音が抜けてほしい。でもできる限り自然な感じがいい。トラックの存在感の強さ。それは「音抜け」と密接に関わってきます。しかし。音抜けを良くしようとしてコンプやイコライザーでこねくり回すと不自然になる場合もあります。
倍音を味付けするエキサイターを使うことで存在感を強くする方法もありますが、もう少しナチュラルな雰囲気がほしい。という場合に使ってほしいVSTプラグインそれがAudioThing Type Aです。
AudioThing Type Aを使うとナチュラルでありながら高域の空気感〜中低域の音の密度具合をぐっとアップしてくれるので今まで遠のいていた音が一歩前に出てくる印象です。
わからないままにイコライザーやコンプを使って音の輪郭を目立たせるより、専用のプラグインでサクッと作ってしまう方が効率的です。
音質 | |
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価格 | |
購入のしやすさ | |
安定度(CPU負荷) |

AudioThing Type Aとは
AudioThing Type Aは往年のノイズリダクションシステム、ドルビーAタイプのNRモジュール Dolby 361をエミュレーションしたエフェクトプラグインです。
AudioThing TYPE Aも実機と同じ仕様で20 – 20,000Hzを4分割して、各帯域で圧縮、伸張を行うことで約10 – 15dBのS/N比の改善が可能で明瞭度がほしいギターやベース、特にボーカルには重宝されやすいエフェクトプラグインです。
類似品としてOVERLOUDのDOPAMINEというものがあり、コンセプトは同じですが、こちらの方が安く音の作り込みドが高いです。


AudioThing Type Aのメリット
マルチバンドフィルターで自然な明瞭度が得られる

倍音を付加するエキサイターTYPE Bと違ってTYPE Aはフィルターとコンプで音をつくるので音の変化としてはおとなしいです。パラメーターの変化幅はInfinity〜最大で+12dBとなっています。変化が自然なためについパラメーターをマックスにあげてしまいたくなりますが、3dB〜6dB程度上を目安にすることで自然な音抜けを実現します。
エキサイターのようにギラッとしすぎたくない場合の使い方に最適です。

倍音で音をハデにしたい場合はTYPE B、ナチュラルな空気感がほしいときはTYPE Aという使い方を検討するのが良いかも!
オーバーサンプリングの動作が軽い(CPU負荷)

TYPE Aは最大で16倍のオーバーサンプリングを搭載しています。オーバーサンプリングはCPU負荷が高くなることで有名ですが。TYPE AのオーバーサンプリングではCPU負荷が低いので使いやすいです。


Soft Clipで音割れ防止!
音量を調整できるプラグインで一番注意するのは音割れです。TYPE Aはマルチバンドで周波数ごとに最大で12dB増加できるわけですから、音量管理を気を抜くとすぐにレベルオーバーになってしまいます。
しかしTYPE AではSoft Clip機能があるので、ONにすることでレベルオーバーを防いでくれます。


結構突っ込んでもしっかリミッティングしてくれる優秀なソフトリミッターですよ。

AudioThing Type Aの特徴
- ヴィンテージエンハンサー
- 4バンドのマルチバンドコンプレッサー
- 調整可能なユニットノイズ
- 最大16倍のオーバーサンプリング
- サイズ変更可能なウィンドウ
- ランダマイザー付きプリセットシステム
- ライトとダークのUIモード
通すだけでも若干高域が持ち上がります。

AudioThing Type Aシステム要求環境
ウィンドウズ
- Windows 7、8、10
- 2GHz CPU、4GB RAM
- VST2、VST3、またはAAX (64ビットのみ)
マック
- OS X 10.9-macOS 11 Big Sur (ユニバーサル2バイナリ)
- 2GHz CPU、4GB RAM
- VST2、VST3、AU、またはAAX (64ビットのみ)
まとめ
AudioThing Type Aは4つの周波数を任意で選び、それらを自然な形でエンハンスしてくれるプラグインです。使い方のポイントはオーソドックスな方法としてボーカルにかけるのもいいですし、歪んだギターにかけるのも面白いです。
また、ビンテージサンプラー使用時に失われた高域を強調するのにエンハンサー等は使われました。そのときの雰囲気はエフェクトプラグインで再現すると場合はTYPE AやTYPE Bを使ってみるとよりリアリティが出てきます。
先日、ArturiaからXmasプレゼントとして無料配布中のTape MEELO-FIやビンテージサンプラーのADDAを再現したエフェクトプラグインと一緒に使うと当時のプロの質感を再現するのに一役買ってくれますよ!



