これだけは覚えたい!DTMベースサウンドを簡単に太くするお作法

太いベースは楽曲安定感を作ります。土台がしっかりとすると聞いてるリスナーも安心して音楽を楽しめます。ですが、よくある「ベースを太くって具体的に何をすればいいの?」と思いますよね。今日は太いベースサウンドを作るために「これだけやっていればOK的」な音作りについてお話します。

ベースを太くするのはイコライザーそれともコンプ?

前回の「とりあえずシリーズ」は

ベースのデュレーションとベロシティについてお話しました。

とりかえずこれだけは覚えたいDTMベース打ち込みのお作法

今回は音作り編です。

ベースで1番大事なのはとにもかくにもしっかりとした低音を感じられるかどうかです。でもそれは闇雲にベースの低音をEQであげろという話ではありません。ベースの低音感をコントロールすることが大事ということです。

太さとは何か?

ベースの音を作るときに大切なのは、他の低音楽器とのバランスです。ここで一番考えたいのはキックです。キックとベースは周波数が近い楽器なのでどちらを立てればどちらが立たず…といった譲り合いの精神が求められるパートです。

しかし存在感が大きいので譲り合いをするときは「どちらをより低音を聴かせたいのか?」という目的を常にはっきりとさせておかなければいけません。

そうすることで「太さ」を目的とした音作りが可能になります。

ここまではボリューム調整だけでまずお互いの居場所を見つけるようにします。コンプやイコライザーはここからです。

ベースのイコライザーとコンプの設定

ベースサウンドだけで聴いているときにはそれなりに良くても、ドラムや他のパートがのってくると途端に聞こえが悪くなるという経験をしたことってあると思います。なのでベースの音作りで「太さ」を求めるのならば常にキックと一緒にするのが良いです。そうすることで最低でも、キックとの棲み分けは可能になります。

ではベースのイコライザーです。ベースは多くの人が誤解しているのですが、ベースの一番低い音は(実音)は40Hzあたりにあります。

低音処理に必要なベースのローカットをする前に覚えておきたいこと

つまり闇雲にローカットで100Hzくらいまで切ってしまうとこの実音部分も切ってしまうので、注意が必要です。

以下の画像はベースとドラムを同時に鳴らしたものをスペクトラム・アナライザーで表示したものです。

緑がキック、ベースが白です。

このキックはすでにある程度作られているのですが、緑と白がかぶっていない部分がありますよね。その部分がベースの抜けの部分です。この部分にキックがかぶさってくればくるほどベースのらしさは感じられません。

この画像では、ベースの実音40Hzあたりはキックとかぶっていませんし、倍音であるオクターブうえの80Hzあたりの音もキックより抜けています。つまり太いベースがキックに邪魔されていない状態です。

そしてキックはキックで50Hzあたりをピークにしながらも、キックのアタック感である5kHzあたりも確保されているので、両者とも非常にバランスの良い状態になっていると言えます。

イコライザーでこのよう形にする簡単な方法は、キックの150Hz〜300Hzあたりを5dBくらい削ることでベースの帯域を譲ってあげるとこのような棲み分けになりやすいです。

コンプについてはイコライザー棲み分けをしたあとに音量差を整える程度で大丈です。エフェクトのプリセットを参考にしてもいいですが、大切なのはこのキックとベースの音量的な棲み分けをキレイに作ることが目的なので、プリセットを使ってそのままではなく、ボリューム調整をしっかりとするようにしましょう。

ベースは2トラックに分ける

マルチ音源に入っているベースはあまり低音がないどちらかというとDI的な音が多いです。そういう音源はハイ抜けは良いのですが、低音感に関しては今一歩という感じ。

「じゃあベースにベースアンプシミュレーターかければいいやん」ということなんですが、そうするとハイがなくなってしまい抜けが悪くなる。

だったらトラックを分けてしまえばいいと考えます。

  • 1つはDIの音
  • 1つはアンプの音

というイメージです。

今回はLogicproXを使ってお話していますが、他のDAWでも似たような感じになるので参考にしてもらえれば嬉しいです。まずはベースとドラムだけの音を聴いてください。

ベースはEXS24のPick Electric Bass

ドラムはDrumkit SoCal Kit です。

これらをノーマルの状態でならすと

まぁこんな感じですよねーっていう音質です。

ここで先程ベースのトラック分けをします。このとき注意したいのはEXS24のBUS送りをプリフェーダーにします。こうすることでEXS24のメインフェーダーをゼロにすることができます。

なぜゼロにするかというと、EXS24にエフェクトプラグインをかけるとそのままそれがBUSに送られてしまいます。そのため、何もかけていな音をBUSに送る必要があるためプリフェーダーを選択します。

プリフェーダーの選択方法

センドのところでBUSを選択後BUSボタンを右側あたりをクリックすると上記の画像の項目が出てくるのでプリフェーダーを選びます。デフォルトではポストパンが選択されています。

プリフェーダーを選ぶとセンド量が青色に変わります。

こうすることでEXS24のフェーダーをさげてもセンド量できめた分だけBUSに出力されます。そして先程決めた1トラックをDI1トラックをアンプといった感じにするためプラグインエフェクトかけます。

DI側はアバロンのDIを意識したと思われるDIとエキサイターをかけることでDI特有の高域が抜ける音を作ります。次にアンプ側は任意で選んでいいと思います。

そしてこの2つのトラックさらにBUSにまとめて最終的にダイナミクスを調整します。

そうやって出来たものがこちら

1トラックだけのものと比べると気持ちのよいドンシャリ傾向になっています。そしてもし必要であれば、ここに原音であるEXS24のフェーダーをあげてもいいかもしれません。

さいごに

ぶっちゃけてしまえばこれはライブやレコーディングでよく使われる方法です。DIの抜けの良いサウンドとアンプの低音をミックスすること出来上がったベースサウンドはかなりリアルな低音感になると思います。

ベース音源で有名なTrilianやModoBassを始めリアリティを追求するベース音源の多くはこの手法が使われています。

よいベース音源を使えばそれでもいいのですが、そういう音源がないのであれば創意工夫!見よう見まねでやったことが案外上手く行くのもDTMの面白いところです。