ギターの音を太くしたい!カンタンEQ&コンプテクニック

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ロックなジャンルでギターに求められるのは「太さ」です。しかし、この太いという音を正しく理解できている人は少ないです。でも大丈夫です。この記事を読むことで「音の太さ」について理解できます。でも「そんなことはいいから簡単にギターの音を太くする方法教えてよ」というせっかちな人にも「簡単にできる太いギターサウンドのためのEQコンプテクニックも一緒に紹介します。

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そもそも音が太いとはどういうことか?

太い音とは倍音を取り除いた基音を感じられる音です。音程が低い音が太く感じる理由はこの倍音と基音を聞き分けやすいからです。

イコライザーで低域をブーストすれば当然太い印象の音にはなりますが、低域が強調されたことで高域の抜けは感じにくくなります。逆に高域をブーストすると低域の太さを感じにくくなるため、音がやせ細った印象になります。

ここから考えると音の太さとは気持ち低域よりではありながらその低域を活かすだけの高域も持っている音色が「太い音」といえます。つまり均整の取れたサウンドが重要になります。

なぜ太い音が求められるのか?

太い音(低音を感じる音)には迫力があります。しかし、大切なのは「求められている太い音」が常にギターだけとは限っていないことに気がつくのが重要です。つまり太い音はバンドサウンド全体のバランスから成り立つものです。当然バンドにはベースがいます。ベースがいれば低音はしっかりとカバーされます。そこにギターでさらに低域を強調するとなった場合

  • ギターの太さを強調するためにギターとかぶっているベースの帯域を少し削る

という考え方が必要になる場合もあります。当然キックも低域なのでそのキックとベースとギターがどのレベルでバランスをとるかによってはじめて「太くてかっこいい音」になります。つまりギターの太さは常にキックとベースを意識したうえで作り込む必要があります。

EQやコンプの前に知っておきたいギターの音作り

太い音をEQやコンプで作る前にギターそのもののサウンドを理解することが重要です。ギターサウンドの理解とはズバリ「ピックアップ」です。ギターのサウンドはこのピックアップによって音色がきまります。

上記の記事でも紹介していますが、レスポールとストラトの音の違いはピックアップです。ストラトのシングルコイルだと高音に特徴がある音で、レスポールのハムバッカータイプのピックアップだと中低域に特徴があります。

つまりこれらの元の「ギターの音」をきちんと意図通りに使い分けることが「太いギターサウンド」を作る重要な要素になります。

ギターのためのEQ設定

イコライザーの周波数がギターにどのような影響をするのかを考えましょう。

  • 90〜110 重たさを感じるのは
  • 600〜2000Hzエッジを感じるのは
  • 6000kHz〜音抜けは

ギターの種類によってこのあたりの数値は微妙に変化しますがざっくりとした「アタリ」をつけるという意味では上記の周波数の説明はある程度通用します。

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この数値はギタリストの多くが無意識に認識しています。なぜならギターのコンパクトエフェクターのグライコの数値がほぼこれに近いからです。

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メーカーによってもっと細かく別れていたりするものもありますが、おおよそ近い値になっています。さて注目してほしいのはグライコの数値が倍に増えていることこれが何を意味するかというと「倍音」です。

つまりローを増やすときにそのローを感じさせる成分は倍音にあるわかりやすく言うとオクターブ奏法がなぜ目立つかといとお1オクターブ上の音がはっきり聞こえることで元の音が強調されることにあります。

パワーコードも ド ソという2つの音だけではなくド ソ ド という3つの音からのパワーコードの方より音が届くのもルートの音でなっている倍音を実音で強調できることで目立つようになります。この辺は結構感覚でやってしまっている人が多いのですが理論を知ることで「微妙なさじ加減が可能になります」

以上のことから音の太さを作る1つ目のポイントは

音作りは倍音を意識すことにある です。

重たい音をつくるための倍音を意識したEQ設定

今回はこのフレーズを重くしてみたいと思います。

ギター音源はRealLPC

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アンプシミュはBlue cat  AudioのBlue Cat’s Free Amp余談ですが、Blue Cat’s Free Ampはフリーの中ではかなり良い音がしますのでオススメですが、有償のアンプシミュはもっと細かい音作りや、IRによるキャビネットシミュレーターが優秀なのでもっとリアルな音作りがしたい人は以下のアンプシミュをオススメします。

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本来あまりないことですが、アンプはすべてフラットにしています。楽器やアンプによって最適な数値は変わりますが、

