UAD Audio PluginsのPultec Passive EQ Collectionがセールで安くなっていますがみなさん買いました?
買いたいけれど他のメーカーのものと比較してどうなのか?購入のポイントや音質差について知りたいという人のためにこのブログを書きました。
今回は、TR5、waves、Logic付属のものと比較して、音質や機能面の違いについて解説しています。
結論からいえば、無理はしなくていいですが、Pultec Passive EQ Collectionでしか得られないサウンド体験ができるので、セール価格は魅力的です。
- オリジナルのPultecハードウェアの特性を非常に高い精度で再現
- INスイッチに実機の音質差を再現
- プリセットブラウザ使用時、DAW再生がやりにくい
Pultec Passive EQ Collection 概要
メーカー | 各列で最低限維持する幅 30% |
製品名 | Pultec Passive EQ Collection |
特徴 | UAD Native バージョンと Apollo Realtime/UAD-2 バージョンの両方を含む 3種類のPultec EQを用意 EQP‑1A Low High用 MEQ‑5 Mid用 HLF-3C ローカットハイカットフィルター |
システム | すべてのテーブルタイポグラフィはMサイズにする |
バージョン | v1.2.7(2023-09-20) |
認証方式 | iLok |
認証数 | 2 |
容量 | 158MB |
マニュアル | 英語版のみ(googleで日本語化可能) |
価格 | (メーカー価格)貨幣表記は半額 |
備考 | 目立って使用者がいればその名前やコメントも追記 体験版の有無 アンインストーラーの有無 |
Universal Audio(UAD)のPultec Passive EQ Collectionは、伝説的なPultecイコライザーの高精度なデジタルエミュレーションを提供するプラグインパッケージです。このコレクションは、オリジナルのPultecハードウェアのサウンドと操作性を忠実に再現しています。
Pultec Passive EQ Collectionは名前の通り、コレクションなので、EQP-1A、MEQ-5、HLF-3Cの3つのタイプをまとめたものです。
EQP-1A、は主にハイとロー(高域と低域)、MEQ-5はミッド(中域)、HLF-3Cはハイカットローカットフィルターになります。
多くのメーカーがPultec EQ のエミュレートをリリースしているので、存在は多くの人に認知されているイコライザーです。それぞれメーカーによって味や色が代わるのが特色ですが、Universal Audio(UAD)のPultec EQはその中でもプロのからの信頼が厚く、プロのエンジニアの耳を満足させることができるクオリティです。
DTM動画の中でもクオリティとわかりやすさで人気の和田さんが使っているのもUniversal AudioのPultec EQです。
UAD Pultec EQ Collection レビュー
音質 | 4 |
機能性(オリジナル性) | 3.5 |
操作性(使いやすさ) | 2.5 |
安定性(CPU負荷) | 4 |
価格(通常価格) | 2.5※ |
総合評価 | 3.3 |
それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。
- 青帯はメリット
- 赤帯はデメリット
- 黒はどちらでもない
音質
4
UAD Pultec EQ Collection
Pultec Passive EQ Collectionは非常に高品質なエミュレーションで、アナログの温かみと豊かさを非常によく再現しています。他のもの違いUADはDSPによる処理を前提で作られていたものが、ネイティブ版としてリリースされ、専用のあアクセラレーターは必要なくなりました。
プロの世界の視点からみれば厳密な意味でネイティブン版とDSP版では音が違うと言われていますが、DTM初心者および、プラグインの音質の違いがわからない人はそこまで気にする必要はないレベルと言えます。
パルテックイコライザーは多くのメーカーからリリースされていますが、今回はT-RackS 5 EQP-1A (TR5 EQP-1A)、Waves PuigTec EQP1A、Logic付属の3つでサウンドを比較してみたいと思います。
巷の評価 | |
UAD Pultec EQ Collection | 非常に高品質なエミュレーションで、アナログの温かみと豊かさを非常によく再現 |
T-RackS 5 EQP-1A (TR5 EQP-1A) | 明るく、クリアな音質を持っています。アナログの温かみは少ない |
Waves PuigTec EQP1A | それなりにアナログの特性を持ちつつ、デジタルでクリアな印象 |
まずはドラムだけに使って比較したいと思います。プラグインはトラックはキック、スネア、OHのそれぞれに使用しています。
では、UAD Pultec EQ Collection 、T-RackS 5 EQP-1A、Waves PuigTec EQP1A、Logic付属の順番で聴いていきます。
