ドラムのバス・トラックはどんなコンプレッサープラグインを使うかで決まると言っても過言ではありません。しかし、色々とコンプレッサープラグインを使ってもイマイチイメージする音に近づかない。こんな悩み持っていませんか?
イメージする音が明確であればあるほど使うツールが決まってくるので、闇雲にオススメを選べばいいというわけではありません。しかし、もし「バス・トラックの中のスネアを埋もれさせずに引き締めて、ロックからポップスまで使える王道なスネアサウンドがほしい」Kiive Audio Complexxは最強かもしれません。
今まで、多くのコンプレッサープラグインを使ってきましたが、スネアをここまで心地よくしてくれるのは初めてで手放せなくなりました。
初心者に機能が多い分少し複雑に感じるかもしれませんが、少しくらいかけすぎても耳に痛くならないので、思い切って使ってみるのがオススメです。
とにかくバス・トラックの中のスネアが激変するは一聴の価値ありです。
- バス・トラックのスネアが超気持ち良くなる
- 13の機能を持ってダイナミクスを制御
- サチュレーション機能搭載
- 多少価格が高い
Kiive Audio Complexx 概要
メーカー | Kiive Audio |
製品名 | Complexx |
特徴 | モダン・ヴィンテージサウンド: パラレル処理 3つのアタックモード 25ms 〜3200msのリリース 楽器の磨き上げ ボーカルエンハンスメント ダイナミックフレキシビリティ 13の異なるコントロール モダンな機能性: THDオプション、ミックスノブ ユーザーフレンドリーなインターフェース: |
システム | 1 GHz Intel デュアル コア プロセッサまたは AMD 同等プロセッサ (PC) 4GBのRAM Mac OS X 10.7以降、10.14以降を推奨 Windows 7以降 画面解像度: 1024 x 768 以上 64ビットDAWのみサポート |
バージョン | v1.0.0(2023-11-10) |
認証方式 | シリアル認証 |
認証数 | 記載なし |
容量 | 40.8.5MB |
マニュアル | 英語 |
価格 | $163.90→$97.90 |
備考 | 体験版あり(14日限定) |
Kiive AudioのComplexxは、Audio & Design Reading が開発したコンプレッサーF760X RS ‘Compexをヴィンテージと現代のサウンドを融合させて作られたコンプレッサープラグインです
F760X RS ‘Compexは「バリロス アンプ」タイプの単一 FET ゲイン リダクション デバイスを備えた、ディスクリート トランジスタ で構成され、精巧で多用途なコンプレッサー、リミッター、エキスパンダーです。
音質の傾向はとにかく、ビンテージ感を感じさせないクリア感とワイド感を得られます。
ミックスバス処理、ドラムバスダイナミクス、楽器の質感向上、ボーカルの明瞭化など、多様な機能を備えています。ユーザーフレンドリーなインターフェースには、リミッター、コンプレッサー、エキスパンダーを組み合わせたダイナミックコントロールが特徴で、正確な調整が可能な13のコントロールを提供します。現代的な機能性と直感的操作性を兼ね備え、音質の向上を目指すプロデューサーに最適なツールです。
Kiive Audio Complexx レビュー
それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。
- 青帯はメリット
- 赤帯はデメリット
- 黒はどちらでもない
音質
4.5
スネアが300%気持ちよくなる音質
Kiive AudioのComplexxの音質はクリアで締まりのある音という印象です。パーカッション系やアタックがはっきりとした音との相性が良いので、ビート感を自然に強調できます。
使って思ったのはとにかくスネアとの相性が抜群です!ドラムのバストラックの中にあるスネアがKiive AudioのComplexxの絶妙なコンプレッションにより気持ちよく、アメリカンな抜けがよいのにどっしりとしたスネアに変身します。
本当に変身という言葉が一番しっくりくらい気持ち良い音になります。ただあまりにも気持ち良すぎて、音量を大きくしてししまいそうになるのに注意が必要です。
では実際どのような音になるのか聴いてみます。
上記のサンプルはドラムをバストラックにまとめただけのもので、これにKiive Audio Complexxを挿したのが以下のものになります。
わかります?バストラックの中でスネアがバシ!っと締まる感じ。これがめちゃめちゃ気持ち良いんです。聴いてる方も気持ちよいかもしれませんが、使っている方はもっと気持ち良いです。
この締り感が絶妙で、手持ちのコンプレッサープラグインを数十種類試してみてもKiive Audio Complexxのようになってくれません。個人的にこのスネアサウンドが欲しいのであれば、Kiive Audio Complexxを使うしかない。というほど唯一無二的な存在になりました。
では、今度はこのドラムにギターとベースとオルガン足してそれぞれに、Kiive Audio Complexxを通してみます。
やはり、どこか締まらないビートが決まらない印象がありますね。ではKiive Audio Complexx をドラムバストラックに使って聞くとこんな感じです。
ゲインリダクションは6dB〜8dBとわりと深めですが、アタックが耳につくような感じはなく非常にナチュラルです。
またKiive Audio Complexxにはエクスパンダーが搭載されています。このエクスパンダーも気持ちの良いスネアサウンドには欠かせない機能の一つで、通常のコンプではどうしてもあと一歩明るくしたいけれどそうならない!というときに使うと重宝します。
個人的にはEXPANDERを使うと音が広がってしまうので、私が意図する音ではなくなりますが、これはこれで使いどころが生まれるサウンドなので、おまけの機能と思わずにしっかりと使っていきたいですね。
やっぱりドラムの気持ちよさがすばらしい!アメリカのスタジオミュージシャンがセッションしているその場で即席に音を作り上げて「いいね!このスネアの音!最高だよ!」とでも言ってもらっている。そんな気持ちになります。
とにかく、何度でもいいます。「スネアがめちゃめちゃ気持ちよくなる」これに尽きます。もうエクスタシーなんです!聴いてるだけで気持ちよくなるスネアサウンドが欲しい人に超オススメです。
機能性
4.5
アタックタイムが使いやすい
コンプといえば、スレッショルドにアタックタイムにリリース、そしてレシオ、それらの設定がうまく行かなくて悩んでいる人も多いでしょう。
Kiive Audio Complexxではアタックタイムは2.5ms 25ms 0.25msのみ!この3つから選択するだけです。なので融通は効かないと感じる部分もあると思いますが、この25msが心地よく、上記のデモサウンドのアタックタイムはすべてこれです。それ以外ももちろん効果的なシーンもあると思いますが、もうよほどのことがないかぎり25msで良いと思わせてくれます。
