Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreレイテンシーについて
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの購入を検討している人にはUSBとTBの違いが気になるところでしょう。
基本的にはほぼ同じ仕様ですがレイテンシーが違います。
以下のデータはAntelopeのサポートより提供していただきました(Antelope Audio ZEN GO Synergy Core計測環境はWindows)ものに対して私が使用しているApogee Ensemble TB(計測環境パソコン Macmini2018 Corei7 3.2GHz(i7-8700B)6コア)と比較したものになります。
(パソコン環境によりレイテンシーが異なる場合があります)
Antelope ZEN GO TB | Antelope ZEN GO USB | Apogee Ensemble TB | |
44.1 kHz- 512 sample | 23.7ms (roundtrip) | 26.3 ms (roundtrip) | 24.6ms (roundtrip) |
48 kHz – 512 sample | 21.8ms | 25.3 ms | 22.6ms |
96 kHz – 512 sample | 11.1ms | 14.0 ms | 11.3ms |
44.1 kHz – 128 sample | 6.28 ms | 8.57 ms | 7.2ms |
48 kHz – 128 sample | 5.77 ms | 8.33 ms | 6.6ms |
96 kHz – 128 sample | 3.09 ms | 4.98 ms | 3.3ms |
44.1 kHz – 64 sample | 3.38 ms | 5.12 ms | 4.3ms |
48 kHz – 64 sample | 3.10 ms | 5.0 ms | 4.0ms |
96 kHz – 64 sample | 1.76 ms | 4.31 ms | 2.0ms |
Thunderbolt2のApogee Ensemble TBよりは若干劣る程度ですが、レイテンシー的にそこまで問題があるような数値ではありませんし、使っていても気になりませんでした。
それよりも、シナジーコアでエフェクトを超低レイテンシーで使えるのは大きなアドバンテージです。
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの 炎上問題について
どんな炎上が起きたのか?
Antelope Audio ZEN GOの購入を検討するときに気になるのは「Antelope Zen Go 炎上問題」です。具体的な内容は次のようになり、その問題に対してメーカーが次のようなメールを配信しました。
この度は弊社ZEN GO SYNERGY COREに発生した不具合ならびに、それらに関する情報公開が遅れたことにより、多くの皆様に多大なるご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。
2021年2月24日に、確認された位相反転(極性反転)の問題につきましては、3月11日のファームウェアアップデートにより修正いたしましたが、リリースノートにてその修正に関するご報告ができておりませんでした。弊社はこのような事態を大変深く受け止め、ZEN GO SYNERGY COREがお客様のご期待に添えないと感じられたお客様には、2021年4月15日までにご返品をしていただきましたら、返品理由を問わずに全額返金をさせていただきたいと存じます。全額返金をご希望の方は、大変お手数ではございますが、office-jp@antelopeaudio.comまでご連絡いただけましたら販売店に返品出来るよう随時対応させていただきます。
日本での弊社製品の需要の増加に伴い、お客様の期待も高まっているなかで、このように対応が遅れてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止のため製品の管理・検品システムの見直しを行い、お客様の信頼回復を得られるようAntelope Audio一丸となって改善に取り組んでいく所存でございます。今後も、皆様よりいただいておりますご要望やご報告を元に、ZEN GO SYNERGY COREを含め現行デバイスのファームウェアの更新と開発を引き続き行ってまいりますので、何卒ご容赦下さいますようお願い申し上げます。
【対象製品】
Zen Go Synergy Core
【全額返品対応期間】
2021年4月15日まで
【対応窓口】
Antelope Audio Japan (office-jp@antelopeaudio.com)
今ではこれらの問題はクリアしているので気にする必要はありません。しかし、過去にも友人がAntelopeの対応について良くないイメージをもったこともあったので、私自身もAntelopeの製品に関しては強い興味を惹かれながらも、何かあったときの対応が適切でないとやはり購入は躊躇してしまいます。
Zen GO以外の炎上について
Antelope Audioのオーディオインターフェイスは他メーカーでは見られないオプションのサービスが魅力です。
数十万相当のおまけをつけてくれたりするのですがからユーザーとしては嬉しいところ、また公式ツイートでも「この先はずっとアップグレードするたびに無償でつけます」的な内容に対して、グレードアップしたオーディオインターフェイスをリリースしたときに「これからは有償です」と今までの発言を否定するようなこともありました。
