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UAD Capitol Mastering Compressor レビュー ITBミックスの最終兵器

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どうもUG(@96bit_music )です。

最新の音楽であってもそこに命を吹き込むのは歴史あるサウンドなのかもしれません。ITB(インザボックス)(コンピューターの中だけでミックスマスタリングを完結すること)では往年の名機と言われたハードウェアのエミュレーションが使われているのも理由の一つです。

しかし、ハードウェアをエミュレーションしたプラグインの音質が良いと言われても価格や音質、機能性などどれが自分にあっているのかわからないんじゃないでしょうか?

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星の数だけあるプラグインの中から何をえらべーちゅーねん

そういうときは価格を無視して良い音がするプラグインを選んでみるのが良いです。

今回紹介するUAD Audio PluginsのCapitol Mastering Compressorはマスタリングコンプレッサープラグインと呼ばれるもので、最終ミックスに高品質なアナログテイストを与えることができるプラグインです。

今までいろんなマスタリング系コンプやプラグインを使ってきましたが、久々にストライク!一気に一軍入しました。

理由はいくつかありますが、今まで超低域(30〜50Hz)付近の音ってどうしても最終段階でだんだんと曇って見えにくくなるんですよね。しかし、Capitol Mastering Compressorはその問題を解消し、音を曇らせることなくしっかりと引き締めて前面に出てきます。この出方が今までとはどこか違う品のある音色なんです。

ジャンルに制約はありませんが、個人的にはトラック数が少ないバラードやギターの弾き語りなどに使うと、その説得力は3割増しになると思います。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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UAD Capitol Mastering Compressor 概要

メーカーUniversal Audio(UAD)
製品名Capitol Mastering Compressor
特徴具体的に4つ(短文)改行で最大8
システムすべてのテーブルタイポグラフィはMサイズにする
バージョンv1.0.0(2023-05-16)
認証方式 iLok
容量94MB
マニュアル公式サイトにて(Google Chromeで翻訳可能)
価格349ドル(メーカー価格)
備考体験版あり14日間期間限定

Capitol Mastering CompressorはDSPエフェクトのトップメーカーであるUniversal Audioが作ったITBの最終兵器ともいえるマスタリングコンプレッサープラグインです。

Capitol Mastering Compressorは、アメリカのレーベルCapitol Recordsのマスタリングチームが最高の音を求め、採算を度外視して作り上げたコンプレッサーです。その完成にはある意味でレーベル創設当時1955年から受け継がれた歴史や思想など念頭におきながら制作され2011年に完成したとのことです。

このプラグインがユニークだと思ったのは、これまで一台もリリースされていないということ。つまり世界で初めてのエミュレーションに挑戦したということです。

歴史や思想は異なるかもしれませんが、私もこの記事を読んでいるすべての人も同様に、今、目の前にある音楽は常に新鮮な魅力に満ちています。

それを最高の形に仕上げるという意志は、Universal Audioであれ、Capitol Mastering Engineerであれ、変わりません。

このプラグインを使うときのワクワク感は、こうした理由から来ているのかもしれません。

UAD Capitol Mastering Compressor レビュー

音質4.5
機能性(オリジナル性)3.5
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4
価格2.5
総合評価3.8
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それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。

  • 青帯はメリット
  • 赤帯はデメリット
  • 黒はどちらでもない

音質

4.5

音の透明性から粘り気すべてがエクセレント

Capitol Mastering Compressoは伝説的な手作りチューブマスタリングコンプレッサー、CM5511の豊かなサウンドを再現します。

CM5511はヴィンテージコンプの代表格であるFairchild 670とGates Staからインスピレーションを受けており、厳密なエミュレーションによりこのカスタムメイドのダイナミクス傑作のモダンなチューブベースのサウンドを提供します。

CM5511はヴィンテージコンプは市場には出回っていません。

聞いてみるとわかるのは音のふくよかさと高域の美しい甘み感がすぐに感じ取れました。もちろん、実機を知る人やビンテージコンプレッサーに精通している人からすると、「これがビンテージ?」と思うかもしれません。

