ミドルサイズくらいのスピーカーを探しているUG(@96bit_music )です。
程よい大きさで音質も良いDTMモニタースピーカーはDTM初心者からプロ・アマのセカンド機としても人気が高いです。
しかし、DTMモニタースピーカーと検索したら大量の情報に疲れてしまい結局どれがいいのかイマイチわからないなかったという人も多いでしょう。
そこで試してほしいのがFLUID AUDIO FX50です。FLUID AUDIO FX50はクオリティの高いサウンドを目的に作られたミドルサイズのモニタースピーカーで、音楽製作〜ミックスレコーディングまで幅広く使用できます。
FLUID AUDIO FX50は、DTM初心者にとっても魅力的なスピーカーです。なぜならば、使いやすく、操作もカンタンで直感的なコントロールが可能だからです。また、ユニークなデザインと形状は長時間音を聞き続けても聞き疲れがしないので快適な創作時間を約束してくれます。
この記事では使用感や音質などについて実際使ってみてリアルな視点でレビュー記事を作成しています。
- 小型でセッティングしやすい
- 音の定位感と解像度が高い同軸スピーカー
- コスパが高い
- スピーカーが軽いので共振が起きる
FLUID AUDIO FX50 概要
メーカー | FLUID AUDIO |
製品名 | FX50 |
特徴 | ツィーターとウーファーを同軸上に配置することで位相ずれを抑制。 XLRバランス入力搭載。豊富な入力端子。 スタジオの音響特性に合わせてEQ 調節可能なバウンダリー補正スイッチ搭載。 バイアンプ方式採用。高音域と低音域の出力変動による干渉を防止。 フロントバスレフポート搭載。壁際への設置も可能。 高品質ClassD アンプ搭載。従来モデルよりコンパクトかつパワフルに。 |
スペック | 周波数特性 49Hz〜22kHz クロスオーバー 2.95Hz ウーファー用アンプ出力 50W(最大) ツイーター用アンプ出力 40W(最大) S/N比 90dB 入力インピーダンス バランス接続:20kΩ アンバランス接続:10kΩ 電源入力 100V~240V(50/60Hz) 幅 (W) 176mm 奥行 (D) 234mm 高さ (H) 230mm 質量 3.8 kg |
価格 | 23,067円(税込)1本(メーカー価格) |
FLUID AUDIO FX50は5インチのウーファと1インチのウーファーによって構成されている同軸スピーカーです。
同軸スピーカーは音の解像度や定位に定評があるスピーカーでプロの間でも信頼されているスピーカーの一つといえます。しかし、プロ御用達というのもあって同軸スピーカーの多くは価格が高いのがデメリットでしたが、近年はTANNOYを始め低価格帯で初心者でも購入しやすい同軸スピーカーが登場し人気を集めるようになりました。
このFLUID AUDIO FX50も低価格帯の同軸スピーカーですが、使い勝手もよくDTM初心者のファーストスピーカーから、プロアマのセカンドスピーカーとしても使用できる優れたスピーカーといえます。
FLUID AUDIO は前回紹介したサブウーファー FC10Sでもそうであるようにコスパの高い製品が多いです。
それでは開封していきます。箱は外箱と内箱の二重構造でしっかりとした印象があります。
外箱(茶箱)は販売店への発送用パッケージとなっているため、お店では化粧箱(カラー段ボール)で並べているのが大半かもしれません。そのため、そのため購入時には必ずしも箱が2重になっているとは限りません。
箱を開けるとFLUID AUDIO のオーディオインターフェイスの紹介があります。こういうところに広告的なビジュアルがあるのは良いように思います。
付属品は本体、注意書き、説明書、電源ケーブルになります。
バスレフポートは正面タイプ、正面タイプは聴取者に向けて音が直線的に届きやすいので力強い低域感を得られます。また、背面近くに壁や障害物がある場合でも低域に影響を受けにくいのが特徴です。
詳しい機能については後述しますが、背面にはルームアコースティック用途に使えるイコライザーや入力端子があります。
大きさとしては500mlのペットボトルより少し大きいくらい、重量は3.8kgとかなり軽いので女性でもカンタンに持ち上がります。
それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。
- 青帯はメリット
- 赤帯はデメリット
- 緑帯はその中間
FLUID AUDIO FX50 レビュー
音質
3.5
同軸らしい音の定位感が見やすい音質
FLUID AUDIO FX50は49Hz〜22kHzという周波数特性をもった同軸スピーカーです。
同軸スピーカーのメリットである音の定位感とスピード感はFLUID AUDIO FX50でも十分に味わえます。
定位感がはっきりとしていると、楽器のダイナミクスや音像感(ステレオ感覚)が鮮明になるので、リアルな空間の表現やシンセ的な自然界には存在しないような空間の表現の精度も高くなりその結果、表現したい意図が明確に伝わりやすくなります。
音を作り込んでいく人にはより強い味方になってくれそう!