どうでしょうか?キックは30Hzを5dB程度ブーストした形で、再生環境によってはヘッドホンを使用を推奨します。
個人的な好みでいくとUAD Pultec EQ Collectionの質感は大好きです。ギラッとせずにどことなく使用されているパーツの匂いを感じられるような実機感があります。
客観的な情報で捉えるためにPlugindoctor 2で同じ設定でイコライザーのカーブを表示させたものが次の画像になります。
TR5は大きくローカットが入っているのが特徴です。
この画像でわかることはすべて同じ設定であっても効果はそれぞれで異なるということ、またGAINの設定がプラグインによって異なります。音が大きいとそれだけで人は音が良いと判断してしまう傾向があるため、その点でみるとUADはかなり高いGAINを確保されているため、注意が必要です。
TR5に関しては、可聴範囲ぎりぎりとはいえローカットが入っているため他のものと比べると音の傾向が異なるように感じます。このあたりはヘッドホンで聴き比べをするとよりわかりやすいです。
サンプルではプラグインを使用する前後でゲインが変わらないように設定しています。そこも含めてチェックしてもらえるとより細かい動向がわかると思います。
では続いて、ミドル用のPULTECイコライザーであるMEQ-5EQをピアノで比較してみます。TR5にはMEQ-5がないので、UAD,waves、Logic付属で比較します。
UAD Pultec MEQ-5 EQの「Grand piano Widen」プリセットを参考にしました。
Logich付属のイコライザーは音の減衰が早く密度もあまり感じません。wavesは思っていたよりも地味というか素朴な印象で、UADはがっつりとミッドが削らている印象でした。これはPlugindoctor 2の画像で見てもその結果を示しています。
紫がUAD,赤がwaves
余談ですが、同じプリセットにしてもプラグインによってゲインが異なり、ゲインをどこで合わせるかは重要なポイントです。上記の画像では100Hz以下のフラットな部分で両者をなるべくあわせていますが、本来であれば、UADはwavesより1.8dB程度ゲインが高いので、ブーストされている5000Hzの聞こえ方も変わります。
ちなみに両者の設定を近づけて行けばわりと似たようなカーブになりますが、音質面ではやはりそれぞれに違いがあります。その理由の一つして
倍音の出方にあります。wavesとUADは上記のように倍音の出方が異なるので、それぞれが音色の特徴になります。
イコライザープラグインを使う場合、このあたりのポイントも意識しておくとそれぞれの違いをわかりやすく確認できます。
音質の総括として、UAD Pultec EQ Collectionの質感はUADらしさが溢れていています。その質感が私にとっては心地よいので、使用頻度は高いです。
それぞれのプラグインは巷の一つの声として次のようなものがあります。
- UADは「豊かで温かい」
- TR5は「明るくクリア」
- Wavesは「バランスが良い」
これらの違いは、目的や好み、そして使用する他のオーディオ機器やプラグインによって、どれが最適かが変わる可能性がありますが、これらの反応の傾向はそれなりに参考になると思います。
機能性
3.5
バイパス回路時の特性を再現
Pultec Passive EQ Collectionは、1951年に発明されたEQP-1を基にしています。このイコライザーは、信号の入口と出口にトランスフォーマーを使用し、真空管でメイクアップゲインを提供する特別な設計がされています。この組み合わせにより、音に独特の色付けがされます。Universal Audio版のEQP-1Aにも見られるINのスイッチは、イコライザーのオン・オフを制御するもので、電源ボタンではありませんが、このスイッチを動かすだけでも音色に影響します。
一方でwavesのEQP-1Aはスイッチは単なるバイパススイッチとして機能していました。
このようにUAD Pultec EQP-1はよりハードウェアの特性を再現することを念頭において作られたことがわかります。
操作性
2.5
プリセットブラウザは便利だけれど使いにくい部分もある
Pultec Passive EQ Collectionのプリセットは使いやすいブラウザタイプで、タグやカテゴリなどから検索できます。
しかし、プリセットブラウザがひらている場合、スペースキーでDAWを再生しようとしても反応しません。その場合、一度プリセットブラウザを離れる必要があります。
これはUADプラグインの仕様レベルなのですべてのUAD Pultec EQ Collectionに限ったことではありません。個人的に使いにくい印象がありそこが少し残念な部分でもあります。
また他のプラグインではパラメーターをテンキーによる数値入力が可能なのに対して、UAD Pultec EQ Collectionは手数値入力ができない点も操作性が良くないと感じる人もいるかもしれません。
安定性
CPU負荷は軽く動作も安定
