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2024年 DTMでハードシンセ いらない?理由と根拠について

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DTMでハードシンセを使っている人みるけどやっぱりソフトシンセとは違うから?使っている理由を詳しく知りたいなー

昔は高額だったソフトシンセもセールセールの繰り返しで価格破壊が起こり、誰でも高いクオリティの同じ音源をもつことができるようになりました。

昔は一音鳴らしただけでその世界観に包まれる!なんて音源を作るためには熟練のテクニックとセンスが求められましたが、今はだれでもその音色を扱える便利な時代です。

しかしその副作用として個性が出しにくい時代になったとも言えます。

ソフトシンセですべてができる今、ハードシンセを使うことのメリットはずばりなにか?それはハード音源の機材的な音質差を手に入れることこの記事を読むことで、ハード音源とソフト音源の違いについて理解することであなたの楽曲の個性を何倍にも増やせるかもしれません。

UG
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ハードシンセとソフトシンセの違いについて

ハードシンセとソフトシンセの違いについては以下のようになります。

項目ハードシンセソフトシンセ
コスト高価比較的安価(場合によっては無料)
可搬性物理的なスペースを必要とし、持ち運びが不便パソコンやタブレット上で動作し、持ち運びが容易
音質と音色アナログ回路や専用ハードウェアにより特有の音質を持つ高品質な音を提供し、ハードシンセと遜色ないレベルに達していることが多い
操作性物理的なノブやフェーダーによる直感的な操作が可能マウスやキーボード、MIDIコントローラーでの操作
アップデートと柔軟性新しい機能を追加するには新しい機材が必要ソフトウェアのアップデートにより新機能や音色が追加可能
インテグレーション外部機器との接続や同期が必要でワークフローが複雑になることがあるDAWとの統合がスムーズで管理やエフェクトの適用が容易
信頼性とレイテンシーソフトウェアやコンピュータのパフォーマンスに依存せず安定して動作コンピュータの性能や設定によってはレイテンシーが発生する可能性がある
インスピレーション特有のデザインやユーザーインターフェースが創造性を刺激主に視覚的なインターフェースだが、プラグインの数や種類が多いことが利点
環境への影響製造や廃棄に伴う環境負荷がある物理的なハードウェアを必要とせず、環境への負荷が少ない

ハードシンセは音源エンジンによって次のようにカテゴライズされます。

音源方式概要特徴代表機種
アナログシンセサイザーアナログ回路を使用して音を生成。発振器、フィルター、アンプなどのアナログコンポーネントを利用。温かみのある、厚みのあるサウンド。ノブやスライダーによる直感的な操作。オシレーターやLFOの微妙な揺らぎ。Moog Minimoog, Roland Juno-60
デジタルシンセサイザーデジタル信号処理を利用して音を生成。デジタルオシレーターやサンプルベースのサウンド生成。多彩な音色と高い音質。メモリに保存できるプリセット。高度なエフェクトやモジュレーションが可能。Yamaha DX7, Roland D-50
サンプルベースシンセサイザー事前に録音された音(サンプル)を基に音を生成。サンプルの再生速度やピッチを変更。リアルな楽器の音色を再現可能。多くのサンプルを取り込むことで多様な音色を実現。サンプルの質とメモリ容量に依存。Akai MPCシリーズ, Elektron Octatrack
FMシンセサイザーオペレーターと呼ばれる基本波形を持つ発振器を使い、他のオペレーターの周波数を変調。複雑で煌びやかな音色。アナログシンセでは得られない金属的な音。音作りが難解だが、豊かな音色を生み出せる。Yamaha DX7, Native Instruments FM8
ウェーブテーブルシンセサイザーウェーブテーブルと呼ばれる波形のセットを利用し、その間をスキャン。ダイナミックで変化に富んだ音色。ウェーブテーブルのスキャンによる独特の音の動き。多彩な音作りが可能。PPG Wave, Waldorf Quantum
モジュラーシンセサイザー個別のモジュールを自由に組み合わせて音を生成。無限のカスタマイズ性と柔軟性。独特のインターフェースとパッチングによる音作り。複雑な音響実験が可能。Eurorackシステム, Moog Mother-32

よくDTMでハードシンセはいるのか?という問いにたいして「どのようなハードシンセをどのような意図で使用するのか?」という問いを明確にしておくことがこのブログの意義にもなります。

それでは次に、ハードシンセがいらない理由について解説していきます。

ハードシンセがいらない理由について

ハードシンセが不要とされる理由についてもいくつかあります。以下に主要な理由を挙げます。

メモリを潤沢につかう音源を使用する場合

重要度

ハードシンセでは搭載されているメモリ量がパソコンと比較すると小さいです。そのため映画音楽で使われるメモリを潤沢に使ったストリングスやブラス、コーラスといった音源はソフトシンセ方が圧倒的に有利になります。

DTMをするのにメモリはどれくらい必要?なのかについて使用したい音源エンジン(サンプリングorアナログエミュレーション)によって異なりますが、サンプリングの場合は16GB以上、できれば32GBはあったほうが安心して使用できます