また、Antelope Audio ZEN GO Synergy Core以外でもトラブルがあり、そのことについてはユーザーから見るとスルーしているように感じる対応もあったと聞きます。
このようなことが続いたため小さな火種(不具合)であっても炎上しやすい状態になってしまったように思います。
ただ、失敗から学んだのか、サポート体制も見直し、多くのユーザーに親しまれる納得できるメーカーに変わりつつあるように私は感じています。
今回レビュー記事作成にあたりAntelopeに問い合わせときに以下のようなお話をさせていただきました。
個人的なご意見もお伺いしたいですが、初期インスタレーションや使いやすさを向上するために、もし何か具体的なご提案がございましたら是非お聞かせいただければ助かります。
特に初期の経験をスムーズにするため、クイックスタートガイドやマニュアルも見直しましたが、やはりまだ初めてのお客様が引っかかる部分が残っているかと存じます。
https://jp.antelopeaudio.com/get-started-jp/ お客様のレビューにも踏まえて、ユーザー体験を向上し続け、操作性・安定性のイメージを改善していきたいと存じております。
引用元:公式サポートのメールより
この文面からはまだまだ良くできるという気持ちが伝わってきます。
こういうスタンスが感じられるメーカーはこれからもより良いものになっていくと信じていますし、信じたいと思いました。
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの使い方
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの接続方法
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは、USB-Cケーブルでコンピューターと接続します。また、マイクや楽器などの音源は、XLRまたはTRSケーブルで接続します。さらに、スピーカーやヘッドフォンは、アナログ出力またはデジタル出力を使用して接続することができます。
USB Cケーブルは付属しているよ!
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのアクティベート及びソフトウェア設定方法
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの設定は、Antelope Audio専用のソフトウェア「Control Panel」を使用します。Control Panelを使うことで、入出力ルーティングや、DSPプラグインの管理、ハードウェアの設定をすることでZEN GO Synergy CoreをDAWと接続し、音声を録音すること可能になります。以下は、ソフトウェアの設定方法です。
Antelope Audioウェブサイトでアカウントを作成します。
Googleで日本語翻訳機能拡張が入っていると左の画面のようになります。次にデバイスを有効にするをクリックし、使用したい機種を選びます(ここではZen GO シナジーコア)
機種を選ぶとランチャーのダウンロード画面が表示されるのでOSに併せてダウンロード、次からはランチャーの設定に入ります。
・インストール後Antelope Audioのコントロールパネルを開きます。
Systemをクリックし提示されているドライバー類をインストールします。
ドライバーのインストールが完了したらDeviceタブをクリックし雷マークをクリックするとコントロールパネルが起動します。
ドライバーがインストールいていない場合DAWによってはオーディオインターフェイスの表記が異なる可能性があります。
(以下の画像はLogic Pro)
ドライバーが入っていないとafx2dawプラグインを立ち上げてもエラー表示になります。
これでDAW上でAntelope Audio ZEN GO Synergy Coreを使用する準備ができました。
お使いのDAWのオーディオ設定から Antelope Audio ZEN GO Synergyを選択すれば終了です。
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのトラブルシューティング
6-1. Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのトラブルシューティング方法
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは非常に高性能なオーディオインターフェースであるため、正しい使用手順が求められます。以下は、Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreで発生する可能性のある一般的なトラブルとその解決策です。
接続できない(認識しない)
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreをパソコンに接続しても動作しない場合次の2つをチェックしてみましょう。
- 正しく接続されているかの確認。
- システム要件や必要なドライバーやソフトウェアの最新版がインストールされているかの確認
他のオーディオインターフェイスがつながっている場合、itunesでは再生されるのに、DAWでは再生されない(でもソフトシンセ等のメーターは触れている場合)ことがあります。
私のケースの場合優先順位がApogee Ensemble TBの方が高かっためにAntelope Audio ZEN GO Synergy CoreがDAWで認識されませんでした。
このようなケースがあるため、認識されない場合は、つながっている外部機器を外して検証するのがオススメです。
