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Steinberg HALion6レビュー使い方やサウンドチェックしてみた

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HALion6はプロがこっそり使っているPCMマルチソフト音源です。そのポテンシャルは万能ソフトシンセであるFalconと同等です。特にヨーロッパのDJの間でもよく使われるほど実は人気です。しかし日本ではあまり人気がないのは多機能すぎるのと音の質感が日本人好みすぎる部分にあるように思います。ですがHALion6は間違いないく使いこなす価値があるソフトシンセです。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
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HALion6を使うことでどんな音楽を作ることができるのか?

HALion6はあまり個性がありません。しかし、それはネガティブに捉えるべきポイントではなくどこでも立ち振る舞うことができる音源ともいえます。たしかにMoogのような王者の風格はありませんし、かといってサンプル音源としてのクオリティが値段以上のものか?と言われたら違うでしょう。

ゲームであれば日常系などはHALion6にしてイベントやアクティブなシーンでは他のシンセを使うなどの切り替えをすることでより音楽に幅を利かすことができます。以外に日常系って無個性で有りながらも出すべきところは出してくる必要がある割り切りが難しい曲だったりもするので、そういうシーンには向いている音源です。

無個性という名の個性を最大限に活かすシーンで活躍できる音源です。

HALion6の効果的なプリセットの選び方

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「選ぶのにストレス!」音色の多さはどう管理するか?

HALion6は豊富なプリセットが売りですが、その豊富さゆえにどうしてもお気に入りの音源管理が難しい一面があります。またこれはHALion6に限らず近年の大量プリセットソフト音源の課題でもあります。HALion6のプリセットにはRatingという項目で優先順位を1〜5のレベルでつけることができますが、HALion6の場合なぜかデフォルトで☆3つがついていますwそしてなぜかGM音源には☆が4になっていますGM音源が☆4というのは正直どうかと思います。私なら☆1カテゴリですが、しかし、すべてのプリセットのRatingを変更するのはかなり大変なので、

逆に☆1と☆2は使われていないので、お気に入りはそのどちらかに絞ることをオススメします。

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独立した20種類のエンジンを持つHALion6

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最初は単なるプレイバックサンプラー的な立ち位置でしたが、バージョンをあげることにエンジンの追加という進化を遂げていきます。VAからウェーブテーブルにオルガンにメロトロンブラスにストリングスに高級ピアノReventまでその数20種類の独立したエンジンを持っています。

それぞれのクオリティは正直専用音源に勝てるものではありません。しかし、実にユニークで個性的な音色が多く、HALionでしか聞かないような音色もたくさんあります。なので実は目立つことこそ少ないですが、オリジナリティが高い音源と言えます。個人的には内蔵されているオルガンがめっちゃ気持ち良いです。オルガン特有のアタックのノイズ感が曲の中で埋もれることなく主張しますし、歪ませたときのやせ細りもなく高域が耳につくこともありません。レズリーの掛かり具合も変化の仕方も良く出来ていてめちゃめちゃロックな音色からポップな音色までそつなくこなします。

最近あまりオルガン系の音色って使われないのでここらへんでオルガン音色で勝負にかける!というのも有りだと思っています。最高ピアノ音源として名高いReventも実は入っていますが、クオリティはUVIと肩を並べるものではなく抜けの良いポップな印象です。重厚感がないのでピアノ単体で聞かせるよりバックで活躍させることができると思います。

HALion6は音が細い?

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よく言われることです。HALionはもともとYAMAHAのMotifのサウンドをソフトウェア上で再現したものと言われています。Motifは程よい音の太さとそれ以上の音色としてのオールラウンドな使いやすさを重視している音源でした。

なので近年のローブースト感がすごい音源と比べると細い印象を受けると思います。しかし、シンセ(ソフト音源も含めて)にはそれぞれの個性があります。HALion6はその音色の傾向から言って前面に打ち出されるものではなくバックをしっかり守りきれるそんな頼もしさを持っている音源だと言えます。

HALion6はアルペジエーターが結構すごい

Motifもアルペジエーターはよく出来ていましたが、その機能をさらに拡張させているのがHALion6です。HALion6では単なるアルペジエーターではなくコードバッキング的なリズムも豊富なので「もっとかっこいい伴奏パターンがほしい」という人にとっては頼もしい存在になってくれます。