音をが正確に見えるというのは大きなメリットだね!
低音はあまり出ない
ミックスにおいて同軸のメリットは大きいのですが、FLUID AUDIO FX50はそのドライバの大きさもあってか、49Hz〜22kHzという周波数範囲ではどうしても低域の量感が乏しく感じる可能性もあります。
ただ、下手に作り込まれた低域はむしろ邪魔になることもあります。FLUID AUDIO FX50は全体的にナチュラルな印象を受けるので、低域の量感は割り切って使うぶんには問題ないと言えます。
ちなみにスタジオの定番モニターであってYAMAHAの10Mも低域の量感はありませんが、ミドルモニターとしては未だにスタジオに常備されています。その点から見ると、FLUID AUDIO FX50はホームスタジオにおける使いやすい同軸ミドルモニターとしての手頃な製品だと言えます。
機能性
3.5
ディップスイッチによるチューニング機能
FLUID AUDIO FX50はピーカー本体にディップスイッチによるイコライザーを搭載しています。イコライザーといってもDAWにあるようなバキバキに音を作るためではなく、あくまでルームチューニングへの最適化を図るのが目的です。
そのため、可変量もプラスマイナス2dB程度になります。
使用してみたところ気持ち効いてるかな?という程度なので、僅かな微調整として便利だと思いました。
壁に近い場合など役に立ちそう!
豊富な入力端子
FLUID AUDIO FX50にはRCA,XLR,TRSと3つのインプット端子が装備されています。RCAとXLRの同時接続は可能ですが、XLRとTRSの同時接続の場合TRSが有効となっています。
オーディオインターフェイスの中にはモニターアウトがRCA出力になっているものもあります。そういうのような場合モニタースピーカーにRCAインプットがあると変換ケーブル等の出費を抑えられるのでRCAは嬉しい配慮です。
また、メインボリュームはクリックタイプで良い意味で少し重みがあるので、安心してボリューム調整が可能なのもポイントが高いです。
操作性
3.5
本体が軽い
コンパクトなサイズのFX50は非常に軽く、設置しやすいのですが、設置方法によっては個体が共振してしまいます。その場合、インシュレーター等も有効ですが、スピーカーの上に重り等をおくことで共振防止につながります。
また、少し小型なのでデスクの上に置くと、耳の高さより低い位置で音がなってしまうため、FX50のポテンシャルをより感じたいのあれば、スピーカースタンドを利用して耳の高さに合わせることでを強くオススメします。
まったく、聴こえ方が変わります!
消費電力を抑えるスタンバイ機能
前回記事にしたFC10Sもそうですが、スタンバイモードに関しては個人的な立場でいうとそこまで必要に感じません。再生するとスタンバイが解除されるまでのタイムラグがあり、いきなり音が出てくるような感じになって少し驚きます。
現実問題として省エネモードにすることでどれくらい安くなるのかが公式サイトや説明書に記載されていないので、その効果についてははっきりしたことはわかりません。
価格
4
この価格帯で同軸スピーカーを考えるなら安い!