1. コストの問題

ハードシンセは高価なものが多く、ソフトシンセに比べて初期投資が大きくなります。ソフトシンセは比較的安価で、場合によっては無料のものもあり、予算に制約がある場合には魅力的です。

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このメーカーが以外でも多くのエミュレーションソフトああります。ハードシンセとの価格差を考えるとソフトシンセを選ぶメリットは大きいです。

2. 可搬性とスペース

ソフトシンセはパソコンやタブレット上で動作するため、場所を取らず、持ち運びも容易です。ハードシンセは物理的なスペースを必要とし、スタジオやライブ会場に持ち運ぶのも大変です。

3. 柔軟性とアップデート

ソフトシンセはソフトウェアのアップデートにより、新しい機能や音色が追加されることが多いです。ハードシンセは物理的な制約があり、新しい機能を追加するためには新しい機材を購入する必要があります。

4. インテグレーションとワークフロー

ソフトシンセはDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)との統合がスムーズで、プロジェクト内での管理やエフェクトの適用が容易です。ハードシンセは外部機器との接続や同期が必要で、ワークフローが複雑になることがあります。

5. 音質の進化

近年のソフトシンセは非常に高品質な音を提供することができ、ハードシンセと遜色ないレベルに達しています。特にデジタルシンセサイザーの音質は、ソフトウェアで完全に再現可能です。

6. エコロジカルな視点

ソフトシンセは物理的なハードウェアを必要としないため、製造や廃棄に伴う環境負荷が少ないです。これに対して、ハードシンセは生産・輸送・廃棄において環境への影響があります。

これらのことからソフトシンセの利用にはコストの削減、スペースの節約、柔軟なアップデート、簡単なインテグレーション、高音質、環境への配慮といった多くの利点があります。これらの理由から、特に予算やスペースに制約がある場合、もしくはシームレスなワークフローを求める場合に、ソフトシンセが選ばれることが多いです。

では次に、ハードシンセを使う理由について考えてみます。

ソフトシンセが高度に進化し、楽曲制作が可能な時代においても、ハードシンセを使用する理由は多岐にわたります。以下にいくつかの主要な理由を挙げます。

では、ここまでの解説の真逆となるのがハードシンセを必要とする環境になるわけですが、次章でそれらについて詳しく解説していきます。

ハードシンセを必要とする環境

ハードシンセを必要とする理由は次の通りです。

1. 音質と音色の違い

ハードシンセの方がメモリの搭載量に限りがあるため、PCM音源(ストリングスやベース、ピアノ楽器をサンプリングしている音源のこと)をメインに使用するに限っては、ハードシンセを使うメリットはそこまでありません

ただ、ハードシンセの音の出口であるDAコンバータはその音色を最大限に良い音で届けられるように設定されているため、かりにソフトシンセとハードシンセが同じ音色であっても、出口の音質が違うため、そこにメリットを見出す人もいます。

とくにLo-Fiサウンド求める人はハードウェアの質感を重要視するため、ハードサンプラーの質感を再現したプラグイン等をよく使います。

アナログシンセにおいてはソフトシンセと直接比較しても一聴しただけではわからないレベルにになりつつありますが、連続した音の変化などはやはりアナログならではの滑らかさがあります。それはわずかな違いでしかない場合もありますが、そこに、音楽的な美しさの要因を求めるユーザーが多く、結果としてソフトシンセの音質よりもアナログシンセの質感を選ばれる傾向にあります。

2. ハードウェアの操作感

重要度

物理的なノブ、フェーダー、パッドなどのインターフェースは、直感的で触感的な操作が可能です。これは音作りやパフォーマンスにおいて、よりクリエイティブなインタラクションを提供します。

とくにアナログシンセの場合フィルターの解像度はソフトシンセのそれと比較しても全く異なるレベルであるため、アナログシンセの音の変化はハードウェアならではといえます。

ソフトシンセを外部鍵盤でコントロールできるMIDIコントローラー鍵盤なるものがあります、これはハードシンセではなくあくまでコントローラーの扱いです。

しかし、マウスでソフトウェアのGUIを操作するのとは別次元の快適さがあるため、ソフトシンセ+MIDIコントローラーでハードシンセならではの操作性を確保することができます。

3. スタジオのワークフロー

ハードシンセは、専用の機器として他の機材と連携しやすく、MIDIコントロールやCV/Gateを使用して他のハードウェアと同期させることができます。これにより、特定のワークフローやパフォーマンススタイルが可能になります。

4. 信頼性とレイテンシー

重要度

ハードシンセは、ソフトウェアのアップデートやコンピュータのパフォーマンスに依存しないため、安定して動作します。また、ハードシンセは通常レイテンシーが低く、リアルタイムでのパフォーマンスに適しています。

ソフトシンセはパソコンを音源として使用し、その音の出口としてオーディオインターフェイスを使用します。その際にどうしても鍵盤を押してから発音するまでの間にわずかに音の遅れが発生します。

