる広がり方!
モノラル素材をここまで自然に広げられる技術はすごいですね。
技術の高さにも驚きますが、これが現在無料で配布されていることにもっと驚きます。(期間限定っぽいですが)とりあえず持っておく!というより絶対持っておいた方が良い!と思えるプラグインです。ぜひ使ってみてください。