23,067円(一本)
ペアの場合46,134円と同軸スピーカーとしてはお求めやすい価格といえます。
FLUID AUDIO FX50に近いTANNOY Gold5になります、それらの機能をカンタンに比較すると次のようになります。
Fluid Audio FX50 | TANNOY Gold5 | |
---|---|---|
アンプ | クラスD | クラスAB |
ユニットサイズ | 1インチシルクドームツイーター 5インチペーパーコーンウーファー | 0.75インチチタンツイーター 5インチのDual Concentricドライバー |
再生周波数 | 49Hz – 22KHz | 70Hz – 20kHz ±3dB 49Hz – 20kHz -10dB |
定格出力 | 90W | 200 W |
入力端子 | XLR (バランス) TRS (バランス、アンバランス) RCA (アンバランス) | XLR, (バランス) TRS, (バランス) 3.5mm ステレオミニジャック |
サイズ | 幅 (W)176mm 奥行 (D)234mm 高さ (H)230mm 質量3.8 kg | 幅 (W)183 奥行 (D)252 高さ (H)294 質量5.8 kg |
備考 | バイアンプ方式採用 | 独立性の高/低周波数リミッター |
価格 | 23,067円(一本) | 42,000円(一本) |
購入サイトへ | 購入サイトへ |
似て非なるものという印象があります。音の傾向も同じ同軸タイプであっても異なる傾向です。出力の違いやアンプタイプが異なるので価格比較にそこまで大きな意味は見出しづらいので参考にしてください。
- 同軸を一本持っておきたいとい
- 初心者の最初のモニタースピーカーとして人とは違うものを選びたい!
- コンパクトなデザインで、スペースを取らないものが欲しい
という人にオススメです。
「FLUID AUDIO FX50」を使う前に知っておくべきこと
セッティングについて
FLUID AUDIO FX50に限らずスピーカーのセッティングはスピーカーのポテンシャルを発揮させるために重要な要素です。とくに、角度と高さは想像以上に音質に影響します。
SOUND IDのマイクをリスニングポイントにおいて計測
— UG|DTMブログ96bit-music運営の人 (@96bit_music) January 15, 2023
ピンクはスピーカーを正面に設置
白色はスピーカーを少しセンターに振って設置
スピーカーの角度で高域の聴こえ方が変わる。
かなりざっくりとした計測だけれど、イコライザーとか処理する前にちょっと試してみるのも良いかもしれないという話。 pic.twitter.com/aueLtQtdo2
また先程も紹介しましたが、耳寄の高さに合わせることでも音の解像度も変化します。FLUID AUDIO FX50を少しでも良い音で鳴らしたい!という人は高さと角度にこだわってみるのがオススメです。
セッティングについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
「FLUID AUDIO FX50」の取扱い販売店やサポートについて
SNS等でもFLUID AUDIO FX50は気になる人は多く「音を聴いてみたいけれどどの店に行けばあるのかわからない」と発信している人をたまにみかけます。この事に対してサポートに問い合わせたところ次の解答を得られました。
ご連絡ありがとうございます。FX50/80については、ネット販売が主体となっておるため試聴環境が少ないというご指摘を頂いていることは承知しております。
試聴機はヨドバシカメラ(マルチメディアAkiba)さん、イケベ楽器(リボレ秋葉原)さんなどモニターコーナーをお持ちの販売店様にございます。
関東の一部のみということなのでなかなか視聴する機会に恵まれないのですが、音を聴くと「悪くない!」という印象を持つスピーカーのように思います。
最寄りの方や近くまで行かれることがあればぜひ視聴してみてください。
まとめ
総合的に見て、FLUID AUDIO FX50は、DTM初心者にとって魅力的で高品質の音質を提供してくれるスピーカーです。FLUID AUDIO FX50を使用することで、音楽制作の世界に没頭し、自分の創造性を開花させることができるように思いました。
単体で3万以下のスピーカーである程度ウーファーの大きさも欲しい、それでいて音質にナチュラルさを求めるのであれば購入検討する価値は有りだと考えます。