これはDAW上のオーディオバッファサイズである程度調整は可能ですが、その設定によってはメリット・デメリットが発生します。

演奏しない人にとっては問題はありませんが、その遅れは設定によってはシビアな演奏を求める人にはどうしてもストレスになってしまいます。

ハードシンセはそのような遅れ(レイテンシー)がないのが大きなメリットですが、DTMで使用用途がDAW打ち込み用のキーボードであり、ハードシンセの内蔵音源を使わないのであれば、使用するのは上記で解説したMIDIコントローラー的な鍵盤で問題はありません。

5. インスピレーションと創造性

ハードシンセは、特有のデザインやユーザーインターフェースがインスピレーションを与え、音作りのプロセス自体が創造的な体験となることが多いです。異なるシンセサイザーを使用することで、新しいアイデアやサウンドが生まれることがあります。

ソフトシンセは非常に便利で多機能ですが、ハードシンセには独自の魅力と利点があります。音質、操作性、信頼性、創造的なインスピレーションなど、これらの理由から多くのミュージシャンやプロデューサーが依然としてハードシンセを使用しています。

ハードシンセの魅力は職人が作った音色にある

ここ十年くらいのハードシンセの音色メモリは90年代と比べると10倍以上に増加しているため、ピアノや生楽器のリアルさが増しています。

しかし、メモリが1MBとか100MBと言われた時代の音色は、もはや職人レベルのエンジニアが音色を作っていたため、はまらない音色は「これほんとにピアノ?」となるわけですがうまく使うことで唯一無二と言えるような存在感のあるピアノになったりすることもあります。

この音色選びにはセンスと熟練の業が必要だったりもします

まとめ

[DTM]ハードシンセを使って作曲することのメリットは何?それはソフトでは得られない音質差にあります。誰でも簡単にできる時代だからこそこだわり抜いた音色は武器になります。

初心者には少し敷居が高いかもしれませんが、ハードシンセを一台持っているだけでもいろいろと勉強になりすまし、似たような音色でもハードで作ったものとソフト作ったものとでは初心者が聴いても音の違いはわかります。

プロセスにクリエイティブ性を出すこれが個性的なDTMerになれる方法かもしれません。

「流し込み」のためにハードシンセデビューするのも楽しいかもしれませんよ。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 現在、ソフトシンセ(鍵盤楽器でMIDI入力、PC(MAC)側の音源VSTを使用)を使用しています。しかしここ最近MACのバージョンアップにDAW周辺ソフトがなかなか追いついてこないので、ハードシンセで、MIDI Trackではなく、Audio Trackで作業しようかと考えています。DrumはVSTでも良いかもしれませんが、その他の音源はAudioTrackでという方向です。MIDIの遅延などに悩まされることも少ないのでは、、、と考えます。
    いかがなものでしょうか?
    ご意見をお聞きしたくコメントしました。

  • ハードシンセのMIDIトラックを一つずつオーディオ化するということでしょうか?

    それらのプロセスは時間がとられるので、その手間を惜しまないのであれば問題はないと思いますし、実際プロでもそのような使い方をしている人は多いですよ。

  • ご返答、ありがとうございます。
    私の表現が悪かったと思います。ハードシンセの音をそのまま、オーディオトラックで録音という意味です。
    piano trioのイメージでいうと、Drum Track / Bass Track / Piano Trackを作っています。
    1) DrumTrackはVST(BFD3やEZ Drummer) MIDI Trackで作成
    2) BassTrackはシンセより直接 Audio Trackに録音。(バウンスしたDrumTrackを鳴らしながらBassパートをシンセで演奏、録音)
    3) PianoTrackも上記と同じ(Drum,Bass Trackを鳴らしながら)
    こんな風にTrackを作成してくならば、OSに依存した環境になりにくいので良いかと思いました。
    LogicProXを使用していれば、OSに追従してくるはずだし、TrillianBase,KONTACKT5でPIANO音源(Gallaxy)
    を使用しMIDITrackで録音していますが、もお一つの方法として、シンセでBass音を鳴らしAudioTrackで録音した方がMIDI遅延もなくOS依存性も少ない環境で作業ができるので良いかと思っております。今、自身のDTM環境を考え直す時期に来ていると思っています。ご意見をお聞ききできればと思っています。

  • お使いのマシンスペックがわからないのですが、例えばドラムをバウンスしてオーディオ化してVSTをオフにすればCPUは解放されます。そこで次の音源を用意すればオーディオッファを詰められるのでMIDI遅延(レイテンシー)に悩まされることなうTrillian等も普通に使えそうな気がします。

    ただどうしてもMIDI遅延が気になるのであればおっしゃるとおりハードシンセで演奏する方がストレスは少ないように思います。ただTrillianをお持ちのうえでハードシンセのBASS音色に満足できるか疑問が残ります。

    ただハードシンセはやっぱり触っていて楽しい部分があるので、その部分で創作マインドが刺激されるメリットは大きいと感じます。

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