家のモニターやヘッドホンで聴いたときには普通に聞こえたけれど、他の環境で聴くとあまり良くないように感じた。
原因は複数ありますが、一番わかりやすい結論から言うとこれは1つの再生環境のみでミックスしたことが原因で、解決策としては複数のミックス環境を構築することで改善できる可能性があります。
プロのミックスクオリティが高いのも様々なリスニング環境を構築して均一に再生して聞こえるようにしているからです。
しかし、家で複数のスピーカーを買ったとしてもそれらの配線を毎回やり直すのは大変です。そんなときに活躍するのが、モニターコントローラー(通称モニコン)です。モニコンを使えば複数のスピーカーを瞬時にして切り替えられます。
今回紹介するTC Electronic Monitor Pilotはモニコンの中ではシンプルな機能のみに絞った機種です。そのため、コストパフォーマンスが高く、操作性もよいモニコン環境を構築できます。
Monitor Pilotの精密な音量調整は、細部までこだわった作業に欠かせません。専用のボリュームノブを使用して、正確なバランスとレベル調整を実現できます。この高度な制御機能は、音楽の表現力を最大限に引き出し、聴衆に感動を与える作品を生み出すために不可欠です。
- 1IN 3OUTのシンプルなモニコン
- ヘッドホンアウト装備
- 外部コントローラー装備
- コスパが高い
- 内部アクセスがしにくい
- 19インチラックにかんたんに入らない
TC ElECTRONIC MONITOR PILOT 概要
メーカー | TC ElECTRONIC |
製品名 | MONITOR PILOT |
特徴 | 最大3セットのスタジオモニターと1セットのヘッドホンを接続可能 ケーブル配線のしやすいI/Oハウジングとコントロールパネルデザイン ソースを接続するための高品質XLRステレオ入力と、 外部デバイス接続用の1/8″(3.5mm)TRSジャック入力 3つのステレオ出力にそれぞれ調整用の個別トリムポットを搭載 高品質なパッシブスイッチングモニター切り替え 元の信号品質を損なわないためのアナログシグナルパス |
仕様 | 入力: XLR x2(バランス)、10kΩ(バランス)/5kΩ(アンバランス)、最大+22dBu AUX入力: 1/8″TRS(ステレオアンバランス)、500Ω、最大+5dBu 出力: XLR x6(バランス)、100Ω(バランス)/50Ω(アンバランス)、最大+22dBu PHONES出力: 1/4″TRS(ステレオ)、50Ω、最大+22dBu 電源: スタンダード5.5 x 2.1mm DC 消費電力: 12V センターマイナス100omA(電源アダプター付属、電池駆動不可) サイズ: 本体 261 x 39 x 70 mm(W x H x D)、コントローラー 53 x 37 x 78 mm(W x H x D) 重さ: 0.6kg |
マニュアル | 日本語マニュアルPDF |
価格 | (メーカー価格)貨幣表記は半額 |
備考 | 修理対応窓口、サポート窓口ではない TC Electronic、TC Helicon、Tannoy(MIカテゴリー製品)の保証外修理 サウンドスケープ 住所: 〒390-0851 長野県松本市島内4113-1 TEL: 0263-88-5764(平日13:30-17:00) FAX: 0263-88-5788 E-Mail: soundscape@yc5.so-net.ne.jp |
TC ElECTRONIC MONITOR PILOTはエレガントなデスクトップコントローラーと3つの出力と1つの入力からなるマルチモニターコントローラーです。スタジオモニターの音量や選択、スピーカーの切り替えなどを一元的に制御することができます。これにより、スタジオのワークフローがスムーズになり、作業効率が向上します。
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TC ElECTRONIC MONITOR PILOT レビュー
それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。
- 青帯はメリット
- 赤帯はデメリット
- 緑帯はその中間
音質
3
音質の変化はゼロではないがそこまで気にする必要はない
TC ElECTRONIC MONITOR PILOT は他のモニコンと比較してどうかはわかりませんが、オーディオインターフェイスから直接スピーカーに接続したときより音質変化はあります。
個人的には少し音が荒い印象もありますが、ホームスタジオレベルであればそこまで気にする必要はないように感じますし、それ以上に機能性や操作性の良さがそれを補ってくれる部分もあるので、音質の劣化に関しては私は許容できます。
機能性
4
1IN 3OUTによるバランスの良い入出力
TC ElECTRONIC MONITOR PILOT は1IN 3OUTの入出力をもつモニターコントロールです。すべての端子はXLRでありフロントにはTRSのヘッドホンアウトも装備しています。(出力トリムは3と共有になります)
またTC ElECTRONIC MONITOR PILOT はキャリブレーテッドリスニングを可能にするために±9dBのゲイン変更が可能なノブがそれぞれのチャンネルに1つずつ搭載されています。
