DAW付属のソフトシンセもいいけれど、そろそろ2台目がほしい。できればEDM系に強くて安いやつがほしいでも有名どころのSerumやSpireは高い…手頃な価格でEDM系のダンスに強くてプリセットも豊富なソフトシンセっってないのかな?
そんな人はAIRMusic Technology Hybrid3を使ってみてはいかがでしょうか?有名どころのSERUMと似たウェーブテーブルシンセですが、プリセットも豊富で、EDM系にめっぽう強いプリセットが大量に収録されています。そしてSERUMにはない機能があり、その機能が実にかっこいい音を鳴らしてくれます。
音作りが苦手DTM初心者であってもその機能のおかげでクールでかっこいいEDM曲をつくることが可能です。
この記事では全プリセットに目と耳を通して、使い勝手の良いところ悪いところ、メリットデメリットなどについて詳しく解説しています。
音質 | |
操作性 | |
価格 | |
購入のしやすさ | |
安定度(CPU負荷) | |
話題性 |
AIRMusic Technology Hybrid3とは
Hybrid3とはマルチ音源のXpand!2やユニークなTUBEソフトシンセのVacuum Pro作ったAIRMusic Technologyのハイブリッド音源です。ウェーブテーブル方式を使ったソフトシンセで透明感あふれるデジタルサウンドからアナログサウンドまで幅広く作ることができるとても優れたソフトシンセです。
Hybrid3のエンジンはウェーブテーブルシンセということもあり、EDMからFuture Bass、TechHouseなどのDANCE系のジャンルに強いです。
使ってみてわかったのは同じウェーブテーブルシンセであるSERUMがあればHybrid3はいらないというわけではなく、むしろHybrid3でしかできない機能があり、それがDTM初心者〜上級者までの作曲のサポートに大きく貢献しています。
Hybrid3の価格
ウェーブテーブルシンセといえば、Serumを思い浮かべる人がいるかもしれませんが、Serumは$189日本円でざっと¥21,500です。SERUMの代理店でも購入が可能ですが、Hybrid3は海外サイトでしか購入ができませんしかし価格面から見るとHybrid3は同じウェーブテーブルシンセとしてかなり安いです。
Hybrid3 | SERUM |
$129→$39 | $189 |
またPlugin Boutiqueで購入するとHybrid3以上の価格のおまけがもらえるのでかなりお得感があります。
「高いものを買っておけ!安物を買うな!」という声を聞くことがあります。もちろん高いものにはそれなりの理由もありますが、大切なのが「今自分が求めている音がそこにあるのかどうか」です。高いのを買っても自分がほしい音がそこにないのであれば、無駄な出費になります。
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Hybrid3のメリット
アルペジエーター、シーケンス、ゲート系のサウンドが大量
Hybrid3の最大のメリットは大量のアルペジエーターやシーケンス系のプリセットの多さにあると思っています。鍵盤を1つおすだけでウェーブテーブル、フィルター、エフェクターを駆使したアルペジオやゲートのサウンドをが手に入ります。
正直なところHybrid3のアルペジオ等のかっこよさをSERUMで再現しようとするとめちゃくちゃ大変です。というのもSERUMにはアルペジオが搭載されていません。LFOを使って自分でアルペジオやゲートを自分で作らなければいけません。
SERUMもHybrid3と同じように大量のプリセットが販売されているので、そこからアルペジオ系で組まれたプリセットを購入すれば良いかもしれませんが、そのようなプリセットを探すのも一苦労です。
しかし、Hybrid3では1200以上の内蔵サウンドのうち、アルペジオやゲート、シーケンス系のプリセットが440以上デフォルトでスタンバイされていて、そのどれもがかっこいいです。
コードを抑えているだけでこんな雰囲気のトラックを秒速でつくることができます。
ベルやKeyなどポップスでも使える音色も豊富
EDM系ばっかりで普通の音はないの?と思うかもしれませんが、PCM系ではないのでストリングスやギターなどはありませんが、エレピやあとポップスに合うシンセベルは入っているのでそのあたりが重宝できます。
SERUMもそうなのですが、ウェーブテーブル系のシンセってちょっとしたときに使える「普通の音」っていうのが実は少なかったりします。「ここは普通のパッドでいいのになんでこんなにグニャグニャと変化するプリセットしかないんだよ」って感じですね。
Hybrid3は普通のポップスでも使えるようなシンプルなパッドも用意されているのは実は地味なメリットです。
6パートのサウンドエンジン
Hybrid3はAとBのデュアルシンセシステムを搭載していて、その中にオシレーターが3つ(そのうち1つはサブオシレーター)があります。それらを同時に使うと最大で6オシレーターシンセになり、太く強烈なリードから分厚いパッドまでつくることが可能です。
拡張プリセットが豊富で安い!