アナログビンテージの良さを否定するつもりはありません。しかし、私の考えでは、プラグインの使用はミキシングだけでなく作曲・編曲時においても重要で、良い音質はもちろんのこと、それ以上に作曲・編曲のモチベーションを高めてくれるかどうかが重要です。

その点でいうと、Capitol Mastering Compressorは音の透明性から肉欲感までそのどれもが一度使うと病みつきになるレベルのサウンドでさすがUADといわんばかりの音で、もっとこのプラグインを通してみたいという気持ちが高まりワクワクし続けています。

通しただけでもその効果がはっきりとわかるレベルなのでマイクプリ的な使い方も可能です。

オーディオデモです。ドラムンベース的なミックスに使用します。

Capitol Mastering Compressor Dry
Capitol Mastering Compressor Wet

超低域が感じられるスピーカーやヘッドホンで聞くと、特にその差がわかります。とにかく超低域付近のエネルギー感が約3増しの印象です。それでいて音が濁ることなく、楽曲が持つパワーを余すことなくリスナーに届けることができます。

続いて4リズムジャズで使ってみました。

Capitol Mastering Compressor Dry2
Capitol Mastering Compressor Wet2

楽器が少ないような編成の場合、特にその効果がはっきりと感じられます。それぞれのパートの存在感が鮮明になるだけでなく、空間全体がフォーカスされます。

最後にエレクトリックな楽曲に使用してみます。

Capitol Mastering Compressor Dry3
Capitol Mastering Compressor Wet3

キックの超低域付近のサチュレーション感は本当に素晴らしく、使用前後では受ける印象がまるで違います。ボディブローのように聞くローエンドは楽曲の魅力を限界まで引き上げてくれそうです。

ただ、個人的に空気感をたくさん感じ取れる音楽(ミックス)が好みなので、生楽器系のミックスに使う方が心地よく感じました。

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機能性

3.5

コンプレッサーの基本パラメーターとオプションパラメーターによる柔軟な音作り

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Capitol Mastering Compressorではコンプレッサーで使われる標準パラメーター5つとGAINやSHAPEなどを調整できる5つによって柔軟に音作りが可能です。

INPUT約 2.5 dB ステップで 5 つの入力ゲイン設定
THRESHOLDコンプレッサーが動作し始めるレベルを約 1 dB ステップで設定
ATTAKSlow、mS (Medium Slow)、Med (Medium)、mF (Medium Fast)、 Fast 
RELEASESlow、mS (Medium Slow)、Med (Medium)、mF (Medium Fast)、 Fast
デフォルト値は「中」
RATIOゲイン リダクションの量を設定
2:1、3:1、4:1、6:1、10:1 
2:1 の比率では、20 dB の入力信号が 10 dB に減衰しきい値を超える信号が 半分に減少
比率が高いほど、より圧縮されたサウンドが生成
OUTPUT出力レベルを約 0.5 dB ステップで下げる 24 ポジションのステップ コントロール
SC6 db/オクターブのサイドチェーン フィルター
コンプレッサーの検出器の前のベース信号の量を軽減

それぞれのパラメーターの音の変化はわかりやすく、INPUTの3と4ではかなり音の違いがわかります。

INPUT3
INPUT4

また、元のゲインによっても異なりますが、割と通しただけで変化するタイプのコンプでもあります。

個人的気に入っているのはHEADROOMです。ここの設定で潰れ方(コンプレッション)が変わってくるので音色のバリエーションはかなり広がります。

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ヘッドルームの設定 defaultは12時

さらにはサチュレーションに飽和感の設定も追い込めますし、MONO FOLDを使えば設定した帯域以下(20〜200Hz)をモノラルにすることもできます。まさにいたれりつくせりでコンプサウンドに死角を与えません。

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操作性

4

即戦力のプリセットと大好きなあのプリセットも装備!

Capitol Mastering Compressorのプリセットウィンドウをクリックすると左にブラウザが開きTAYPE ARTISTなどのカテゴリから好きなものを選択できます。またフェイバリット機能もあるのでお好みのプリセットだけを好きなだけピックアップできるのがいいです!

