ボーカルやストリングスにコンプををきれいに聞かせられるコンプを探している!という人におすすめなのがTUBE-TECH CL1Bです。
今回紹介するTUBE-TECH CL1Bは音が良いのは当然ながら、クリーンな使い方から突っ込んだ使い方にも個性がある音になってくれる素晴らしいVST プラグインです。では具体的にはどんな音になるのか?それをいくつかのオプトコンプを比較しながら聴いてみたいと思います。

TUBE-TECH CL1Bとは
ハイクオリティでおなじみのSoftubeが作ったTUBE-TECH CL1A実機のプラグインバージョンです。
実機に関しては宅録村長でおなじみの和田さんが動画を公開してくれています。(動画はCL1A実機です)
このTUBE-TECH CL1Bがオプトコンプと呼ばれているコンプです。
オプトコンプざっくり説明!”
オプトコンプとは?
音を電流に変換して電球やLEDなどを発光させそれをフォトセル(受光体)で検知すると抵抗が働くというのがオプトコンプの仕組みです。って言われても「おーなるほどそういうことか!」といえる人はどれくらいいるのでしょうか?なので、よほどコンプオタクではない人は技術的な部分はひとまずおいておいて、サウンドの質感だけ覚えてしまってください。
音が大きいほどリダクションが深くなるため、アタックの反応速度が遅くなり、かかり方が曖昧になります。これが俗にいう「かかっているけれど、かかっていないように聴こえる」というオプトコンプのからくりです。
使用環境
Mac
- Mac OS X 10.12 or newer (older OS versions may work but are not tested (64-bit only).
Windows
- 64-bit, versions 7, 8 or 10 (64-bit only).
- Intel Core 2 Duo, AMD Athlon 64 X2 or newer.
- Screen resolution 1280×800 or larger.
- Supported sample rates: 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4 and 192 kHz, in both mono and stereo.
- 8 GB RAM or more is recommended, as well as at least 8 GB hard disk space for installation (individual plug-ins take less space, while sample libraries may require additional disk space).
- A Softube account is required to register and install the software.
- An iLok account is required for authorisation of the software.
- Internet access for downloading installer and managing licenses.
- iLok generation 2 and up, if you intend to use a physical iLok dongle for authorizing your plug-ins (note that an iLok dongle is not a requirement).
フォーマット
- In theory, any 64-bit VST, VST3, AU, or AAX (11.0.2 or higher) compatible host application should work.
- The most recent maintenance release of the DAW application is recommended.
TUBE-TECH CL1Bの使い方

TUBE-TECH CL1Bの基本的な使い方は、THRESHOLDを操作しながらメーターが3〜5dBの範囲にくるように設定します。これは割とコンプの効果を確認するのにシンプルな方法です。
ATTACKやRATIO、RELEASEなどは後でもOKです。まずは圧縮したときの質感がどんな感じになるのかを理解するのがコンププラグインを理解するコツです。
ゲインリダクションが3〜5dBにすることでトランジェントが残った音になるので、潰れすぎて輪郭がわからなくなったコンプにはならいのでボーカルやドラムのOHに役に立ちます。
ですが、今回は「がっつりサウンド」を目指しているので、アタックは最速で、スレッショルドを調節しながらゲインリダクションが-5〜-7くらいにするとポンピング気味な派手なサウンドになります。
TUBE-TECH CL1Bの特徴
- サイドチェーン・ロー・カット・フィルターとパラレル・ミキシング機能
- ハードウェアレベルのクオリティの高いオプトコンプサウンド
- アコースティックギター、ボーカルには特におすすめ
大きな特徴としてはパラレルコンプが挙げられます。最近はコンプありとなしをブレンドすることでよりトランジェントの存在を明確にするのが主流です。これはコンプになれていない人で十分に活用できる機能です。
コンプとは?どんなシーンで使うもの?
コンプの使い方は次の6つの目的から使うことが多いエフェクトです
音量のばらつきを抑えてミックス内での安定を図る
最終ステレオミックスの”接着剤”として、全トラックのまとまりを良くする
ドラム等のアタックを加工して存在感や迫力を作る(逆もまた可)
リリースタイムを引き伸ば し、サウンドが前に出るようにする
過剰に使うことで少し歪んで迫力のある”ウォールオブサウンド”を作る
音量の”天井”を作り、それ以上の音が出ないようにする
TUBE-TECH CL1Bのメリット・デメリット
かかりすぎないコンプサウンドが魅力!
コンプを書けすぎたために音がこもる。なんかパツパツになるだけで迫力とかよくわからない…という人もいますが、TUBE-TECH CL1Bはオプトコンプサウンドなのでそのようなことになりません。非常にスムーズでナチュラルなサウンドです。
ボーカルやギター、ベース、ダイナミクスの調整が難しいストリングスなどにも最適です!
全体的に透明感があり、ほどよいコンプレッション感を与えてくれます。
個人的には一番気に入ったのがリリースによるサウンドの変化です。実に粘り気があってもっちりとしたサウンドは他のプラグインでは聞けないサウンドでした。
他のオプトコンプと比較してみた!
Compの比較のパラメーターは基本以下の通りです。
- パラメーターはゲインリダクションを-5〜-7
- レシオは1:4
- アタックは最速
リリースのみを
1回目はCompバイパス→Compリリース0ms→Compリリース160ms→Compリリース5000ms(MAX)と変化させています。
LogicProX Vintage Opto

音の暴れ方はそれなりですが、リリースによる変化で音の変化がより顕著になります。敢えて派手に使っていますが、ゲインリダクションをおさえればクリーンな質感も出せます。
付属のコンプ=低クオリティとは思わずに使い込んで見る価値があるコンプです。
TUBE-TECH CL1B

音の密度がすごい音質です。リリースを真ん中あたりにしているときのサウンドの戻り感が音楽的です。またリリースを右に回しきったとき状態の自然な質感もとてもナチュラルで使えば使うほど癖になります。多くのエンジニアが太鼓判を押すだけのコンプです。
TR5 Opto Comp

音の変化はそれほどなく、優等生的なサウンドです。派手に使うとピークがついてしまうので、荒々しいサウンドの扱いには向いていません
Material Comp

カメレオンコンプ呼ばれれている万能コンプですが、荒々しい音からクリーンな音までかなり幅広く使えます。音の密度もプリアンプスパイスをやアナログフレーバーを使うことで追い込むことができます。最近のわたしのお気に入りの1つです。

TR5 TR5 White 2A

オプトコンプといえば、白パネルにつまみが2つのLA-2Aです。リリースなどはありませんが、つなぐだけで使える便利コンプです。
White 2Aはドンシャリタイプで、使いやすいサウンドです。
Gem CompLA

現在もっともクオリティが高いと噂されている Gem CompLAはWhite 2Aと比べると少し暗めの音質です。ですが、暗い=こもるではなく無駄に彩度をあげているようなテレビではなくシックで落ち着きながらも黒の陰影をしっかり出しているそんな印象のコンプです。
まとめ
- 温かくゆっくりとした光学式ゲイン・リダクション
- 一般的な光学式コンプレッサーよりも幅広いジャンルに対応
- きめ細かく、パンチのあるサウンド
これらの要素を兼ね備えたプロが大絶賛するオプトコンプです。
プラグイン収集家として一ついえるのは「クオリティの高いコンプを一つもっておけばそれと比較してサウンドの違いを認識できる」ということです。
自分の基準となるハイクオリティのマスターオプトコンプレッサーとしてTUBE-TECH CL1Bを持っておく価値はあります。