セールということもありますが、一番高いプリセットでも$10弱です。
そしてさらに、Freeの(無償)拡張プリセットも3つ用意されています。
まだ音作りがよくわからないという人でも拡張プリセットが豊富にあるのは便利です。
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その他にもプリセットをまっさらな状態にしてくれるdefaultパッチが入っているのがいいです。複雑な音もデフォルトのパラメータを比較することでどういう音の変化が起きているのかわかるので非常に便利です。
Hybrid3のデメリット
デフォルトの設定が少し分かりにくい
Hybrid3は立ち上げた時点で発音しているオシレーターが1番右のOSC3になっています。普通に考えればOSC1から音が出てもよさそうですが、なれないとOSC1のボリュームをいじっても音がでないことに戸惑ってしまうこともあります。
あとこれは私だけの環境かもしれませんが、連続で音を切り替えていると「バツっ」と行ってCPUスパイク後音がならなくなることがあります。
これ以外ではHybrid3のインターフェイス画面の大きさを変更できないというのもデメリットと受け取る人もいるかもしれません。
Hybrid3の使い方のコツ
最大4オシレーター+2サブオシレーターのSuperSawの作り方
基本となる音作りではないですが、やはり派手な音色はDTMerの心をくすぐります。そこでHybrid3のポテンシャルを最大限に活かした6オシレーターSuperSawの作り方を解説します。
デフォルトではオシレーター3だけが発音する状態になっています。SuperSawはオシレーター1と2がメインで3はサブオシレーターとして使用します。
オシレーター1の中のMulti Waveを選択します。これがSuperSawの元のなります。
少しシンセに詳しい人だと、Commonの中にあるユニゾンの数値を増やしてSuperSawを作ろうとしてしまいますが、そこでするとモノフォニック(単音)しかでなくなりますあ。ポリフォニックでSuperSawを作りたい場合はオシレーター1の中のMulti Waveを選択します。
SHAPEを回すことでユニゾン化されたオシレーターになり、よく聞くSuper Sawになります。
これをオシレーター2でも同じようにします。
これだけでも十分に使えるSuperSawになっています
リリースタイムは好みですが、1秒くらいにしておくと気持ちの良い余韻になります。
ここまでの設定でしたものをBにも同じように作り、パンをR30くらいにすれば、分厚いSuperSawの出来上がりです
オシレーターAで作った設定を上部のメニューのPART PRESETSを選択しCOPY PART A TO Bをクリックします。するとAで設定したパラメーターがすべてBにコピーされます。あとは、パンを好みの幅で振り分けます。
あとはここから、お好みでフィルター設定やエフェクトを好みで設定するのもよいです。ちなみに今回の設定作ったのはこういう音になります。
SerumよりHybrid3が便利だと思うのは4オシレーター、2サブオシレーターによる音作りです。とくにSuperSaw的な派手音を作るときにはレイヤーでオクターブを重ねる手法が定番なので、このあたりはHybrid3の方が便利と言えます。
Hybrid3のCPU負荷
4オシレーター2サブオシレータでSuperSawを作った負荷ですがかなり軽いです。
Hybrid3の特徴
1200以上のインスピレーションを与えるプリセットを備えた6オシレーターのサブトラクティブでウェーブテーブルのバーチャルシンセサイザー。
ハイブリッド2.0からの200以上のまったく新しいサウンドと1000以上の更新されたパッチが含まれています。
2つの同時パーツで構成され、それぞれに3つのオシレーターとサブオシレーター、フィルター、LFO、エンベロープ、および複雑なパッチを作成するためのエフェクトがロードされています。
パッチをすばやく厚くしたり広げたりするためのまったく新しいダブリングコントロール。
改良されたステップシーケンサーを使用すると、リズムの変化、シンコペーション、高度なモジュレーションパターンのためにステップをリンクできます。
パンチの効いたベースサウンド、ラン、シーケンスのためのまったく新しいオシレーターリスタート。
レトロなシンセサウンド用のビンテージ電圧制御フィルターモードを備えたデュアルシリーズまたはパラレルフィルター。
ポンピングと呼吸効果のためのポンプを含む8つのLFOを備えた柔軟なモジュレーションオプション。
究極のサウンド調整のための包括的な編集パラメーター。
超高速エンベロープとハイレゾサウンドのためのサンプル精度の高い合成。
最大のプレイアビリティを実現するモジュレーションマトリックスやマルチステップシーケンサーなど、パフォーマンス重視の機能。
32ビットと64ビットの両方のオペレーティングシステムではVSTおよびAAXプラグイン形式で、64ビットオペレーティングシステムではAUで利用できます。
引用:Plugin Boutique Hybrid3販売ページ和訳より
Hybrid3のシステム要求環境
マック:
- macOS X 10.10-11.x。; Core Duoプロセッサー(Core i5またはi7を推奨)
PC:
- Windows 10、8、またはWindows 7 Service Pack 1; 最小デュアルコア2GHz(Intel Core i5またはi7を推奨)
フォーマット
VST (32ビットおよび64ビット)の対象:
- サポートされているすべての人気のあるホスト
AU (64ビットのみ)の対象:
- Logic Pro X
AAXの資格:
- ProTools 10.3(32ビット)、ProTools 11.x(64ビット)、ProTools 12、ProTools 2020
- 最小RAM4GB(8GB以上を推奨)
- 200MBのハードドライブの空き容量が必要です(ダウンロードとインストール)
オーソライズ方式はILokアカウントを使った認証方式です。iLokキーがなくてもパソコン及びiLok Clound経由でオーソライズが可能です。
まとめ
アナログオシレーターサウンドだけでもかなりの音作りが可能です。EDM系に強いSupersawも良い感じですが、やはり私個人的にはwavetable波形を使った音色も使ってほしいと思います。普通のアナログ・シンセに隠し味としていれても実に個性的で不思議な存在感をもっています。
無料プリセットも存在しているとのこと持っていない人は早速買いに行きましょう。
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