グライコから98Hzを15dBブーストします。

100Hzをブーストしなかった理由は太さより単なる「もこもこ」とする結果になったからです。

これだけでも太く重くなったのがわかります。次にこれに第2倍音にあたるオクターブ上の周波数180khz付近を5db程度あげます。

次にエッジの部分を強調しギターのアタックの部分を作り出します。600hzと1800hzを6〜7dbほどあげます。

そして最後音抜けの6000hz今回はもう少し高く7900hzをブーストしています。

イコライザーで見るとこんな感じになります。

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さて、この結果低音が出てその低音を活かす倍音部をコントロールしエッジを立てて音抜けをよくしたギターサウンドができました。しかしここで失敗するのがこのままミックスに入ろうとしてしまうこと、EQによって平均で6db以上のブーストしているのでボリュームを絞って最後にマキシマイザーで音圧処理するかコンプで潰して壁的なギターサウンドにするかを目的次第と言えます。

しかしどちらの処理もせずにマスターに入ってしまうとレベルオーバーになり音割れの原因やミックスの飽和につながるのであがった分調整するということも忘れないでください。

ちなみに私はコンプをかけます。

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FET系で3dbくらいのゲインリダクションが起こるようにします。頭は潰しすぎないようにリリースは長めで

するとこんな感じの音になります。

暴れていた低音部も少し収まりいい感じになりました。さてここまでが突貫工事的部分の話ですが。もっと簡単に太くできる方法があります。それはかぶっている他の楽器を帯域を削るということです。引き算EQでおなじみの考え方です。

ローでかぶる楽器といえばベースがあります。本来 200Hz付近はベースにとってフレーズが見える周波数帯域ですが、ラウドなギターを全面に押したのであればその部分をギターに譲るのも一つの方法です。つまりギターを上げるのではなく、他の楽器を相対的に下げるということです。こうすることで「ギターサウンド」のため必要な周波数が空くので抜けるサウンドを演出しやすくなります。

歪ませすぎない

一番簡単ながらやってしまうのがとにかく歪ませすぎるということ。ギターは歪ませれば歪ませるほど音の芯がなくなります。ディストーションやオーバードライブも一種のコンプレッサーです。

昔ギタリストの友人が「コンプ使ったら音が太くなるんだろ?コンプかしてよ」と言われたことがありスタジオにいってコンプをつないだらアタックが潰れただけの音で「なんだ全然迫力でないやん」と言われたことあります。当然です。アンプとストンプボックスで歪みを作ってそのうえでコンプレッサーを何も考えずにかけただけでは「抜け」の要素であるアタック音が完全に消えてしまいます。

つまり「低い音」を感じるのに必要なアタック(高域)がないために、ただ抜けが悪いだけの音になってしまったというわけです。

つまりギターのピッキングニュアンスが出せる音というのはギターの芯が生きているということなのでそれだけ抜ける音になります。その抜ける音をキープしながら低音を作り、音を歪ませることで「太い音」としての存在感が出てくるわけです。

ここで最初に説明した重く太く抜ける音の定義を具体的にしてみます。

これらをEQだけで対処することも可能ですが、帯域別にサチュレーションをかけることができるマルチバンドサチュレーションを使うことで帯域のボリュームではなく帯域の歪みを調整することで、潰れすぎないラウドなギターサウンドを作ることができます。

わからなくなったらギターは2トラック!

ギターやギター音源によってサウンドは異なります。音の芯がある状態。適度なアタックがありながら、低音がブーストされている状態上記をイメージしながら作ることで抜けがよく太いギターサウンドになるわけですが、ここで裏技を一つ、何もエフェクト処理をしていないギタートラックを作っておきます。

かけるエフェクトはせいぜいブースト的なオーバードライブです。これと歪ませたギタートラックをBUSでまとめて一つのギタートラックにすることで抜けはクリーンで担当させてバランスを取ることで、太く抜けるギターサウンドが作れます。

まとめ

グライコ数値が倍音を意識したものというは知らなかった人が多いのではないでしょうか?てっとり速く太くしたい場合は太くしたい音の倍音を意識することでより低音が強調されます。ここをもっとズムーズに処理したい場合はR-bassなどを使って倍音の音量を調整することで同じ原理でながりがらもっとピンポイントな処理ができるようになりますが、

とりあえずはEQ数値の確認と90〜110hzの音を覚えるとより作りやすくなると思います。

太くというのは音の芯がある状態。適度なアタックがありながら、低音がブーストされている状態そして抜ける音というのがピッキングニュアンスを出せる音これを目指して作ることで音の太さのさじ加減で困ることはなくなります。

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