アタックタイムが決まっている分スレッショルドによりゲインリダクションの量をざっくりと調整するだけ、本当にこれだけでこんな音が出ていいの?と思うくらいですが、良い音が出てくれます。
スレッショルドに関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
ゲートエクスパンダーを装備してダイナミクスを徹底調整可能
音質の項目でも多少ふれていますが、Kiive Audio Complexx はコンプレッサーだけえはなくExpanderとGATEにリミッターも搭載しているためダイナミクスに関しては本当に幅広く調整できます。
この他にもTHDノブでサチュレーション具合を調整できますが、THD機能が他のプラグインとは少し音色が異なるのか、ほどよいサチュレーションによる潰れ具合が気持ち良いです。
他にもサイドチェインでコンプのかかる周波数を調整し、それらをパラレルミックスできる最近の定番機能は当然盛り込まれているので、ビンテージサウンドからモダンなサウンドまで幅広く対応可能です。
そして、さらに音作りで便利なのは、TONEノブ、右に回すと低域がふくよかになり左に回すと高域が強調されるもので、イコライザーというよりはソニックマキシマイザー的なかかり方のような雰囲気です。
操作性
2.5
プリセットが選びにくい
Kiive Audio Complexxでは少数ですがプリセットが用意されています。ただそのプリセットを呼び出すまでの工程がわりと煩わしいです。
プリセットウィンドウから「Factory Presets」を選択したら右隣にFactory Presetsが表示されますが、そこをクリックしないと次に進めない仕様になっているので、慣れないひとはどうなっているの?となるでしょう。
この仕様は前回のTAPE FACEも同じだったので、改善する方向にはいかないような気がしています。
A/B比較ボタンにコピー機能が欲しかった
Kiive Audio Complexx では設定比較が可能なA/Bボタンがあります。しかし、Kiive Audio Complexx は多くのパラメーターがあり調整幅が広い分、Aで設定した機能を微妙に変更したいものをBにする場合、ゼロから設定し直す必要があります。他のプラグインではAをBにコピーする(逆もあり)機能があったりするので、そういう機能もできれば今後搭載してほしいところです。
安定性
4.5
CPU負荷は中の下程度、動作も安定
上記のデモで9つのオーディオトラックにKiive Audio Complexx を使った場合のCPU負荷がこちらになります。
また、Kiive Audio Complexx ではオーバーサンプリングが搭載されています。オーバーサンプリングは2〜16倍で設定可能で、かりにドラムバス・トラックだけオーバーサンプリングを16倍にした場合のCPU負荷は以下のようになりました。
16倍というオーバーサンプリングにしては比較的CPU負荷は低いように感じますが、それなりに負荷は上がるのでソフトシンセと併用する環境では少し注意が必要です。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
価格
4.5
通常 | セール | |
価格 | $163.90 | $97.90 |
価格に見合った一級品のコンプレッションサウンド
Kiive Audio のプラグインはどれも高価格商品のものが多い印象ですが、得られるサウンドのクオリティを考えれば高すぎる印象はありません。音質の項目でも少しお話しましたが、手持ちのコンププラグインで同じサウンドを作ろうとしましたが作れないほどKiive Audio Complexxのパラメーターの挙動が独自性のあるものだったので、Kiive Audio Complexxがあれば他はいらない!ということにはなりませんが、これがあれば自分が求める気持ち良いスネアサウンドがいつでも呼び出せる
このように思えるプラグインにはお金を出し惜しみするのはもったいないと思うタイプなので、この価値を見いだせるならば、Kiive Audio Complexxは最高の買い物になります。
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
12月の無料特典は
Antares Choir、Drum Synth、Dawesome LOVE、または Loopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピー
今月の購入で限定無料となるため、 対象となる購入のチェックアウト時に、 Antares の Choir または AIR Music Technology の Drum Synth または Tracktion の Dawesome LOVE またはLoopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピーを請求できます。
重要な注意点:
- Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外です。
- 2023 年 12 月 13 日に終了
- Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
- 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
- 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
- 取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
重要な注意事項:
- このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
- この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
- この製品のコピーを再販することはできません。
- このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
- 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。
PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!
Kiive Audio Complexxに関する動画
以下の動画ではモデリング元であるF760X RS ‘Compexのサウンドを確認できます。
まとめ
Kiive Audio Complexxとにかく、音がいいです。バストラックの中のスネアがこんなに心地よくなるコンプレッサープラグインはあまり見つけられなかったので、テンションがあがりっぱなしです。
バストラック以外でも使えますが、まずはドラムのバストラックから使っていくのが一番効果がわかりやすいと思います。
もちろんこれが万能のコンプレッサープラグインでないことは重々わかっていますが。それでも自分にとってマストプラグインと呼べるものに出会えたのはとても嬉しい限りです。
安いから買うのではなく、必要なものだから買う!サウンドに妥協したくない!そういう人にぜひ使ってほしいコンプレッサープラグインです。