ちなみに私もMotif時代にこのパターンには何度も助けられました。

HALionの弱点

階層が深い

ぱっと見た目文字が小さく、また音作りのために必要なパラメータの階層が深いためどこに何があるのか探す必要があります。なれてしまえば問題ないレベルではあるのですが、多くの人が使いたがらない理由の一つはこの辺りにあるのかもしれません。

イニシャライズパッチがない

1から音色を作りたい場合などは自分でパッチを作る必要があります。この辺りはHALion6の売りがシンセなのかプレイバックサンプラーなのかどちらにウェイトを置いているかよくわかりますね。

DTM初心者にとって使いやすい?

オールラウンド的で個性があまりないと書きましたが、もちろんガッツリとした曲も書くことは可能です。音色の選び方にちょっと癖がありますが、なれると問題なく選べます。ポップスからEDM系のダンス・ミュージックまでカバーできる音色の幅広さとクオリティはDTM初心者にとっても勉強になるところが多い音源です。

金属的なデジタル音が多いので、ゲーム系などのBGMにも向いているように思います。こんな感じの曲も14トラックくらいで作ることができます。

ソフト音源の使える使えないって一体何?

よく聞きますよね。操作性の意味での使いやすさもそうですが、音色レベルでの使いやすさとはずばり「何もしなくてもかっこいい音がでる」です。流行的な音色もありますが、「使える」の定義はこれが本質だと思います。しかし、これは危険をはらんでいます。何故ならばそんな音源みんながこぞって使うからです。そんなことになったらその音色の価値はあっという間に飽和しますね。

プロとアマチュア使っている音源に差はありません。だからこそ、自分らしい使い方をしっかりと身に着けていれば流行に流されない音作りができるようになり、あなたの楽曲の価値はとても高いものになります。

だから、「使える定義」を自分が使い込める音源にしてしまったほうがちょっとかっこいいと思いません?「えーHALion?使えないよな」なんて思い込みを捨てて一度自分の力量をすべてそそいで触ってみるのが良いと思いますすごい人ほどどんな音源のポテンシャルを引き出します。

自分の気に入らない音源を見つけては「使えない!」と切り捨てる人はまだまだ二流なのかもしれません。

HALion6 Vs Falcon

プレイバックサンプラーで有りながら複数のエンジンを持つソフトシンセといえばFalconが有名です。Falconの場合は往年の名機と言われたハードウェアをサンプリングした音源を自分で拡張していくことに面白みがあります。その拡張音源は一度集めたら確実に「沼化」するレベルの音色の楽しさがあります。しかし、それゆえにFalconは「個性的すぎる音源の集合体」になり、うまくはまらないケースもありますが、HALion6はオールラウンドな音色の傾向性があるので、そつなくこなす優等生的なイメージがあります。

HALion6はさっぽろ一番塩ラーメン音源???

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個性があるようでない。味がないようで味はある。この音源の存在はまさに「さっぽろ一番塩ラーメン」に似ているということです。たしかにYAMAHAの音源ってオールラウンドな存在です。それってやっぱり塩ラーメンだと思うんです!そのまま食べても美味しい塩ラーメンですが、独自のトッピングにもそつなく応えてくれるのはベーシックな味が美味しいからですね。

しかし食べ過ぎると飽きてしまう、「もう、当分食べたくてもいい」と思っていてしばらく食べずにいるとスーパーのラーメンコーナーから送られる熱い視線その正体はもちろんさっぽろ一番塩ラーメンです。そして気がつけばまた買ってしまう。HALion6の存在はまさにそれです。

まとめ

誰もが大好き塩ラーメン音源のHALion6は絶対黙って使っている人が多い音源です。敷居が低く誰でもウェルカムなのに、音源としての作り込み度は本気になればなるほど深いところまで降りていけます。どんな音源も他人の評価からくる思い込みは危険です。自分の耳でしっかり確認してその音源のポテンシャルを引き出せる音楽を作れるようになれば毎日ワクワクのDTMライフになります。誰もが大好きなさっぽろ一番塩ラーメン。ベースの味を活かしながら調理するようにHALion6も美味しく調理してしまいましょう。

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