またオーディオインターフェイスを乗り換えた場合など以前使っていた機種のドライバーが残っていたりするとそれが接続おタブルのもとになる可能性があるので、乗り換えた場合はOSのクリーンインストールをオススメします。
また、オーディオ設定で出力がしっかりとオーディオインターフェイスに来ているかどうかもチェックしましょう。
認識されていても装置の使用が選択されていないと音が出ないので注意が必要です。
ノイズやクリック音が発生する
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreでノイズやクリック音が発生する場合は、
- ケーブルの接続の確認、
- 他に接続されいてる外部機器などを取り外す
- 外部電源から電源を供給してみる
などの対策があります。
ただ、DAWのバッファーの設定によってはノイズが発生するのでまずはDAWの設定見直しからする方が問題解決に繋がりやすいかもしれません。
私の環境ではたまにMac起動itun esを再生していたらオーディオ設定でAntelope Audio ZEN GO Synergy Coreから消えてしまい音がでなくなることがありました。このときUSB Cケーブルの向きを変更することで改善しました。もちろん他の理由と重なった可能性もあるので参考程度にしてください。
入出力の設定がうまくいかない(音が出ない)
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreで入出力の設定がうまくいかない場合、次の2つが有効です。
- コントロールパネルの設定を見直す
- DAWの設定を見直す
音がでない問題についてはコントロールパネルで入出力の設定が正しく行われているかを確認します。Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreではノブをクリックすることでミュート機能が働きます。
その他こちらの記事の内容も参考になるかもしれません。
これらの解決策を試しても問題が解決しない場合Antelope Audioのサポートに問い合わせることで新たな解決案を教えてもらえるかもしれませんし、何かしら故障の可能性があるなら保証期限以内に交換してもらった方がよいでしょう。
Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのよくある質問と回答
- Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreはどのような使い方がベストですか?
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Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは、ミュージシャン、プロデューサー、エンジニア、ライブ配信など、持ち運び可能なサイズを生かした環境でも高品質なオーディオインターフェースとして使用できます。
- Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは使用環境について
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Antelope Audio ZEN GO Synergy CoreはMacとWindowsの両方で使用可能ですし、M1チップにも対応しています。
- Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの入出力端子は何ががありますか?
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2つのマイク/ライン/ハイZコンボジャック入力、TRSライン出力、RCAライン出力 S/PDIF端子IN/OUT ヘッドホン出力2つのポートがあります。
- Antelope Audio ZEN GO Synergy CoreとDAWの互換性について
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Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは、Ableton Live、Pro Tools、Logic Pro X、Cubase、Studio One、GarageBand、Reaperなど、多くのDAWで使用可能です。
- Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreを使ってみた感想
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「音質が良い」「使いやすい」「外観が良い」など、高音質かつポータブルで使いやすいという評価がある反面、「ドライバーのインストールがわかりにくい」「コントロールパネルのバグ」なども報告されていますが、バグが発見されるたびに、スピーディーなトラブル対応が評価されつつあります。
まとめ
どんな製品であっても万人が好むものはありません。それは安定性や機能性だけで測れないものです。一度悪いと決めつけてしまい周りがそれに続けば良いものでも悪く見えてきます。
Anelopeに関してはネットで必要以上にマイナスイメージが先行しすぎている印象があります。もちろんそのイメージの原因の一つはメーカーにあることは否定しません。ですが、そこからユーザーに親しいメーカーになろうとしているAnelopeの姿は頼もしくもあり、今後に大きく期待したいと思わせてくれます。
触り込んでみると他では普通にできることがスムーズにいかないなどの不満があるのも事実でしたが、私は機能面と音質、他のメーカーでは太刀打ちできないコストパフォーマンスでカバーできると感じました。