UAD Pultec EQ Collection、TR5、waves、それぞれをオーディオトラックに1つだけ挿した負荷が次の画像です。
負荷に関してはそれぞれでそこまで大きな差はなく、動作も安定しています。なのでソフトシンセと併用しても問題ないレベルといえます。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
価格
Pultec Passive EQ Collection | TR5 EQP-1A | Waves PuigTec EQP1A | |
通常価格 | 299ドル | 85.23 ドル | 299ドル |
セール価格 | 39ドル | 29ドル |
Pultec Passive EQ Collectionの通常価格は299ドル、高いです。といってもwavesのものも昔は同じ価格でした(wavesはすでにセール価格が通常価格になっているので知らない人もいるかもしれませんが)
セールバリューの点で見ると今まで手に入らなかったUADプラグインが手に届く価格帯になったことは喜ばしいことです。DTM初心者や中級者にとって音質や機能面などを考慮してプラグインを購入するのも大事ですが、憧れを手にしたことでモチベーションが高まり、そこから新しい創作の一歩になる可能性を否定はできません。
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
12月の無料特典は
Antares Choir、Drum Synth、Dawesome LOVE、または Loopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピー
今月の購入で限定無料となるため、 対象となる購入のチェックアウト時に、 Antares の Choir または AIR Music Technology の Drum Synth または Tracktion の Dawesome LOVE またはLoopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピーを請求できます。
重要な注意点:
- Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外です。
- 2023 年 12 月 13 日に終了
- Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
- 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
- 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
- 取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
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- このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
- この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
- この製品のコピーを再販することはできません。
- このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
- 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。
PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!
まとめ
音質 | 4 |
機能性(オリジナル性) | 3.5 |
操作性(使いやすさ) | 2.5 |
安定性(CPU負荷) | 4 |
価格(通常価格) | 2.5※ |
総合評価 | 3.3 |
Pultecイコライザー は少ないパラメーターでありながら半世紀以上地球上の音楽を支えてきたイコライザーと言っても過言ではありません。イコライザー界の伝説と言っても言い過ぎでないパルテックイコライザーをクオリティの高い次元で再現したPultec Passive EQ Collectionは誰にとっても使いやすく、そこから多くのものを学べるイコライザーだと思います。
音質:UAD独特のハードウェアの質感をエミュレートした音質はTR5、waves、Logicと比較してわかりやすい差があり、好んで使えるレベルの音質
機能性:インスイッチON/OFFの音質の違いが再現されている。これはTR5、wavesにはない機能
操作性:プリセットブラウザが開いていると、スペースキーでDAWを再生できない。パラメーターを数値入力できない
安定性:CPU負荷は低い、どのメーカーのものも安定している
価格:セール価格はコスパが高い。あこがれのUADプラグインが手に入るのは嬉しい
Pultec Passive EQ Collectionを使えばミックスがいきなり上手くなるというような魔法のツールではありませんが、UAD Pultec EQ Collectionから学べることは多いプラグインです。