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そして、当たり前とはいえ、デフォルトプリセット(初期設定)が搭載されていないプラグインを見ると、がっかりしてしまいます。これがあるかないかで、音作りの速度、質、全体のプロセスが大きく変わってきます。素早く初期設定に戻せるということは、音作りで迷ったときにすぐにリセットできるということと同じです。

さらに、自分で作ったプリセットや選択したプリセットを比較できるA/Bボタンも当然搭載されており、音作りの過程で徹底的に比較することが可能です。

プリセットブラウザでは虫眼鏡アイコンの項目に名前を打ち込んで検索も可能です。

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安定性

4

CPU負荷は低いうえにマルチコアでバランスよく分散されている

Capitol Mastering Compressorをマスターアウトに1つだけ使った状態の負荷がこちらです。

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かなり低いうえにCPU負荷逃しをすることなくマルチコアへ分散がされています。このあたりのはDPSエフェクトの技術で培った経験が役立っているのかもしれません。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格

2.5

349ドル(メーカー価格)

Capitol Mastering Compressor伝説のコンプ!と言われただけで欲しくなってしまうのは私だけではないでしょう。そしてそのサウンドが自分好みであったなら迷うことはないです。メーカーの価格349ドルとさすがのブランドバリューですが、現在セールによって半額で191ドルになっています。(5月31日まで)

もうちょっとこの低域を美しく膨らませたい!、もっとジェントルなコンプレッションがほしい。これらの欲望は「もっといいものを作りたい!」という気持ちの現れです。

メーカー価格は高いですが、セール価格ならば悩まずに買っても元が取れるクオリティです。

PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。

4月の無料特典は

Audiified U78 Saturator または Excite Audio VISION 4X Lit

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注意点
  • Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外
  • Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
  • 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
  • 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
  •  取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
  • このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
  • この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
  •  この製品のコピーを再販することはできません。 
  • このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
  • 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。

U78 Saturatorについてはこちらで詳細を確認できます。

PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!

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UAD Capitol Mastering Compressorに関するFAQ

UAD Capitol Mastering CompressorはMastering専用ですか?

マスタリングと書かれていますが、シングルのトラックにも使えます。ロックからジャズ、EDMまで深みのある低域と高域の美しさを堪能できるサウンドになります。

UAD Capitol Mastering Compressorのインストール方法は

公式サイトにてUA Connectというアプリを使ってインストールします。

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また14日間の体験版もあります。

UAD Capitol Mastering CompressorはMasteringの使い方は

イメージする音になるのならば使い方は限定されません。ただ、マスターで使用する場合はゲインリダクションは2dB程度、RATIOは2:1〜3:1にしてふんわりとかけるイメージで使うとまとまりのよいサウンドになりやすいです。

マスタリングコンプレッサープラグインを使用しても、音楽のバランスがうまくとれません。どうすればバランスを改善できますか?

各楽器の音量バランスを調整し、主要な要素が明瞭に聴こえるようにします。この場合アレンジ絡み直すのが一番近道です。そのうえで

EQを使用して、各楽器の周波数領域を調整し、相互の干渉を軽減させましょう。

パンニングやステレオイメージングを活用して、楽器を広がりや奥行きを調整

サイドチェインコンプレッションを使用して、特定の楽器を他の楽器との競合を回避するために制御などの対策があげられます。

まとめ

音質4.5
機能性(オリジナル性)3.5
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4
価格2.5
総合評価3.8
リンククリックで読みたい内容の箇所に飛ぶことができます!

市場には出回っていない究極のビンテージコンプCM5511を再現したCapitol Mastering Compressoは素晴らしいの一言に尽きるサウンドです。

音の密度や質感どれをとっても創作テンションが沸騰するレベルのマスタリングコンプです。

価格帯にUADブランドもあって「これは買っておけ!!!」と言えるほどのものではありませんが。細部にまで神経を注いだ2mixにさらに磨きをかけられるそんなプラグインです。

私は買いだと思いますがみなさんはいかがですか???

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