製作したミックスが自身の機器だけでな く、様々な環境で、いつでも、どのようなフォーマットでも良い音で鳴らすために、ゲイン調整を整えること
私の環境ではメインスピーカーはADAM Audio A7X、確認用のスモールサイズスピーカーにIk MultimediaのiiLoud Micro Monitor を使用していますが、これらを使ってミックスを確認する場合それぞれの音量が異なっていると正しくミックスできません。
TC ElECTRONIC MONITOR PILOTはこれらのスピーカーのゲインをかんたんにあわせられるようになっています。
リファレンスポイントについて
しかし、ノブを操作すると12時にクリックするポイントがあります。少し勘違いしそうな仕様だと感じました。
操作性
4
外部コントローラーによるボリューム調整が可能
TC ElECTRONIC MONITOR PILOTの魅力は外部コントローラーが付属していることです。モニターコントローラーはデスクトップで扱うことを想定されているものが多いです。
これらの製品は多機能なメリットもあるのですが、机の上に配線が広がり見栄えがよくありません。もし間違って床に落として配線が抜けようものならスピーカー等へのダメージも心配になります。
そんなとき、TCElectronic monitor pilotは机の上にこのコントローラーを1つおいておけばよいだけです。外部コントローラーとケーブルの長さは2m近くあるので本体を離しておいても問題はありません。
外部コントローラーのサイズは37 x 53 x 78 mm重量 0.2 kgと小ぶりな印象です。そのため一部の人は安っぽ印象と受けと取っている人もいますが、ノブを触ってみたところ、絶妙な重さがあり安物印象はありません。また、背面には滑り止めのゴムもあるので、操作しているときに外部コントローラーが動いてしまうような心配もありません。
何かあった場合自力で修理するのが難しい
TCElectronic monitor pilotは内部へのアクセスに特殊なトルクスネジを使用しています。そのため、内部にかんたんにアクセスができません。サイズは2.5mm程度だとは思うのですが、確かなことは言えないので、今度購入してまたレポートしたいと思います。
マスター最大音量時に作動するリミッター
TCElectronic monitor pilotにはリミッターが内蔵されています。マスター音量が最大(+6 dB ゲイン)に設定されている場合におこります。 リミッターはそれ以外では作動しません。
ラックマウントできない
サイズは39 x 261 x 70 mm重量 0.6 kg 高さは1Uですが、横幅が19インチラックより小さいので、ラックマウントができません。私が唯一残念と思うのはこのサイズでした。
以下のようなラックトレイを使うとラック化ができます。
価格
4.5
参考価格: ¥25,740→¥21,743 税込(Amazon)
外部コントローラー付きでこの価格なら安いと言える
価格は3万弱ですがECサイトによって価格は違うので、好みのショップで買うのがオススメです。
外部コントローラーが付き、3IN 1OUTの仕様モニターコントローラーとしてはかなりコスパが高いといえます。
現在Amazonでは16%オフのセールをやっています。期間限定なので急いが方がいいですよ!
TC ElECTRONIC MONITOR PILOTに関するFAQ
- TC ElECTRONIC MONITOR PILOTのトリムの変更幅はいくつですか
-
±9 dB です。
- TC ElECTRONIC MONITOR PILOTの12時が0dBゲインではないのですか>?
-
リモートコントローラーの 3 時の位置で 0 dB ゲインと説明書に記載されています。
- 電源を切ると外部コントローラーで設定したチャンネルは維持されますか?
-
されません。Monitor Pilot がスタートアップ時は常にスピーカーセット 1 が選択されます。
- 複数のチャンネルを同時に再生できますか?
-
1度に有効化できるスピーカーセットは 1 つのみ
まとめ
TC ElECTRONIC MONITOR PILOTの機能を使えば、スタジオモニターの管理と制御を向上させ、より正確なモニタリング環境を実現するのに役立ちます。
2022年8月5日発売してまだそれほど知られていないため使っている人は少ないですが、もっと大々的にセールスすればもっと広がりそうな気配があります。
しばらく使ってみ思ったのは本体が若干熱を持ちます。決して熱くてさわれないというものではありませんが、どのパーツが熱をもっているのかちょっと気になりました。
それぞれのアウトプットのゲイン調整及び、それらを外部コントローラーを使って切り替えるという必要最低限の機能だけでいいから安くて安定したものがほしい人にはほぼ完璧なモニターコントローラーといえます。
複数のミックス環境はミックスクオリティに大きな影響を及ぼすため、リスナーのことを考えてミックスするならばTC ElECTRONIC MONITOR PILOTはとても強力な相棒になってくれます!
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